【感想・ネタバレ】きれいな風貌―西村伊作伝―のレビュー

あらすじ

青年時代に大逆事件で叔父を失い、不敬罪で公判中に終戦の日を迎える――紀州生まれの文化学院創設者、西村伊作は、類まれなセンスと豊富な財力を理想の実現のために用いながら、「ああ言えば、こう言う」のつむじ曲がりな精神と、そのしなやかな思想を生涯貫いた。自由と芸術を愛した知られざる人物像を甦らせる第一級の評伝。

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Posted by ブクログ

 戦後日本の復興の地ならしは、明治初期から中頃に生まれて大正時代に日本人離れした突飛な行動で鳴らした人によって行われたものも多い。本書の主人公もその一人であろう。
 それにしても大逆事件の残滓からこのような華が開くとは、歴史というものはじつに皮肉なものというべきであろう。

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2013年09月29日

Posted by ブクログ

両親を若くして地震により失い、熊野の地の莫大な山林を相続により受け継ぐ。また大逆事件に係わったとして処刑された大石誠之助を叔父に持ち、青年期少なからず彼から影響を受ける。 伊作は「この世に正義などはない、と思っているのではない。むしろ、「正義」への陶酔が、じきに自己欺瞞に結びつくこと」を敏感に感じていた。 だから先祖から受け継いだ財産の使い方を考え続け、『文化学院』創設へと進むのである。 また伊作本人、そして兄弟や子供たちの多くは留学を経験し、時代を先取りする人達でもあった

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2011年09月18日

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