あらすじ
「Web3」とは何かと言えば、「巨大IT企業(ビッグテック)の支配から個人が解放されたインフラ」で、「要素技術としてブロックチェーン、なかでもNFTあたりを重視する」くらいが最大公約数的な説明だろう。――「Web2.0」と何が違うのか? ビッグ・ビジネスになるのか? 社会への影響は? 「次世代のインターネット」といわれる「Web3」について、『メタバースとは何か』の著者がどこよりもわかりやすく解説!
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Posted by ブクログ
著者は情報処理試験のテキストの著者でもあり、そのテキストのお世話になったこともある。読みやすい一般書もかなり書いていることを知って興味を持って読んでみた。
Web3を、
"「巨大IT企業(ビックテック)の支配から個人が解放されたインフラ」で「要素技術としてブロックチェーン、なかでもNFTあたりを重視する」くらいが最大公約数的な説明"
と定義し、そこにメタバースを含めた形で、
・プロローグ
・第1章 ブロックチェーン
・第2章 NFT
・第3章 メタバース
・エピローグ
の章立てで説明している。しかし、
"Web3の中にメタバースを含めることには、無理があると思う。"
と述べており、メタバースをWeb3に含めることは懐疑的である。NFTはブロックチェーンを利用した技術であり両社は密接なつながりを持つが、メタバースは別の技術であることが説明されている。
Web3は「非中央集権的な社会を目指す」「インターネットの民主化」のような、ある種イデオロギー化された思想があり、それを実現するための技術としてブロックチェーンを用いるものである。ただ、その思想はそもそものインターネットがもっていた理想でもあるが、そのそれが普及する時に失われた。その理由は、大多数の人が非中央集権的なものは使いにくいからである。誰にでも開かれていたはずのインターネットに接続するには、それ相応の技術が必要でありリスクも伴う。そのため、多くの人がインターネットを使うためにはISPが必要になり、Webページを検索するための検索エンジンが生まれ、現在のWeb2.0が形成された。
今後Web3が普及したとしても、それは今理想とされているものではなく、結局はWeb2.0と同じような世界になるのではないか。
このようなことが、様々な例や言い換えで繰り返し述べられている。豊富な例は想像しやすくわかりやすい。技術的な要素についてもある程度述べられているが、そこまで深入りはされていないように思う。深い技術要素は難解なこともあり、理解できない話も多いこともあるが、結局のところブロックチェーンって何だったんだ?というような疑問は残りっぱなしである。
おそらくこれは著者が悪いのではなく、私の頭が悪いのとブロックチェーンやNFTがあまりに難しいからなのであろう。
というわけで結局のところ著者がいうように「取引所」という接続点を使わないとブロックチェーンを使用した技術であるビットコインに参入できないことを考えれば、著者の言うことはあっていることなのだろうと思う。
完全理解はできなかったが、興味深く拝読して勉強になったので★5