あらすじ
火災で家を失ったつばめ。声をかけてきた御曹司・蓮のマンションになりゆきで仮住まいすることに。初めは警戒していたけれど、甲斐甲斐しくお世話され不覚にもドキドキ。どこか懐かしくて優しい彼にどんどん惹かれる。「ようやく君を抱ける」色気を纏った囁きとともに楔で最奥を抉られ、初めての快感に溺れて。愛される幸せで満たされる。すると、ある記憶が蘇り――。
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トラウマの描写が丁寧でよかった
作家さん買いです。
そして私は精神科医療の世界で長く働いてきて、特にあらゆる暴力被害を背景に持つ精神障害の方々の支援をしていたので、とても近しい主人公でした。
真っ直ぐで強く生きようとするつばめがすごいのと同時に、もろすぎてハラハラしました。
大切な思い出を閉じて、とにかく生きることに執念を燃やす不器用さがすごく丁寧に描かれていてよかったです。
すごくお勉強されたのだろうと思います。
蓮も、きれいさっぱり忘れていたものが急にすっごい濃度で思い出すというのも、一種の防衛だったのでしょうね。
色々思うところはありますが、幸せになるために時々立ち止まり、またゆっくり歩き出すパートナーがいてくれるのは最強だなぁと思いながら読み終えました。
面白かった。
辛い過去のあるヒロインが、前を向いて、しっかり生きている様がよく書かれていて、そんなヒロインが蓮と出会って落ち着ける場所を見つけられたの描写がなんかほんわかとした気持ちにさせられて、良かったなあと思った。
調香の話はわからないながらも、色々な香りの話も面白いなと思いつつ読みました。
ヒーローとヒロインの幸せな未来が想像できて良い結末でした。
Posted by ブクログ
火災をきっかけに住む場所を失ったヒロインが、偶然出会った御曹司のヒーローのもとで生活することになり、戸惑いながらも少しずつ距離を縮めていく物語。彼のどこか懐かしさを感じさせる優しさや強い想いに触れるうちに、やがて過去の記憶と向き合うことになっていきます。
物語の軸には、幼少期に関わりのあった二人の過去と、ヒロインの抱えるトラウマがあり、それが現在の関係へと繋がっていく展開が印象的でした。ヒロインは虐待という辛い過去を抱えながらも、必死に前を向いて生きていて、その不器用さや脆さにハラハラしつつも強さを感じられます。
ヒーローはとにかく一途で、再会後は迷いなく囲い込んでくるような溺愛ぶりが魅力的でした。優しさだけでなく、絶対に離さないという執着の強さもあり、ヒロインを包み込むように支えていく姿が印象に残ります。
また、香りと記憶を結びつけた設定も特徴的で、香水にまつわる描写や知識が物語に自然に溶け込んでおり、世界観に深みを与えていました。
一方で、ヒロインの心の変化がやや急に感じられる部分や、過去の問題との決着が少しあっさりしている印象もあり、もう少し丁寧に描かれていればより感情移入しやすかったように思います。
それでも、トラウマを抱えたヒロインが愛によって少しずつ救われていく過程と、ヒーローの一途で重めの愛情がしっかり描かれていて、甘さと切なさのバランスが楽しめる作品でした。