あらすじ
青年時代に大逆事件で叔父を失い、不敬罪で公判中に終戦の日を迎える――紀州生まれの文化学院創設者、西村伊作は、類まれなセンスと豊富な財力を理想の実現のために用いながら、「ああ言えば、こう言う」のつむじ曲がりな精神と、そのしなやかな思想を生涯貫いた。自由と芸術を愛した知られざる人物像を甦らせる第一級の評伝。
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Posted by ブクログ
戦後日本の復興の地ならしは、明治初期から中頃に生まれて大正時代に日本人離れした突飛な行動で鳴らした人によって行われたものも多い。本書の主人公もその一人であろう。
それにしても大逆事件の残滓からこのような華が開くとは、歴史というものはじつに皮肉なものというべきであろう。