【感想・ネタバレ】ウナノハテノガタのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年02月18日

螺旋シリーズ6冊目。
原始編!

ところどころ謎のワードが出てきて、おそらく海だな、おそらく太陽だなみたいなのがわかってきて楽しいが、それとは別に普通にネズミとかどんぐりとか、現代と同じ用語が出てくるので、どうせなら全部変えろよと思いながらもそれやったら単に全部新しい言語で書けという無茶振りになるし...続きを読む難しいな…

海族には死と生の概念がなく、というか隠されていて、山族は死と生どころか武器などの文化もある。
そして起きまくる地震のせいで彼らが出会い、そして破滅していく。

まあ、海族はいつまでも死の島を隠せる気がしないし、山族は放っといても相打ちやいけにえで滅びそうだし、どっちにせよ滅んでたのではないかという気がする。

武器を知った海族が狩りを楽しみまくるシーンがある意味一番怖かったかも知れない。頭に巨大な岩が落ちてきて半分潰れたような死体になっても、離れ島に置いておけば別の存在として復活すると思い込んでる海族。そして争いという概念がないが、弓で山族を攻撃するのは躊躇せず行う。
でも、怪我をしたら痛いというのはあるわけだし、その痛みが度を超えると死ぬ、というのは気づかざるを得ないのでは… うーん。

単語だけが違うのかと思いきや、主人公とその父親が長老的な存在に背中をさすられて黒い塊を吐き出すという謎の文化というか病気があった。しかも特別なのはそれだけ。アレはなんだったんだろう。役割のストレスによる病気なのか、誰にも言えない秘密を吐き出すメタファー的なものなのか。

最終的には海族側についた山族の知恵で武器が作られ、戦争が起き、人が死にまくってるところに更に地震と津波が来て新天地に旅立つ…のか?
なんかところどころ何が起きてるのかよくわからないイベントがちょいちょい起きてた。
ただ、山族合流からの勢いがすごく、一気に読み終わってしまった。満足度は高い。

巻末座談会として螺旋プロジェクトに関わった8人の作家の対談が載ってるが、ネタバレの予感しかしないので最後に読む。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年01月18日

螺旋プロジェクトの第1弾。

固有名がなじみのないカタカナで、また古代を表現するために知らない単語で表現しているので最初はメチャ苦戦しました。第2章が終わる頃には慣れましたけど、進んでは戻り、進んでは戻りを繰り返しました。

死の概念がないイソベリと生贄という犠牲を払って生きるヤマノベ。現代の感覚で...続きを読むはどっちもどっちな感じがしますが、この物語を神話、と捉えると、まぁこういう世界観もアリかな、と思いました。

ハイタイステルベの家系、カリガイ・オトガイはマダラコが言うように、イソベリの生贄として生きることを強いられていた。イソベリの掟のようなものを守るために。カリガイは辛かっただろうな、と思いました。マダラコもそれは同じことですが、マダラコはヤマノベで死を理解しているので、逃げ出せたんでしょう。

ウナクジラはどういう役割で登場したのかな?たぶん、ハイタイステルベはイソベリを守るため、って言っていたけど、死を理解させることでイソベリの目の前で朽ち果てていったのかなぁ、と思いました。また、共通シーンの何かが壊れる、の何かはこのウナクジラなのかなって思います。ほかに該当するようなものなかったしな。

超越的な存在はウェレカセリ。途中でエビヌマに沈んだまま出てこなくなって亡くなったのか?っていう謎はあるでんすが。ウェレカセリの残したメッセージを、マダラコとオトガイが読み解くところは、面白かった。ウェレカセリは全部、知っていたんでしょうね。ウェレカセリの喋り方、おもしろい。

最後、残っていたヤマノベたちもイソベリの舟に乗れたのか、その舟の穴は大丈夫だったのか、「ウナノハテノガタ」に向かって行けたのか、マダラコはイソベリたちとうまくやっていけるのか、ヤキノが新たな災いのもとにならないのか・・・。疑問がいっぱい残ったまま、希望のエンディングを迎えた。

