【感想・ネタバレ】答えは市役所3階に~2020心の相談室~のレビュー

あらすじ

コロナ禍がもたらした、幾つもの「こんなはずじゃなかった」。市役所に開設された「2020こころの相談室」に持ち込まれるのは、切実な悩みと誰かに気づいてもらいたい想い、そして、誰にも知られたくない秘密。あなたなりの答えを見つけられるよう、二人のカウンセラーが推理します。『トリカゴ』『十の輪をくぐる』『あの日の交換日記』最注目の気鋭がストレスフルな現代に贈る、あたたかなミステリー。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

一人一人のお話が終わった後にエピローグがついている形式で、そこで相談者の隠していたことが明らかになるのが面白かったです。
そして、少しずつ相談者たちが繋がっていて、相談のその後を見られるのも良かったです。
すっかり昔のことのようで忘れていたけど、コロナ禍ってこんなだったなぁと思い出させる描写が多くて、始まりはみんながコロナに怯えて、さまざまな差別もあって、本当に嫌な期間だったなぁと改めて思い返すことができました。

0
2025年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コロナ禍のとある市役所におけるこころの相談室のお話。

普通に一話読み終わって、一件落着と思いきや、その後の市役所の昼休みや退庁前のカウンセラー二人のやりとりにより、暴かれる真相。

毎回晴川さんの話すどんでん返しに驚きつつも、その驚きが快感になってました。(笑)

最後の方で、4話との繋がりに気付き、そして5話は1話に繋がっている。

ほっこり系かと思いきや、人は誰でも嘘をつく、という真理に基づいたお話だったのね、と感心。

0
2025年07月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コロナ禍の2020年、立倉市の市役所に設立された「2020こころの相談室」を利用した人々と2人の相談員の物語。
母子家庭で高校卒業後就職を希望していたが、コロナの影響で希望する業種の求人がなく悩む女子高生「白戸ゆり(17)」。看護師であることを理由に婚約者と喧嘩別れした男性「諸田真之介(29)」。コロナ禍で妊娠・出産したが、夫は仕事で忙しくワンオペで育児ノイローゼになった女性「秋吉三千穂(38)」。日雇い労働者の仕事がなくなり、ホームレスになった男性「大河原昇(48)」。対面での授業がなくなりリモート授業で引きこもりのようになった男性「岩西創(19)」。
相談者本人視点のストーリーの後に「〜のひととき」として相談員側の短いストーリーがついている。晴川と正木2人の会話で構成されており、相談者の隠した秘密、嘘が暴かれる。晴川は若いけれど人をよく見ており、名探偵さながらに相談員の隠した秘密を暴いていく。正木は人のいいおじさん、おじいさんという感じ。
相談の内容はどれも、本当にこういう人いたんだろうなぁと思うようなもので心が痛い。だが、どれも前向きな形で終わっているのがいい。「白戸ゆり」のエピソードが一番可哀想だった。大人ではないだけに自分で決めることができず、母親に気を遣って、親身になってくれない教師にも気を遣って…。「岩西創」のエピソードで見える後日談でも良い方に転がっていることが見て取れてよかった。

0
2025年06月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

カウンセラー晴川と定年後学んでカウンセラーになった正木のコンビがすてきだった。カウンセラーがふたりで聴くというのは小説だからかな。1対1しか経験がないため想像でしかないが、2対1だと話しにくい気もする。でも話中は晴川と正木のキャラのおかげもありスムーズに進み、最後には晴川が名推理をする。確かにコロナ禍にたまたま遭遇しただけなのに失ったものを取り返すことができない人が多すぎる。自身の実感もありそのまま受け止めてくれるカウンセラーの存在は大切だと思う。その入り口が役所にあったら気軽に相談できていいなあ。

0
2025年06月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

市役所の心の相談室に来た5人の人間模様を描いている。相談者はカウンセラーに必ずしも全てを打ち明けるというわけでもないので、相談内容を聞きながら本心や現状を推理する晴川さんの推理が面白かった。
また登場人物が少しずつだけどお互いの生活にかかわりがあり、黄色い「N」のお守りが5人の中を巡る様子や、ゆりと創が最後離れた家族であったと判明したところはぐっと来た。
コロナ禍独特の雰囲気もよく描かれていた作品。

0
2025年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久しぶりに読んだ、ほっこり系

建て付けはコロナ禍×問題を抱える人々、
読みやすさが特徴の作家さんなのかな
少し予定調和すぎて物足りなかったかな…ごめんなさい

母親にも元婚約者にも不倫相手にも父親にも
もっと不満をぶつけても、正しくないことは糾弾してもいいと思うのだけどな
皆さんものわかりのよすぎる主人公というか
市役所のカウンセラーの女性が推理力を発揮していくのだけど、納得感が足りないというか
子持ち女性が実は不倫相手だったり、ホームレスが実は常習スリだった件は読者的に悲しくなったし
ほっこり系であるならば主人公達はもう少し善人であってほしいというか…

物語の奥深さよりも分かりやすさや手軽に読める感を重視されているのかなと感じた

0
2025年04月19日

「小説」ランキング