【感想・ネタバレ】不幸論のレビュー

あらすじ

「幸せになろうね」「私はほんとうに幸せ者です」……。世に蔓延する「幸福でありたい症候群」。だがその幸福感は、他人の不幸や「死」の存在を「知らないこと」「見ないこと」で支えられている。本書では、古今東西溢れる「幸福論」とその信者たちの自己欺瞞を鋭く指摘。さらに「他人(自分)を傷つけないために真実より嘘を語ること」を優先する特殊日本的幸福論者の傲慢さ、怠惰さを赤裸々にする。著者は、長年の哲学的考察の果てに――どんな人生も不幸である――という結論に辿りつく。この恐ろしく理不尽な「真実」をトコトン見すえて不幸に留まってはどうか。そのほうが「よく生きる」ことができるのではないか、と提案。著者の人生哲学が凝縮した、世界初の「不幸論」。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

相変わらずひとつのテーゼに持論、偏見、数々の(かなりこじつけや雑な扱いもあるのだが)引用をくっつけて、こねて、ちぎって見せるけど、最初の一ページ、いや目次に記してあるたった一行からいささかも変化はない。今回は「どうしたって不幸なんだからわかって生きてそして(以降は通底しているな)やっぱり人は必ず死ぬ」ということ。この先生に嫌悪感を抱くのはもっともだが、ロジックビルディングがやけに面白いことを脇においてはいけない。こんなに面白い老人ボヤキはそうはないのだから。

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2015年05月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こういう本が出されてるってことは、世間一般ではそうでないのか?と思った本でした。
幸せそうに見える人も他人に不幸を見せないようにしてるだけかもしれないし、人にはそれぞれその人だけの不幸があるものだし、「人類皆平等」って言われても「そんなん”生まれたら必ず死ぬ“くらいしか同じとこない…」って思ってしまう質で平安時代の「無常」「憂き世」にシンパシーを感じる身としては「不幸論」は新しい提案ではないけれど、でもここまで徹底的に自らを幸福でないようにしようとする著者の姿勢は凄いです。
不幸のかたちがそのひとをかたちづくる。歪んだり立ち直れなくなって人生終わらせるほどの不幸は無くてよいけど、薄っすら不幸は生きていける。もちろん「いつか必ず死ぬ」も。
中島先生、かなり偏屈で面白かったです。著書読むと先生のこと好きな人と嫌いな人がスパッと分かれそうで、「好きでも嫌いでもない」って人は居ないだろうな。
(必ず死ぬと思っておきながらその生き方かよ…というツッコミからは目を逸らしながらなので、自分の不幸を見つめ直します)

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2023年08月17日

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