あらすじ
昭和・平成のミステリの技法をフル装備し、
乱歩デビュー前の大正時代半ばに転生して本格探偵小説を書いたら……。
そんな夢想が現実のものになったかのような極上の逸品。
この作者は、令和のミステリを支える
太い柱の一つになるだろう。
有栖川有栖
大正の東京。
秘密結社「絞首商會」との関わりが囁かれる
血液学研究の大家・村山博士が刺殺された。
不可解な点は3つ。遺体が移動させられていたこと、
鞄の内側がべっとり血に濡れていたこと、そして、
遺族が解決を依頼したのが以前村山邸に盗みに入った元泥棒だったこと――。
頭脳明晰にして見目麗しく、厭世家の元泥棒・蓮野が見つけた
四人の容疑者の共通点は、“事件解決に熱心過ぎる”ことだった――。
『方舟』が各界から激賞されたミステリー作家、衝撃のデビュー作!
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Posted by ブクログ
大正時代の東京。
血液学の研究者村山博士が、自宅の庭で刺殺される。事件には、国際的無政府主義者集団「絞首商會」の関わりが噂される。
そんな中、博士の遺族が犯人捜しを依頼したのは、以前、屋敷に盗みに入ったことのある元泥棒の蓮野。
調査を進める中で浮上した4人の容疑者には「なぜか全員が事件解決に異常なほど熱心である」という奇妙な共通点があった。
『細胞分裂のごとくに謎が増殖をやめる気配がない』
読んでる途中に出てきたこの一文に、大きくうなずいてしまった。
なんせ、謎と絞首商会があっちこっちに散乱してて、容疑者の4人もなんだか散乱してる感じ。
探偵役の蓮野も全然事件をまとめようとしてくれないわ〜と思っていた。
しかし、蓮野のもとに、みんなが情報を持ち寄ってきたら、あら不思議!犯人がわかり、動機が明らかに。しかも、多くの謎の理由もスッキリ。よかったよかった。
しかし、容疑者の4人。やりたい放題だなぁ。
文体に馴染めるかが肝
設定が大正時代という事を踏まえて文体が古めかしく、あまり時代物を読まない私は読み難さを感じてしまいました。
内容は面白かったと思います。
ただ、皆が事件の真相に絞首商會が絡んでいると言い切る中、私は序盤で「本当かな?実は違うんじゃない?」といつもの穿った見方をしてしまっていたのでそこは驚きませんでしたが、他の事件の真相等は「そうだったのか!」と。
御守りの話から災害の話になった時に「じゃあ、その時に取り違えがあったかもしれないって事か」と井口が全く思わないものなぁ。読者が察せる事に登場人物が気付かないとモヤモヤしますよね。
ただ、その相手が誰だったのかまでは分からなかったので、最後にすっきりしました。
取り敢えず総合的には面白かった(始めて読んだ『方舟』のような衝撃はないものの)ので、他の作品も割引期間中に纏め買いしてしまいました。
Posted by ブクログ
序盤は全然頭に入ってこなかった
井口君パートに入って視点がしばらく固定されてからのめり込めた
絞首商會は要素の一つって感じでそこまで物語の中心ではなかった
序盤の意味ありげな会話とか全然関係なく無いか
危険人物を襲撃する峯子最高
危険な出来事に遭い過ぎてめっちゃ強くなってて笑う
Posted by ブクログ
面白かった!夕木春央さんの作品は『方舟』に続いて2作目だが、どちらも最後の謎解きシーンが鮮やか。『方舟』は割と一直線で進み一撃で仕留める構成に対し、本作は謎が多すぎて一体何が起こっているのかわからないまま読み進めた。しかしあらゆる謎が太い一本の紐のように収斂していくのが気持ちよく、視界が晴れていくようだった。こちらの方が個人的には好み。
また、「探偵」という役割の欺瞞や無責任さが繰り返されていたことが印象に残っている。蓮野は仕方なく巻き込まれる形で探偵役を引き受けることになるが、真実を突きつけ糾弾するわけではない。あくまでも傍観者である。つじつまを合わせるのは真実を知った当事者である。その線引きは一見すると冷たい態度にも思えるが、「人間嫌い」の彼なりの誠実さでもあるような気がした。
Posted by ブクログ
「サロメの断頭台」を先に読んだのでシリーズ1作目の本作を遡り読んでみた。
気になっていた、井口夫婦や蓮野、峯子らの人物像が深堀出来たことは勿論良かったが、作品自体もなかなか良い。冗漫な前中半を読んでいる時は「あぁ、デビュー作なんで慣れてないんだろうなぁ、しかし長い…」と思っていたのだが、後半、その冗漫な伏線がつながっていく。所謂トリック構成も良いのだが、そのつなげ方が一ひねりあって(詳しくは書けないが、犯人捜しを逆手にとってそう来るかって感じ)面白い。
話題作方舟とはまた違ったウェット感があるが、このシリーズもまたくせになりそう
Posted by ブクログ
読んだけども…よくわからなかった…
自分の理解力のなさが原因だと思うが…
(この本が好きな方申し訳ない)
結末というか動機は意外なものでよかったと思う。
もう少しアクションみたいなものがあると勝手に思っていたのと、あらすじを読んだ時に惹かれた「大正時代」「元泥棒の探偵」というキーワードで私自身が勝手にハードルを上げていただけだと思う。特に、秘密結社、無政府主義者というキーワードがあったので、なおさら…
Posted by ブクログ
長かった…。もう一度緻密な論理を追ってみたい。
時代は大正時代。昭和ならまだしも大正という時代は一体どのような時代だったのか想像し難かった。当然電話等の通信機器はない中、自ら調査をしていく。
その中では何度も襲撃事件に遭遇し重傷を負いながらも犯人を見つけるために調査を進めていく。
そして、「犯人になりたい」という理由は何なのか…。もう一度その理由を私自身が調査する必要があろう。