あらすじ
宣伝なしで、なぜオープン初日から大行列なのか?
ラーメン二郎はスゴい!
現在35店舗の直系店があるが、そのほとんどで大行列ができている。
「ラーメン二郎」はなぜそれほど人気があるのか。本書では26の視点でその秘訣を明らかにし、それを経営学に即して考えている。二郎という人気ラーメン店を通して、経営学のさまざまなトピックに触れることで、経営学、マーケティングの基本的な考え方やフレームワークが学べる。
業界環境分析、セグメンテーションとターゲティング、ポジショニング、コア・バリュー、チャネルとオペレーション、組織設計と組織文化、時代の変化を読み取るフレームワークなどがそんなに小難しいモノではなく、意外に身近なところで日々実践されていることがよくわかる。
二郎に学ぶことで、日本企業は、今までとは違う魅力の出し方、特徴の出し方、差別化の視点を得られるはずだ。
※本書は2010年12月に東洋経済新報社より刊行された『ラーメン二郎にまなぶ経営学』を電子書籍化したものです。
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Posted by ブクログ
経営・マーケティング学を分かりやすい例に落とし込んで解説している良作。
ラーメン二郎を好きでなくとも楽しめる一冊。
二郎がまさかそこを狙って、考えて成功したわけではないと思うが…それでも成功企業には何らかの法則があると考えれば納得がいく。
著者・牧田氏の二郎愛が感じられる楽しい一冊でもある。
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■ラーメンは分散型事業
他の例としてはDVDなどのコンテンツ事業
→上記企業のシェアが低い
顧客は自分の嗜好にこだわりをもつ為、
特定の顧客の好みに応えれば収益席が高まる
逆にハンバーガーなどはマック・モスなどの大手のシェアで殆どを占める規模型事業
牛丼においても同じ
→価格、チャネル、プロモーションで差別化して勝負を決める
■差別化戦略ではターゲット顧客を明確にしなければならない
二郎は既存店舗の46%が"大学の近く"にある
→ターゲット顧客の中でも大学生が「大切」だから
三田本店は慶応の近くにある
ボリューム、濃厚さ、コスパなど大学生からは高い支持を得ている
→大学生は金銭を自由に使える"初めてのフェーズ"
→その胃袋をつかむことでビジネスパーソンになってからもリピートする
→ライフタイム・バリューの最大化に成功している
ex)近しい例ではベネッセ
たまごくらぶ・ひよこくらぶ
→こどもちゃれんじ
→中学・高校講座
…と囲い込みのエントリーポイントを前に前に設定している
■ロイヤルジロリアンには一見客320人分の価値がある
新規開拓ばかりに目を向けるラーメン店も少なくない
(フリーペーパー等でトッピングや大盛り無料のクーポンを出す店)
フリーペーパーで集客できるのは"チェリーピッカー"であることが多い
(別名:バーゲン・ハンター)
二郎はターゲット顧客を明確に、既存顧客への満足度を高めているので
効率的にリピーターを増やし、利益効率化を図っている
■購買行動
AISASモデルにおけるように、購買には「認知~興味・関心までが重要」
認知プロセスを機能させるためには通常、多大な投資が必要になる
ex)資生堂の「TSUBAKI」
→田中麗奈、上原多香子、竹内結子、仲間由紀恵、広末涼子、観月ありさ…
日本を代表する女優にSMAPの楽曲を合わせて大々的に打ち出した
この際、資生堂は過去最高の50億円を投資している
一方で二郎はプロモーションをほとんど行わない
→ブログやSNSによるコミュニティマーケティングで成功している
*「突っ込みどころ」で顧客は動く
顧客が動けば、興味・関心~検索プロセスは機能する
→突っ込みどころ満載のプロモーションで成功したのはソフトバンクの「白戸家」
→おいおい、上戸彩の父親は犬かよ!?と突っ込むポイントを置くことで興味を惹く
二郎もまた、「なんだこの盛りは!?」「呪文!?」と突っ込みどころが満載
Posted by ブクログ
言わずと知れたラーメン二郎の魅力を語った本。
これは経営学的な知見から書かれておるが、ファンならずとも興味をひく内容である。
呪文のように唱える注文や、あえて住宅街に出店している店舗展開の秘密、挑戦欲をあおるメニューなどこんなラーメン業界のマーケティングがあったのかと、唸ってしまう。
1日もあれば読み切れる内容である。
Posted by ブクログ
1.最近ポーターの競争理論を読んだのですが、現実ではどなように繰り広げられているのかと疑問に思いました。そこで、自分の好きなラーメンを事例に学ぶことに決め、この本を買いました。
2.この本は、経営学の理論を基に、「なぜラーメン二郎が人気なのか?」ということを述べています。結論を述べると、ラーメン二郎は圧倒的な魅力を備えているからです。(この本では、市場の細分化→ポジショニングが良いと述べています。)
また、著書がジロリアンなので、二郎をどのように思っているか、なぜ二郎を愛してしまうのかといったことも述べているため、硬い雰囲気で読まずに済みます。
※ジロリアン:ラーメン二郎を愛してやまない人々
3.経営学の理論と結びつけやすく、「経営学ってどんな学問?」と思う方にはピッタリの一冊ではないでしょうか。
また、顧客に愛されるためには、自分の信念を持ってビジネスに取り組むことが大事だと思いました。