苦戦したけど面白かった。

螺旋プロジェクトの第1弾として読みました。別の作品でマダラコとかオトガイとかまた出てきたらエエな、と思います。ウェレカセリはどこかで登場するみたいですね。楽しみです。

引き続き螺旋プロジェクトを読んでいきます。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年12月14日

螺旋プロジェクトの原始時代編。
自分が読んだ順では、昭和後期~平成~近未来の2冊に次いで3冊目。前の2冊は今の自分のいる時代と地続きのお話として読める。でも他の物語を読み終えてみると(まだ全4冊だけだが)、伊坂さんが目指した、「火の鳥」のような時代を超えた一連の作品になっているのが分かる。「火の鳥」...続きを読むは何度も読んだなあ。クマソの話、不死になった宇宙飛行士の話、仏像彫りの話・・・

さて、この「ウナノハテノガタ」。よく書けたなあ、が感想。背景設定、キャラクター、シナリオ、構成、演出、情景描写、言語(音)使い・・・どれも非常にレベルが高い。実写化、アニメ化には向かない描写が多いが、逆にこの時代っぽいリアリティを醸し出していると思う。大地震や津波を持ってくる辺り、日本という地域を意識させる演出にもなってる。
毛皮も爪も無くバランスの悪い体を持つ人間は自然に対して本来ひ弱。ケガもすれば火傷もするし、それは簡単には治らない。でも、マンモスや大きな鳥を絶滅させるくらいの変な方向性の力も持ってる。やっぱりでも自然の力にはかなわない。したたかに生き残ってきているはいるけど。災害の後に生まれるのは、諦念なのか、希望なのか。

文化や宗教。子孫たちがここシオダマリで住み続けられるようイソベリが作り出した物語、とウェレカセリは言った。始まりはちょっとした知恵や工夫の集合だったのだろうけど、情報を知る者の優位性が強化されるにつれ、知らざる者を支配するための、為政者のツールになっていったんだろうな。

0

Posted by ブクログ 2024年05月01日

螺旋プロジェクトではなかったなら、伊坂幸太郎氏の企画でなかったなら、間違いなく読むことはなかったであろう作品。

そのうえで、だからこそなのか、今までに味わったことのない不思議な読後感で、時間がたった今でも鮮明に記憶に残っている。

太古の人々の、言葉が発達していない世界観の中で紡がれるものがたりは...続きを読む、前半は正直読みにくかったのだけれど、しだいにその独特な文体にも慣れていき、後半には気が付けば癖になっていた。

螺旋プロジェクトの全作品をちゃんと読んでみようって思わせてくれたのは間違いなくこの本のおかげです。

自分の好みで手に取ったわけではない(企画として手に取っただけの)作品だからこそ、新たな出会いがあった。自分が好きそうな、興味がある本だけではなく、そうじゃない出会い方をした本も、積極的に読んでみようと思わされた作品でした。

0

Posted by ブクログ 2024年04月13日

螺旋プロジェクトの中の1冊。

原始時代となっているけれど私は縄文あたりをイメージして読んだ。
初めは独特な言葉遣いに慣れず少し困惑したが
不思議となんとなく意味が分かってくる。

「死」の概念を持たずに生活しているイソベリと言う海の民たち。
争うことをあまりしない民たちだったが
ヤマノベと言う山の...続きを読む民たちと出会い
争いの道具を作り始め
少しずつ何かが変化していくイソベリ。

読みにくかった!というレビューもチラホラ見るが
私はこの独特な世界観好きだな。

0

Posted by ブクログ 2024年03月17日

面白くて一気読み。…というか、一気に読まないとカタカナが分からなくなるかも。難しい言葉はなかったです。テーマは分かりやすくて、スリルあり、最後のクライマックスはスピード読み必須です!

