あらすじ
身長175センチ、22歳、処女。いや、「女の童貞」と呼んでほしい――。就職が決まった大学四年生のだるい日常。その底に潜む、うっすらとした、だが、すぐそこにある悪意。そしてかすかな希望……? 芥川賞受賞作家の鮮烈なデビュー作。
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Posted by ブクログ
読んでよかったし、この作品を読んで心から「良かった」と思えることが誇らしい気さえした。
ユーモラスな語りと人間味あふれる人物たちの人間模様はエンターテイメントとしても成立していて、でも、どうしようもなく現実と地続きだ。
女版の童貞・ポチョムキンを名乗る主人公は女性らしさを排した振る舞いをするのだけど、一方で彼女はどこまでも女性であることに自覚的である。男性から性的に求められることはなくとも、彼女は常に「男に殴られれば勝てない女性という肉体の弱さ」を噛みしめている。
そういった原体験による主人公の原動力を安易な男女差に押し込めないことが、本作品最大の魅力だろう。
改題である「君は永遠にそいつらより若い」は、非常に意外な「君」に語り掛けられているという驚きに満ちていて、素晴らしい。一方で改題前の「マンイーター」もこの作品の核を感じる。