【感想・ネタバレ】まんがでわかるニーチェのレビュー

あらすじ

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累計200万部超を誇る「まんがでわかる」シリーズの最新刊。
今回はベストセラー『超訳ニーチェの言葉』の著者、白取春彦氏が自らまんがの原案を手がけ、
ニーチェの「ニヒリズム」「ルサンチマン」「遠近法的思考」「力への意志」などのキーワードをまんがでわかりやすく解説。
主人公はファミレスの店員・フミ。廃棄処分のカプセルトイからニーチェの携帯ストラップを見つけ、
なんとなくスマホにそれをつけたフミはその後折に触れ、ストラップを見ながらニーチェの言葉の意味を知り、
人間的に成長していきます。
生きづらさを抱えた現代人への処方箋をニーチェの思想にのせて解き明かしていきます。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

同情
同情とは見下した相手にしか生じない感情であり、上から優越感を感じているに過ぎない。友には“戦場の寝床”のように、ただ寄り添えば良い

神は死んだ
神とはキリスト教の神に限らず、真理や善などの、絶対的価値のこと。

畜群本能
弱者が強者を批判するために群れ、保身のために「善」を作り出す。
その弱い群れの価値観に無意識に従ってしまうこと。→本当の正しさなどない

背後世界
人間の生きる現実界の背後にある世界。天国や地獄のこと。
こうした設定を作り上げることで、弱者は善を推奨し悪を弾圧し、秩序を作り上げた。
本当の自分や理想的な結婚生活などの背後世界を設定することで、現実は仮象となり否定され、苦しみが生まれる。

遠近法
自身に近いものは大きく見え、価値が高く見える。遠いものはその逆。
つまり物事に絶対的価値などない。=ニヒリズム

快楽主義
背後世界主義者たちにとって、それは「俗世のこと」で忌むべきもの。
しかし自分で自由に考える場合はどうだろうか。

自分にとっての価値
時給などの客観的価値ではなく、その仕事を当人が楽しめるかどうかなどの主観的価値であるべき。他者からの評価に振り回されるのではなく、自分なりの意味や充実を見出し、自分を愛することが必要である=人に判断を頼るな!人の判断基準に縋るな!ということ

怨恨(ルサンチマン)
誰かに敵対心や嫉妬を抱くが、勝ちえないために、「弱い自分たちこそ正しい」という主義を作り出す。(ex正義は全て報われる)
ルサンチマン自体が批判されるべきではなく、問題はその空虚性である。ルサンチマンは強者への敗北を認めないことから生まれるため、自発的な価値ではない。
今の自分の置かれた境遇は100%自分のせいなのである。

力への意志
あらゆる物事、ただ自己を増幅させようという「力への意志」を持つ。この世界はそれらの力のせめぎ合いで成り立っており、その中で最たる強さを持つものが「神」とされる。
しかし力は常に他の力とせめぎ合っており、絶対的な神は存在しない。

物心論
ニーチェは伝統的西洋哲学に反し、体を心の上に置いた。というよりも、肉体と精神という言葉が生まれたことでそれらは分裂しただけであり、そもそもは1つのものに過ぎないとした。ともあれ心は道徳や倫理などの社会的・客観的な価値を考えてしまうが、肉体は正直に自分の欲求を表現する。どちらが大いなる理性足り得るだろうか。                                                       

運命愛
ニーチェのいう運命とは、自分の選択と行動に導かれるものである。今の運命は全て過去の自分の行いから生じた所であり、未来の運命は今の自分の行いから生ずる所である。つまり全ては必然でしかない。
→そのため客観的価値ではなく、主観的価値に添うことで、自分の運命を愛することができる。
そもそもあらゆる物事に絶対的価値など存在しない。物事を相対化し価値づけるのは人間の驕りでしかない。良い出来事も、悪い出来事も全て恣意的に決められたものに過ぎない。
全てが等価値で無価値ならば、良いも悪いもないそれらを一切受け入れることで、苦難の末人生でさえも愛おしく、自分の運命を愛することができる。自分の人生の日々を丹念に愛すればただそれだけでよいのだ。

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2022年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ニーチェは同情を嫌った。相手を格下と見なし、全く脅威を感じていないときに生まれる感情だから。相手を対等と見なしているなら同情しない。同情して快感を得ている

考えることをサボるやつほど常識を持ち出してものごとを決めつけようとする。


人は同等(軽視している)だと思っていない人間を憎まない。同等もしくは一段優れたと認めたとき、初めて憎む

自分の考えや行動を何かのためと考えるのはやめよう。自分の好むことをはっきりと知り、世間や他人の評価などは気にせずにそれを追及するべき。
何かのためには生きてる限り、(給料のために働くとか、ダレカノタメニなんかするとか)その誰かや何かが消えたとき深い空虚を感じる。ニヒリズム
義務でやるな、せっつかれてやるな、嫌々やるな
人の価値観にすがるな
勇気を出してニヒリズムに向かい合い、人に判断を頼ることはやめよう。