0

Posted by ブクログ 2024年01月26日

言葉や概念が発展途上にあることの表現がステキで、そのことが話を神話的にしています。

ここから始まる螺旋が何処へ向かうのか、他の話も楽しみです。

0

Posted by ブクログ 2023年12月06日

螺旋プロジェクトの最初から読んでみたいと思い、大森兄弟さんの本を初めて手に取った。
原始時代について描かれた小説を初めて読んだが、これを書くのは大変なご苦労だったろうと容易に想像できた。というのもある程度の史実がベースになく、物も固有名詞もなく、全くのゼロベースから創造なさっての作品作りだと、素人で...続きを読むも容易に感じられたからである。
そういう意味でひらがなやカタカナが多く、読みづらいスタートではあったが、内容には考えさせられ、惹きこまれ最後まで一気に読まずにはいられなかった。
最後の場面に登場した方々には、その後も生き抜いて欲しい。
最初によく意味も分からず、伊坂幸太郎さんと朝井リョウさんの作品を読んでしまったが、時系列にあらためて読み直したい。
螺旋の続きが楽しみだ。

0

Posted by ブクログ 2023年08月14日

やっと螺旋プロジェクト完読ー!
時代を逆行して読みはじめた螺旋プロジェクト、結果それで良かったかも。

まだ、ものに名前がつけられる前の古代の話ということで、読みにくくて、この物語から読みはじめていたら挫折していたかも。

二つの種族が交わる最初というわけではなく、すでに対立を経験し、疲れた海族が流...続きを読むれ着いたさきで長い年月を経たあとの物語。

どちらの種族が悪い、良いという問題ではなく、生き方、文化、言葉の違いにより起こる、現代にも通じる根深い問題がそこにはあります。

けれど、最後は海も山もみんなで大きな舟に乗り、みんなでひとつになって乗り越えようとする、微かな希望が見える。そして次の時代に(私たちに)託していく、そんな終わりかたでした。

時代を逆行して、未来編から読んだからこその、この読後感!
良かった!

0

Posted by ブクログ 2023年07月18日

言葉の定義がない時代。
繰り返される族同士の争い。
離れて暮らし、あの世に生贄を捧げる族と、死の概念を捨て去った族。
混じり合うと、争うしかなくなる。これは宿命なのか。これが後世にどうつながっていくのか。

「螺旋プロジェクト」というシリーズを知って、時代順に読んでみようというスタートの一冊。
固有...続きを読む名詞がない原始時代を描く難しさ(同時に読む難しさも)を感じながらも、後半はハマって一気読み。
これはシリーズ全部いくしかない…

死を知ることは幸せか、そうじゃなのか。
知らないから投げ出せるのか、
知っているから臆病になるのか。
考えさせられる一冊。
シリーズが楽しみだ

0

Posted by ブクログ 2023年05月30日

山の民と海の民が交わった原始のお話。伊坂幸太郎さんの『シーソーモンスター』を読み、このプロジェクトを知り、時代順に読むことを決めた。
本作品の後は、古代を描く澤田瞳子さんの『月人壮士』になる。
8人の作家が共通のルールを決めて、原始から現代、未来へと連なる時代別に小説を書きあげた「螺旋プロジェクト」...続きを読むを見届けるつもり。
読んだことのない作家の作品を読むきっかけを与えてくれるユニークな企画に感謝。

0

Posted by ブクログ 2023年04月25日

言葉や文明が発展していない時代をどう描くのか気になって、手に取った。
他の作品の伏線や謎が回収できて良かった。

0

Posted by ブクログ 2023年02月08日

螺旋プロジェクト 4作品目
初の大森兄弟さんの作品

最初はハイタイステルベ、オオキボシ、ウナなどなど。色んな言葉が出てきて戸惑いながら読んでました。読み進めていくと、だんだんと慣れて原始時代に入っていけた感じです。
言葉や食べ物ももちろん違う、人が亡くなるということ、亡くなった後の対応、イソベリと...続きを読むヤマノベで違う。現代は文化の違いとして認識できるが、他の者を見たことない側から見ると、きっと恐怖に感じるんだろう。今の時代にも自分とは異なるものを排除しようとすることはなくならない。でも、中にはヤキマやマダラコのようなお互いを知ろうとする柔軟なものもいる。
最初は原始時代の物語に不安があったけど、楽しく読み終えました。

