あらすじ
インテリジェンスは国家安全保障の専売特許ではない。ウソやバイアスに引っかからないための最強の知恵なのだ!! 私たちは有象無象の情報(インフォメーション)に振りまわされて失敗することが少なくない。なぜなら人は自分に都合のよい話を重視したり、経験が邪魔して誤った先入観に縛られやすいからだ。「一見が百聞に如かないこともある」「すべてに原因があるとはかぎらない」「結果を見て『自分は予測していた』と思いたがる」――本書は日常生活に潜む落とし穴と、そこに陥らないヒントを、情報分析(インテリジェンス)のプロが導き出す。正しいメソッドと優れた直観を働かせ、仕事や人間関係で得するための判断力養成ハンドブック。
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Posted by ブクログ
インテリジェンスという言葉は、数年前からよく耳にするようになり、私も数冊、インテリジェンスに関する本を読んでみた。
私が読んだ本は、国家の情報機関に関する本が主だったため、なかなかむずかしい感じであったが、そのインテリジェンスが仕事に役立てられれば、効率も向上するだろうと思い、読んでみることとした。
この本は、実例を挙げつつ、我々が陥りがちな勘違いや思い込みによって、重要な場面での決断が大きく左右されることを解説している。
ヒューリスティクス。 日常生活であまり聞かない言葉であるが、われわれが持つある種の能力である反面、偏見や思い込みの元凶でもあると書かれている。
個人的には、直観よりもアルゴリズム(原因をしっかり追究して、積み重ねて評価すること)のほうを好むが、これだけでも100%、いい結果を生むとも限らない。
私は、インテリジェンスの世界では、すべてがアルゴリズムで成り立っていると思っていたが、実はそうではないようである。
もちろん、さまざまな情報を収集し、それを評価することが根底にあるが、経験からくる直観も重要視されている、ということはある意味驚かされたが、それもまた、一つ一つの経験の積み重ねがあってこそでるが・・・
また、ベースレートの誤信、ギャンブラーの誤信というものも、さまざまな判断を下す上で過ちを起こす原因となっていることもおもしろい。
ベースレートの誤信では、実例を示され、実際に私も完全に間違った判断をしてしまったが、これは今まで気付かなかったことであった。
ここで重要視されている、ベイズの定理。 非常にシンプルだが、実際の重要な判断を下す際にぜひ利用してみたいと思わされる。
さらにもうひとつの分析手法として、競合仮説分析が解説されているが、これもまた興味深い。
グループで討議を行った場合、さまざまな意見が出てより吟味された考えがまとまると考えがちだが、同じ意見を持った者だけで討議を行うことでそのバイアスが強化されて、必ずしもよい結果を得ることはない、という実験結果が示しており、この競合仮説分析の重要性を考えさせられる。
実際にケーススタディ形式で3問示されているが、とても参考になるものでった。 ぜひ、職場での討議の時に使ってみたい分析手法である。
我々は日々、さまざまな情報を手に入れ、その都度、自分にとって最良とおもわれる判断をしているわけであるが、この本を読んでみると普段、思いこみなどにより大きく間違った判断をしているのでは・・・と思わされた。
冷静に情報を分析し、無意識のヒューリスティクスを排除して、的確な判断を行えるよう鍛錬していきたいと思わされた。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
私たちは有象無象の情報(インフォメーション)に振りまわされて失敗することが少なくない。
なぜなら人は自分に都合のよい話を重視したり、経験が邪魔して誤った先入観に縛られやすいからだ。
「一見が百聞に如かないこともある」「すべてに原因があるとはかぎらない」「結果を見て『自分は予測していた』と思いたがる」―本書は日常生活に潜む落とし穴と、そこに陥らないヒントを、情報分析(インテリジェンス)のプロが導き出す。
正しいメソッドと優れた直観を働かせ、仕事や人間関係で得するための判断力養成ハンドブック。
[ 目次 ]
第1章 問題解決のための基礎知識
第2章 過去を解明する、未来を予測する
第3章 知識と経験・五つの落とし穴
第4章 正しい情報分析の技術
第5章 ケーススタディで見る競合仮説分析
終章 正しい判断をするために
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
情報分析の入門書
限られた情報を
アートとサイエンスの両方のアプローチで分析し、
結論を導き出す、という情報分析のプロセスは
ビジネスのプロセスと通じるものがあります。
よって情報分析は
分析官やアナリスト達が専門的にやることだけではなく
私達が日常的にやっていることだと感じました。
その情報分析の基本をザくっと学べる、
新書らしい本です。
私的「メモっ得」ポイント
・人間は判断に際して、とりあえずの結論がアンカー(錨)になってしまい、
後でいろいろなインフォメーションを得ても、結論を十分に修正できない
★★★ = 60点以上 = It's ok.