あらすじ
セックスを抜きにしては考えられない恋だった。あなたはずっと、私の身体でピアノを弾いてた。私には淫蕩の血が流れているのか……。舞台は冬の京都。高名な日本画家の裸婦モデルをつとめる結子は、8歳年下のピアニスト島津正臣との恋を断ち切るため、ふたりきりで、雪に閉ざされた小さな宿に籠もる。この後は二度と会うことはない。別れのためだけにある4日間の逢瀬に、女と男の恋情と性愛の極みを艶やかに奏であげる、かくも美しき恋愛小説!
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Posted by ブクログ
絵描き,ピアニスト,声楽家,モデル。
芸術家の間の関係は不可思議。
自己中心なはずなのだ。
芸術というもやがかかっていて何でも正当化してしまう。
場面の切り替え,過去と現在の切り替えがうまい。
最後には全貌の一部が分かる。
分からないところもいろいろあるところが文学なのだろう。
結末がどうなるか。全く予想と違ったので推理小説なのかもしれない。
Posted by ブクログ
情景の描写が 細かくて目の前に浮かんでくるよう・・・
冬の京都、旅館の風景が 目の前に浮かんでくる
“淫蕩のきわみは、純潔が最後に辿り着くところと似ている”
堂島の言葉が すごく印象的でした。
後は 結子の潔さ 強さに ただ ただ 圧巻
離婚も 結婚の時より 100倍のパワーがいるって
聞いたことがあるけど 別れる時は かなりの
覚悟が必要なんだと思う・・・
自分の意思じゃなく やってくる 【死】という 別れもある
この本は そんな【死】も大事な キーワードになってる
タイトル・・・虚無のオペラだけど 読み終えた後は 虚しさ
なんて感じなくて 結子の行動に 爽快な気分になりました。