次は未来へ

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年01月19日

螺旋プロジェクト(私の中で)2冊目。

まず、なんだかすごいものを読んだなぁという感想。
記号のような言葉も、読み進めていくと文脈から意味を持つ単語に変わる過程が、言葉の生まれた過程そのもののようでまずそこに感動した。よく書いたなこれっていう。

死について対照的なイソベリとヤマノベ。
死の概念とい...続きを読むうのは隠されると、怪我を恐れない大胆な行動になるのか?本能は作用しないのか?とか人間の姿じゃなくなる(イソベリ魚になる)のは悲しくないのか?など、疑問は少々ありながらも、それを超える世界観。生々しいありありとした描写が良い。

死(死後)について誰も分からないのは現代もこの時代も変わらないという人間のちっぽけさに反して、一歩前に進もうとしたオトガイのラストシーンが生を際立たせていた。「死にがいを求めて生きているの」に続いての2冊目だったので、より生と死について考えさせられた。

他の螺旋プロジェクトも楽しみだ。
どうでもいいけどハイタイステルベという単語が自分の中でしばらく流行語になる予感。

0

Posted by ブクログ 2022年12月16日

螺旋プロジェクトの私が読んだ3冊め。他の人も言っているように、最初は読みにくい。ただ、辛抱強く読み進めると、すごく面白い実験的な作品とわかってくる(^^)。現在、過去の死生観にも大きな投げかけがあるような気がするのは、深読みか。

0

Posted by ブクログ 2022年12月05日

螺旋プロジェクトの1冊目まずは一番古い時代から読んでみよう、手に取りました
が、まず分からない言葉を覚えるのが大変でした
…まあ原始時代だからねぇ
表紙は穏やかな風景だけど現代人には到底生き抜けられそうに無い生活
やだ、この時代に生まれなくて良かったぁ
なんて思いつつ読み進め
お互いを知らなかった海...続きを読む族と山族が出会い対立、そしてお互いに降りかかる大きな困難のハテに何があるのか?…どうか幸あれ、と、本を閉じました

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年12月04日

ずっと気になっていた螺旋プロジェクト、時系列で読んでみたいなーと思っていたので、もっとも古い時代を描いた本作が単行本化されたタイミングで手にとってみた。

ほとんど海族の視点から物語がすすみ、おだやかだった彼らの暮らしに山族が接触したあたりから少しずつキナくささが増していく。

終盤の壁画を読み解く...続きを読むあたりから皆で島に渡るまでの流れはとても面白かったと同時に、平和で穏やかにみえていた海族の皆が、死の概念がないが故に、危険に対して無頓着で実は体がボロボロだった、というのが明らかになる過程はちょっとしたディストピア小説のようでゾクゾクした。

この後、どのように海族、山族の対立がさまざまな時代設定でさまざまな作家さんに描かれるのか、期待はますます膨らむ!

0

Posted by ブクログ 2022年12月01日

大森兄弟の作品。
実の兄弟による小説家コンビとのことだが、今回の『螺旋』プロジェクトで目にするまで作者さんの事は知らなかった。
『螺旋』の全ての始まり、原始を担当する。

読み始めて直ぐ、その設定に取り込まれた。
どこか辿々しい語り口、固有名詞ではなくブンブン等の形容を用いた呼び名…。
それらは全...続きを読むて、人間がこの世の主導権を握っていると勘違いする前、もっと大自然や生きとし生けるものを敬っていた時代設定だからこその、作者の仕掛けた技法だ。
現代と共通の固有名詞が生まれる以前の原始が舞台なので、作者は創意工夫を凝らしたんだろうな。

