【感想・ネタバレ】仕事漂流 就職氷河期世代の「働き方」のレビュー

あらすじ

第一章 長い長いトンネルの中にいるような気がした(元都市銀行33歳) 第二章 私の「できること」っていったいなんだろう(元菓子メーカー30歳) 第三章 「理想の上司」に会って会社を辞めました(元中堅IT企業30歳) 第四章 現状維持では時代と一緒に「右肩下がり」になる(元大手電気会社32歳) 第五章 その仕事が自分にあってるかなんてどうでもいい(元中堅広告代理店29歳) 第六章 「結婚して、子供が生まれ、マンション買って、終わり」はいやだ(元大手総合商社29歳) 第七章 選択肢がどんどん消えていくのが怖かった(元経済産業省32歳) 第八章 常に不安だからこそ、走り続けるしかない(元外資系コンサルティング会社33歳)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

転職にまつわる氷河期世代8人のルポルタージュ。これには強いリアリティがある。ルポだからリアルなのは当然だが、その書き手の表現の仕方だろうか、描かれている気持ちがよく伝わってくるし、状況も非常に同時代を生きた者としては「あるある」と言った感じだろう。
起業に失敗する者、なんとなくで入社したが仕事を好きになれない者、あこがれの業界に入ったもののイメージとは異なり悩む者、どのシチュエーションも実に身近にあるものだ。

氷河期世代以降の学生は大企業の倒産を見ているので、大企業が安泰とは限らないことを肌感覚で知っている。だからこそ、手にスキルをつけたいとか、資格が欲しいとか、起業をして自分でコントロールいたいとか、何かしらの目標を掲げてそこに到達しようという動きが生まれた。
「何かをしなくては」という焦燥感に駆り立てられ、自分にできそうなことがあれば「きっとこれがやりたいことなんだ」と自分に言い聞かせることになる。結果、努力主義が人に過負荷をかけたり、夢を叶えてもこんなものか、と脱力したり、達成できないことに常にイライラを感じることになる。

努力や夢の行き先に絶望することで、キャリアアップって何?という疑問が浮かぶだろう。多くの人は無条件に上昇志向を良いものとして受け入れている。それまで経済成長とともに線型的に昇進を当然としていた人事制度、いや社会の在り方自体が上昇志向の中にあった。しかしすでに高度成長の時代は終焉を迎えていて、制度も価値観も時代遅れのものとなってしまった。

あとがきにも書かれているが、もはや一つのモデルに対応する一つの制度では対応できないほど、社会は多様化している。ひとつのものさしからはみ出した者がすべてにおいて否定されるようなことはあってはならない。願わくば大きな内需の創出と労働市場の流動化か進んでほしいものである。

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2012年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

キャリアについて考える年ごろなので
最近この手の本をよく読みます。

内容はちょうど自分とほぼ同級生が転職に至るまでを
数人の例をあげて書いています。
共通点は全員就職氷河期ってことです。

びっくりするぐらい転職に至る動機が共感できます
自分も含めてこの世代はバブル崩壊のリストラや
その後の就職活動で痛めつけらているので
組織をあまり信用していないなーっという感じがします。
それに伴う年功序列の歪みもかなりでてきているのでしょう。

転職を考えているようなひとはもちろん
今の学生にも就職で人生全ては決まらない
ってことを知ってほしいので読んでほしい本ですね。

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2012年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 8人の働く若者のノンフィクション。
仕事とは、何を求めて生きているか、自分にも考えさせられる。
自分のやりたいことがあって、でも迷っている人にはすごく勇気づけられるだろう。

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2011年06月26日

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