【感想・ネタバレ】別れの色彩のレビュー

あらすじ

年齢を重ねた今だからわかる、あの日の別れへの後悔、そしてその本当の意味を――。男と女、親と子、友だち、隣人。『朗読者』で世界中の読者を魅了したドイツの人気作家が、「人生の秋」を迎えた自らの心象風景にも重ねて、さまざまな人々のあの日への思いを綴る。色調豊かな紅葉の山々を渡り歩くかのような味わいに包まれる短篇集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

淡い印象の短編集。一人称でこそないが、各話とも多少読み進めないと主人公の年齢層がわからないのが気になった。映像でいえば、冒頭からしばらく主役の顔だけが映らない感じ。狙ってのことかもしれないが効果は薄い気もする。
作品としては、兄夫婦に死なれた弟の話が一番じわりと浸みた。自分も一人の兄として、弟にどう思われているのか気になってくる。

(追記)二年(一年十か月)経って久しぶりに読んでみたが、やはりもう少し歳を取ってみないと染みてこない気もする大人の文学。

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2023年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公はほぼ全員男性だったが、読み進めるにつれて、それを意識させられる本だなと思った。もし女性目線の「別れの色彩」だったら、これほど昔の恋人や妻を振り返り、そこに湿っぽさを感じることはないように思ったけれど、どうなのだろう。

短編にも関わらず、どれも人生がきゅっと凝縮されているところはすごいと思った。

お気に入りは、自分のせいで障害者となった弟を持つ姉とその姉に恋をしていた主人公が再会する「姉弟の音楽」、夫婦で自殺した兄と兄ともてなかった繋がりに折り合いをつけようとする弟の心境を描いた「ダニエル・マイブラザー」。
(幼少期、病弱だったゆえに親戚の家に預けられていた兄。「クリスは別れを告げなければならないものをきっぱりと置いてくることによってのみ、それを克服できたのかもしれない」という弟の考察が興味深かった)。

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2023年07月24日

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