あらすじ
16歳のビリーは、家族の家畜を襲っていた牝狼を罠で捕らえた。いまや近隣で狼は珍しく、メキシコから越境してきたに違いない。ビリーは傷ついた牝狼の姿を見るうちに、故郷の山に帰してやりたいとの強い衝動を感じる。父の指示には反して、彼は家族には何も告げずに、牝狼を連れ国境を不法に越えた。その長い旅路の果てに底なしの哀しみが待ちうけているとは知らず――孤高の巨匠が描き上げる、美しく、残酷な青春小説
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Posted by ブクログ
大まかなストーリーは背表紙に、捕まえた狼を故郷のメキシコへ越境して連れて行くと書いてありましたが、3分の1過ぎて予想外の展開に。
前作よりストーリーのスケールは越境のほうが大きいと思いました。
プリマ・ドンナや元老兵士そしてジプシー?や旅人が、様々な世界のあり方や捉え方を予言のごとく語ります。彼らにはビリーをどう見ていたのかどう映っていたのか。
コーマックマッカーシーの本は時と場所を選んで静かに読みたいと思いました。
Posted by ブクログ
『すべての美しい馬』とこれと『平原の町』で国境三部作とのこと。
気になる.
そして1995年単行本を読んでいる.
最初に、主人公が夜寝床から起き出して、狼の姿を見守る場面でもう絶対にわたしの好きな物語だと確信したし、読み終わるのがすでにもったいないと思った。
そして読後、すばらしくて、訳わからなくて打ちのめされる。。。
主人公は手に入れたいものを追ってアメリカとメキシコの国境を3回越境する。2回は手に入れたいものが手に入らなかった、3回目は手に入れたけどほしいかたちじゃなかった、といった意味の文章がある。
狼を追っていって戻った後、まだ物語が続いて、なんでだろうと思っていたけれど、読み進めながらじわじわとそうかそうかこれでいいんだなと思う。そういうことなのだよ。
3部作の3作目も読みたい。そして、フォークナーの『熊』も読んでみなければ。