そしてなんとなく、
ハイタイステルベ=廃体捨てる部(←語り部、物部などの「べ」と同じ使い方なのかな)
ウナノハテノガタ=海の果ての方(潟?)
なのかなーと思いながら読んでいた。

ウナ、オオキボシ等の耳慣れない呼び名について何の説明もないまま、当たり前のように物語が展開してゆくが、それらが何を指しているのかは前後の文から直ぐ分かる。
作者の用意した世界に段々と慣れてきた頃、ウェレカセリの名前が登場してハッとした。
伊坂幸太郎の小説では、ウェレカセリとは人工知能の名前だった。
原始のウェレカセリは言ってたじゃないか、「その時にはもう別のジダイにいるのっ。」。
改めて、螺旋プロジェクトとして繋がっている事にワクワクした。

イソベリ、ヤマノベ其々の特長や生き方がうまく描かれていた。
争いの切っ掛けもこの時代ならではの事で、違和感なく受け入れられた。
螺旋プロジェクトという大きな歴史の流れの始まりの物語だと思うと、良く出来てるなーという感じた。

【追記】
文庫の巻末、「螺旋プロジェクトが誕生するまで」の座談会がとても楽しい。

【追追記】
2022.12.14
他の螺旋プロジェクト作品を読み進める内に、
「ウナノハテノガタ」の良さが分かってきた。
☆3→☆4へ変更

0

Posted by ブクログ 2024年04月22日

螺旋プロジェクトの先頭バッターとして原始時代を描くのはとても大変だったと想像します。
そんな中で海族と山族の個性を定義し、かつ独特の言葉を生み出した工夫は賛否両論あるだろうけど、この挑戦に敬意を表したい。
単独作品なら辛かっただろうけど、後の繋がりを考えると私はこの不完全さを受け入れました。

0

Posted by ブクログ 2024年01月30日

螺旋プロジェクト3冊目。

原始時代の海族、山族の対立を描く。
正直、完読できていません。
原始時代ということで、独特の名称が使われており慣れるまでさっぱりわからない。

しかし、「これはこのことだな」とか想像して読み進めると少し長持ちするかも。

0

Posted by ブクログ 2023年07月18日

あまりおもしろいとは思わなかった。シリーズのテーマを何回も繰り返したり、海と山の差が大きさかったりするから。が、読者は知っている言葉なのに登場人物は知らない言葉が多く、それを表現しているところがすごかったです。

0

Posted by ブクログ 2023年05月12日

文章が好き ◯
作品全体の雰囲気が好き ◯
内容結末に納得がいった ◯
また読みたい
その他

螺旋プロジェクト 第一弾。
原始『ウテノハテノガタ』。

大森兄弟さん、初めて読みました。
原始の人々の話なので、人物に固有名詞があって無いようなもの。
そのため物語の最初は混乱したけれど、慣れてき...続きを読むたらこの境界の曖昧さが面白くなってくる。

死を弔う山の民ヤマノベと、死を知らない海の民イソベリ。
価値観が違えばお互いを理解することは難しい。

0

Posted by ブクログ 2023年04月22日

8人の作家が共通ルールで「原始~未来」の物語を描くという「螺旋プロジェクト」の内の1冊。
読むのは3冊目。

「原始時代」を描いた小説を読むのは初めて。
現代とは異なる“原始”という時代の独自の話し言葉や世界観に最初は若干戸惑いました。
面白くなってきたのは言葉の意味が繋がり始めてから。
本作では、...続きを読む螺旋プロジェクト共通ルールの「山族と海族(ヤマノベとイソベリ)の対立」と、海の民の少年・オトガイが父親から受け継ぐ役割が見もの。

山の民のマダラコが怪我を負い、海の民に保護されるところから物語は大きく動き出します。
海の民の少年・オトガイが父親から受け継ぐ役割が重かった。これはしんどい…。
いったいどういう結末を迎えるのかと気になって中盤以降は一気読み!