自分自身で価値のあるものを見いだそうとせず、脳ミソを使うかわりに他人から与えられた別のものを拠り所にしない
手軽に拠り所 伝統、社会的地位、アイドル…



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2020年07月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ちょうど哲学の本を読み始めたところだったので、ニーチェの時代背景も理解した上で読んだので、内容が分かり易く入ってきた。
「道徳」という言葉に縛られて、無条件に善悪を判断してしまうことに警鐘を鳴らしている。
全ての価値観を一旦捨てて、自分と向き合うことで自分にとっての善悪を見極めて、自分の人生を選択していくべきという考えには共感する。一方で、性欲などに対しても正直であるべきとする考えには、やや違和感も感じてしまう。哲学とは難しい。
・知識、経験、生活といった自分なりの事情から世界を見て、重要と感じるものは大きく扱い、そうでないと感じるものは小さく扱う、という判断を日々重ねているわけだ。従って一つのことについての人々の解釈や評価は、すべて異なってくる。その結果「これこそ公平で正しい」と呼べる解釈や評価はどこにもない。「客観的な正しさ」などなく、誰もが主観的に判断しているに過ぎない。
・常識や道徳でも同じことかいえる。日本では正しいとされる常識や道徳が、外国では理解できない非常識や悪習と見なされる場合もあるのは、生活・歴史・文化が異なるからだ。
・考えることをサボりたい人ほど、常識を持ち出して物事を決めつけようとする。
・道徳は、人間の自然性に反する考えや命令を多く含んでいる。
・同情は自分と対等と認めている相手、あるいは自分ょりも格段に上だと感じる相手に対しては芽生えない感情だからだ。同情の相手は必ず、自分ょりも弱く見える人なのだ。ー人は同情することによって相手より上に立ち、自分の力の強さを実感し、何か有用なことをしてやれるという事実に、ひそかな快感を覚えているというのである。
・同情は軽蔑に等しい。誇り高い人は同情する相手を憎み、復讐心すら抱く。
・弱者は自分の弱さを肯定するために、報復できない無力さを「善良さ」、臆病で卑怯なことを「謙虚」などと言い換えて賛美してきた。そういう立場を進んで選択したものを「強者」として称える。こうした弱い群れの価値観に無意識に従う本能を「畜群本能」と呼ぶ。
・畜群本能を持つ人々の間では、「持たないこと、貧しいこと」こそが正義となり、禁欲主義こそが理想の生き方となる。しかし、禁欲主義は人間の自然な欲望に逆行するため、禁欲的な生活は神への信仰の厚さの表れという図式が定着する。
・二ヒリズムとは簡単に言えば、既存の価値を否定すること」をいう。「絶対に正しいことなどこの世に存在しない」という哲学的な立場。
・弱い人はニヒリズムに耐えられず、「他人(メディア、有識者、親、友達、上司等)の価値観」にすがり、「他人の人生」を生きるだけで、自分の人生を生きられない。
・強い人はニヒリズムを受け止めて、自分の内面を徹底的に見つめ直し、本当に心身がはんのうするものに気づき、自分にとって価値ある人生を生きる。
・昔から善悪は決まっているとして疑わず、伝統や因習に唯々諾々と従うとき、自由からは遠い場所で主体性を失っている。
・人々がいつの間にか設定している別次元の理想的世界が「背後世界(天国など)」である。背後世界を設定すぃて物事を見れば、現実の仮の姿(仮象)であり、それは必ず否定する結論が導かれる。到達できない理想を求める限り、人は自分の生を受け入れ、謳歌することができなくなる。
・ニヒリズムに甘んじている人は、いつも他人に認めてもらいたいと思う気持ちを抱いている。人の価値観にすがっており、自分で自分の価値を十分に見出していない。だから、他人からハンコを押してもらいたがる。自分らしい人生を生きることを考えるとき、この状態は危険だといえる。自分の価値を自分で見出していないということは、自分がすべき仕事に専念していないことをも意味する。「自分がやるべき仕事じゃない」などと疑い、よそ見しているようでは、自分の価値と向き合っているとはいえない。
・「今の自分はこれまでの自分から生まれできたものだ」と現実的に考える。辛いことや耐えがたいことに遭遇するのが人生というものだし、それらもまた今の自分を形成する要素の一つ。過去の自分という全体が、今の自分という全体につながっている。見たくない部分から目を背けるのではなく、しんどいことをも自分のものとして受け入れたとき、新しい強い自分が生まれてくる。

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2017年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私にとってニーチェは、哲学者の中で、一番分かりやすくて、好きな人。『まんがでわかる』シリーズは、読みやすくて好きなので、多分すべて読んでいるはず。この本も理解しやすい!

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2016年07月31日

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