あらすじ
テレビドラマ化もされた大ベストセラー、ついに電子化。
大学の研究室を追われた二十八歳の「おれ」。失意の彼は教授の勧めに従って奈良の女子高に赴任する。ほんの気休めのはずだった。英気を養って研究室に戻るはずだった。渋みをきかせた中年男の声が鹿が話しかけてくるまでは。「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」。彼に下された謎の指令とは?古都を舞台に展開する前代未聞の救国ストーリー!
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Posted by ブクログ
2007年に読んだものを再読。
私の中では剣道のシーンが一番盛り上がった。
先生があまりにも運がなく可哀想に思う場面が何度かあるが、最後は多くの人に愛されながら奈良を去る様子に報われた。
Posted by ブクログ
おもしろいと聞いて読んだ。
鹿男って笑
「あをによし」は奈良の枕詞とのこと。
鹿男in奈良みたいなことだろうか。
奈良の女子校に赴任した先生に、鹿が話しかけたことから物語は進む。
鹿「目をもってこい」
先生「目って何!?」
具体的な内容は触れずに、鹿は人間のためだ、大変なことになる、と告げる。
信じていない先生に鹿は印をつけ、そこから先生の鹿化が始まる。
自分の顔がどんどん鹿になっていくが、他人には人間に見える。
怖くなり先生はようやく鹿の言うことを信じて「目」を探す。
雌鹿なのにおっさん口調、神様の使いだからかとても偉そう。
もっと具体的に教えてくれても良いじゃないかと鹿に腹が立った。
先生のクラスの堀田イトも、初めから様子がおかしい。不良かと思いきやそうでもない。この子も何かありそうな予感。
読み進めていくうちに全てが繋がっていき、「目」は近くにあることが判明。そこからは気持ちが良いほど物語がまとまっていく。
鹿もいいヤツだった。先生との別れには目の奥がじんとした。
堀田イトも、悪い子ではなかった。最後には先生のために鹿化を止めてくれた。
読み終わってしまうと、スッキリときれいにまとまっていておもしろかった!
読み始めが入りきれず⭐︎4で。
Posted by ブクログ
日本を救うというスケールの大きな目的と、そのために剣道の交流戦で優勝を目指すというスケールの小ささ。
そのちぐはぐな感じが面白いなーと思っていたら、そこからまたさらに展開していって、この不思議な世界の中にどんどん引き込まれていった。
序盤に出てきた「マイシカ」と松尾芭蕉の歌が後半に効いてくるのも面白い。
先生と鹿のやりとりがクセになる。
私もポッキーを持って講堂跡の礎石に腰掛けて、鹿に話しかけられたい!
Posted by ブクログ
2008年本屋大賞
万城目作品に出会った。
備忘あらすじ -----
大学研究室を追い出された「おれ」
奈良の高校の臨時教師として赴任し弱小剣道部を顧問する事になり。
「喋る鹿」が現れた後、
京都と大阪の姉妹校との剣道大会で優勝し「目」を取り返さなければならなくなり
実は天才剣士だったヒロイン生徒の活躍で優勝。無事、取り戻すことができました。
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エンディング、ちょっと忘れた。読み返そう。
Posted by ブクログ
奈良と鹿の美しさに息をのむ。
夏目漱石の『坊っちゃん』や邪馬台国の卑弥呼に思いを馳せる。
職員室や先生達のやりとりにほのぼのする。剣道の躍動感にほれぼれする。
二転三転する『目』の行方にドキドキする。
おれとイトちゃんの謎が解けるほどに、そういうことかと驚き、最後にキュンとさせられる。
奈良の静かな満月の夜に、1800年に渡って人知れず行われる儀式が本当にあるといいなぁと思ってしまう。神も人も動物も近しい関係であった時代の儀式が。
先日、娘が奈良に遊びに行った。奈良公園で鹿せんべいを持っていると、お辞儀しながら近づいてくる鹿に追い回されたらしい。それでも鹿はとても可愛かったとのこと。
儀式を行う鹿の教えは、しっかり伝えられているみたい。