先に「シーソーモンスター」「蒼色の大地」を読んでいたので、繋がりを見つけて嬉しくなりました。
巻末座談会「螺旋プロジェクト」も、8人の作家さんの裏話や作家情報が知れて面白かった。

0

Posted by ブクログ 2023年02月05日

伊坂幸太郎の螺旋プロジェクトの時間軸的には一番最初の物語!

時代は原始の時代で場所は日本列島の何処か?

使っている言葉が不明→読むにつれて解ってくる感じ・・・


死の概念を持たない海の民と、死を認識し生贄や葬いの文化のある山の民、二つの民族が出会い、一番最初の対立が生まれる物語


個人的には...続きを読む原始の時代の物語を読むのは【萩原浩】さんの【二千七百の夏と冬】以来でした。


0

Posted by ブクログ 2023年01月21日

全く知らない固有名詞が次々と当然のように出てくるので、頭から置いてかれてしまった。
ウナって何?オトって何?あーウナってそういうこ…ハイタイステルベって何?一個一個理解が追いつく前に次知らない単語が出てくるから何度か飽きてしまった。
ただ、ちょっと慣れると急に読みやすくなるし、この文体に触れ続けてい...続きを読むると、文明が未発達だった頃の不明瞭な手探り感みたいな部分が感じられて良かったし面白かった。めちゃくちゃチャレンジングな事をやっていて、話の筋もしっかりしていて、技術とバランス感覚が突出していないと書けない作品だと思った。

0

Posted by ブクログ 2023年01月13日

「原始」を時代背景にした本を初めて読んだ
未来と同じくらい未知なる世界
空の高さに勝る海の深さのような世界
最初はとにかく言葉がわからず読みにくかったが
しばらくすると英文で知らない単語が文脈でわかるように、なんとなく読めてしまう。
生命力ほとばしる作品

0

Posted by ブクログ 2023年01月04日

「螺旋」プロジェクトの2冊目。一気に古代に飛んでみた。年跨ぎで読んで今年の1冊目。

山の民(ヤマノベ)のマダラコが生贄の儀式から逃れて山を下り、海の民(イソベリ)の集落に辿り着くところから始まる物語。

カタカナで聞きなれない単語が多い文章は読みづらかったが、これは最初のほうの話を読むうちに慣れた...続きを読む
寧ろ付かず離れずのところでそれらしい言葉を作り出す苦労が思われる。この時代を担当するのは大変ね。

言葉も食べるものも風習も異なる二つの民。異文化が衝突するところで何か起こるというスリリングな設定に思えたが、面白くなる前に終わってしまったという感はあり。
ただ、だからと言って面白くなかったわけではなく、この見知らぬ想像上の種族の思わぬ特徴や属性だったり、小さな衝突がどう転がっていくのかなど、作者が作ったワールドに結構興を惹かれながら読み進めることは出来た。

『死を知らぬ海の民、死を弔う山の民』という二つの死生観やウェレカセリの壁画の意味(オトガイとマダラコがこれを読み解き辿っていく場面には興奮した)など、これらを突き詰めていけるともっとこの物語に対する理解(本当の面白さ)が深まったのではないかと思うのだが、私の頭では難しかったのだった。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年12月01日

螺旋プロジェクト1冊目。

勝手に海と山の両サイドから物語を描くものと思ってたけど固定概念だった。ほぼ、海サイドのみで展開するのは新鮮。

ただ、時代設定に関してはかなり貧乏くじ引いちゃってるでしょ、この作者さん。

言葉が明確に通じない時代性や古めかしさを表現するために太陽をオオキボシと呼んだり、...続きを読む神秘的な役割?にハイタイステルベと名付けたりと雰囲気を出してるのはいいけど、そのせいで「これってなんのことだっけ?」みたいな部分が多くて内容がすんなり入ってこない。

理解力の無い読者ですまぬ、大森兄弟さん。

0

「小説」ランキング