あらすじ
推理作家・香月史郎は、大学の後輩・倉持結花に付き添いを頼まれ、死者が視える霊媒・城塚翡翠のもとを訪れる。
翡翠の、人形のように整った精巧な顔付きと肌の蒼白さに、非生物的な印象を受けた史郎。
だが後日、史郎は街中で男たちに絡まれている翡翠を目撃する。
怒りに頬を赤くし、狼狽している彼女の様子は、以前の彼女とは全然違った印象で……。
翡翠が心霊で犯人を当て、史郎が論理で「霊媒以外の証拠」を示す。
数々の難事件に挑む二人だが、世間を震撼させている連続死体遺棄事件の犯人の魔手が、翡翠の元へと迫っていた――!!
ミステリランキングの5冠を達成した原作を漫画化!
麗しい探偵・城塚翡翠の推理劇が開幕する!
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推理物としてちょっと…
推理小説が原作のマンガ。
まず、絵はすごくキレイ。
特に女性の絵は文句なしに美しい。
男性の絵はちょっと「わざとらしい」感もあるけれど、絵に関しては素晴らしいと言える。
一方のストーリーだが、安易な推理ものにありがちなツッコミどころが多いのが気になった。
ネタバレになるが、例えば最初の事件の場合、
「現代では眼鏡にガラスレンズを使っている方が珍しく、そこにすぐに思い至るものか?」
「仮に推理の通りだとしても、それは単にガラスレンズが破片に含まれているというだけの話。その段階ですぐ犯行を認めるか?」
という疑問がある。
2つ目の事件は1巻の段階ではまだ解決していないが、
「間取り上、リビングを通らないと犯行が不可能。たまたま偶然、3人の容疑者が3人とも深夜にリビングを通ってトイレに行ったからいいものの、犯人しかトイレに行かなかったとすれば一発でバレる。そんなリスクを犯人が犯すのか?」
という極めて大きな疑問がある。
この手の強引さは、上手い推理小説だと感じないレベルのものだと思うのだけど。
という事で、肝心の推理ネタ自体が「名探偵コナン」レベルの強引かつ非現実的なものになっている。
せっかく「霊媒」というチートを用いるのだから、もっと巧妙かつ難解な展開にして欲しかった。