あらすじ
就職後の現実に失望する若者、疲れたミドルと元気なミドルの二極分化……。たった一度の仕事生活を納得して送るにはどうすればいいのか。入社、昇進、転職……人生の節目には自分を見つめ直し将来の方向性をじっくり考える――これが本書のおすすめする「キャリア・デザイン」。これさえすれば、後は偶然に流される生き方も長期的にはプラスに作用する、と著者は言う。心理学にも精通する著者は、経営学の中でも人間の問題に深く関わるトピックを主に研究している。本書では、自分らしく成長していくためのヒントを、代表的なキャリア研究、発達心理学の概念を通して紹介。
<主な内容>◎キャリアは働くみんなの問題 ◎揺れ動くキャリア観―なぜ移行期、節目に注目するのか ◎キャリアをデザインするという発想―ただ流されるのとどう違うのか ◎最初の大きな節目―就職時と入社直後の適応 ◎節目ごとの生涯キャリア発達課題 ◎「賢い働き方」をモノにしよう
働く自分の問題として、世代を超えて役立つ一冊。
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Posted by ブクログ
自身のキャリアについて考えるための切り口を求めて本書を手に取った。
心理学や社会学の学説を豊富に引用し、著者独自の解説を加えている。正直もう少しページを絞れたのではないかと感じたが、初めて触れる理論も多く、楽しめた。
以下、自分のためのまとめ。
キャリア発達は準備、遭遇、順応、安定化というサイクルを回る。サイクルをより深く回ること、前のサイクルと今のサイクルの関連性を見出し消化することが、キャリア発達のために大切である。
夢、岐路の選択、がんばり、遊び、の流れを繰り返す。岐路の選択には自己決定出来るだけのリアルな情報が必要(RJP)。
まず信じて進むことで、元気良く頑張れる。だから成功する。必要最低努力量を越えるまで、邁進する。疑り深いこと、頻回に選択をしようとすることは成功への障害だ。
人生の逆算。60歳まであとプロジェクト型の仕事を何回回せるか。終わりが見えてきたことで本当に必要なものを選択出来るようになる。
発達段階ごとの課題と課題をクリアした時に得られる美徳、クリアできない時に陥る状態。エリクソンの漸成説。レビンソンの発達課題。
日が登る時に置いてきたものの統合と肯定が今後の課題。
Posted by ブクログ
キャリアについていつどのようにとらえたらよいか、ヒントを与えてくれる本である。キャリアをデザイン(意図的に計画する)すべきか、それともドリフト(流れに任せる)なのか。この本では節目にはしっかり方向感覚を持ちデザインすべきだが、いったん方向が定まったら流れに任せてみることが提案されている。すると意識していなかった自分の才能を発見したり等、よき偶然や掘り出し物に出会うことがある。
いくつか印象に残ったポイントは
・「夢しか実現しない」:夢なんてという人がいるが、夢として描かないかぎり、それは実現しない(ベンチャー起業家の方のことば)
・「ドリフトも偶然を楽しむ」:そもそもキャリアを詳細に設計しようとするなど不遜であり、息苦しい。流される中で偶然に振り回されるひともいれば、それを楽しめる余裕のあるひともいる。
・MER(最低必要努力投入量):いったん方向を定めてアクションをとっていく中で、思うようにいかないからといってすぐにあきらめたりするのではなく、最低限の努力(よいガマン)はすべき