あらすじ
武蔵野の自然豊かな地で、「すい仙」なる古民家居酒屋を切り盛りする一升庵・女将のおせんは、料亭時代と変わらぬ食材へのこだわりに加え、粋を極める設えで「和」を貫き通していた。その噂を聞きつけた若きシェフ・荒井は、おせんの心尽くしな料理に魅了され、弟子入りを決意。働くことが決まっていたガストロミーの名店「グリル・ド・タマキ」を辞め、「すい仙」で働き始める。そんなある日、《鮭》をめぐる夫婦喧嘩の仲裁をすることに……。でも、おせんは原因であった〈新巻き鮭〉で解決をするつもりらしい。果たして、どんな鮭料理なのか? そして、どんな鮭食材を使うのか? 日本人のDNAを震わす極旨料理が次々に饗される――。
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Posted by ブクログ
第2巻になると物語は穏やかになる。茅葺き屋根の家は、先日福島県の大内宿を見てきたので、日本の建築物の歴史的な凄さを感じた。この物語の茅葺の古民家は、気仙沼大工の流れをくむ、せがい造りの入母屋。自在鉤は、恵比寿鉤。材は一本もののケヤキ。一級品と言われるもの。
そこでおせんは、サクラマス、そして三陸産、南部鼻曲がり鮭の新巻き鮭を料理に出す。
ふーむ。新巻き鮭は、子供の時に出会ったことがあったが、しょっぱいだけだった。食べ方を知らなかったのだね。荒巻と大根の潮仕立て汁。美味しそうだ。それにしても、アルミの弁当箱に、サケかぁ。中学の時は、弁当だったので、サケ弁当が多かったなぁ。日の丸弁当もあったけど。やたら、懐かしい。今どき、こんな展開は、不思議なほど時代がずれているので、新鮮だ。食は、過去からやってくる。久しぶりに、焼き鮭を食べたくなった。
食を通じて、理解しあうっていいことだ。記憶、そして、美味しい、何よりも健康のために。
新井コージくんの古巣、グリルドタマキのシェフとそのスタッフが、おせんの料理を食べにくる。
いんげんとゆばのごまあえ、ソラマメの塩茹で、生ワサビと土佐醤油のじゅんさい。そして、鰹節のけづり方。薄く、長く、細くが鉄則とは。子供の頃によく鰹節を削づったのを思い出した。刃をおじいちゃんに研いでもらった。自分の中にある記憶が、蘇る不思議な作品だ。新井コージ君も少し成長したかな。気取らず、その素材に真っ直ぐに向き合う。日本の食は素材をどこまで活かすか。展開はおもしろい。古民家居酒屋と名乗っているのがいい。
匿名
令和時代のおせん序章
過去おせん作品のファンで今回の新作も購入。今作も読むとお酒が飲みたくなる一冊。
登場人物が一新されていて、漫画の中にも時の流れが感じられる。あえて明かされていない部分がたくさんありそうなので、これから詳らかになっていくのが楽しみ。
新作にはまだ登場していないかつての一升庵の仲間たちのその後の姿も見られたら嬉しい。
Posted by ブクログ
昔の「おせん」と比べると、ちょっと説明過多な感じがしないでもない。
ただ、問題は「おせんさんは、なぜ一升庵からこの小料理屋?に来たのか」「すももとおせんの関係は?」が気になりすぎて、料理の話がなかなか脳に入ってこないこと。
最初は「同姓同名の多元宇宙おせん?」とも思ったけど、ゲストキャラがことごとく旧作おせんの関係者ばかりなのでそういうわけでも無さそうだし。うーむ。
まあそれはそれとして、今でも「ドカベンに鮭」ってのは本当に旨いし大好き。悔しいことに、皮はなかなかぱりぱりにして食べる機会ないけども...
話は面白いけど
今回は塩分濃度が高い新巻鮭は食べたらダメという奥さんと、新巻鮭を食べたいという夫の仲違いをお仙が新巻鮭の塩分以外に塩を使わない料理で仲を取り持つという話だったが、その料理の塩分が一食当たり何g使われているかのが全く書かれていない。健康被害に問題なのは塩分濃度ではなく塩分接種量!いくら塩分濃度が低い料理を作っても大量に食べたら塩分接種量は多くなるのでは?
もともとこの作者は、和食最高!和食以外はクソ!みたいな和食原理主義者だからしょうがないんだろうけど。この話を読んだ感想はモヤどころかイラっとしました。
あっ!ちなみに本作は他の電子書籍サイトで50%OFFで購入していますw