【感想・ネタバレ】現代フットボールの主旋律 ピッチ上のカオスを「一枚の絵」で表すのレビュー

あらすじ

これを読まずして現代サッカーを語ってはいけない

“異端のアナリスト”庄司悟はこれまでピッチ上で起こる様々な「主旋律」を、誰もが一目でわかる「一枚の絵」で表してきた。「2軸」「非対称」「皿と団子」「同期・連動」「連動→連鎖→連結→連続」「志・智・儀」といった“異端用語”を駆使しながら、ペップ・グアルディオラ、ユルゲン・クロップ、ユリアン・ナーゲルスマン、ハンス=ディーター・フリックたちが標榜する世界最先端の現代サッカーを「一枚の絵」で明らかにする。



【構成】
Ouverture〈序曲〉 はじめに

Praludium〈前奏曲〉
・起源
・クロップ魔法陣

Op.1
〈第1楽章〉 ゲーゲンプレス2.0
〈第2楽章〉 複数で突っ走る
〈第3楽章〉 「レコード」は「データ」にあらず
〈第4楽章〉 90分のコンセプトを「一枚の絵」で表す
〈Zugabe〉 木を見て森を見ず

Pause〈休憩〉 Jの主旋律

Op.2
〈第1楽章〉 皿と団子
〈第2楽章〉 有効性か効率性か
〈第3楽章〉 修正→構築→継続
〈第4楽章〉 情報≠知見
〈Zugabe.1〉 志・智・儀
〈Zugabe.2〉 ハイブリッド型0局面

Das Finale〈終曲〉 おわりに

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Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったけど、難しかったというのが正直な感想。ただ、サッカーアナリストという職業があり、それに資するだけのデータがとられ、大学にそうした人材を育成する学部があることがドイツの奥の深さですね。あとがきに書いてあったけど、ドイツはナチスのプロパガンダで歴史に汚点を残してしまったこともあり、データに基づく客観的なジャーナリズムというのが根付いたという背景があるにせよ、本質的にゲルマン民族の勤勉さなんでしょうね。技術とフィジカルを持ち合わせたアスリートにきちんと役割を与え、主旋律、すなわちストーリーを与えるのは監督の仕事。計算されつくした戦略・戦術を実行するために必要なのは、あとはケースバイケースで正しい行動ができる判断力ということになってきているようです。

通常、サッカーはディフェンス側から相手のゴールに向かって、3-5-2とか3-4-3とか陣形を作って、守備はコンパクトに、攻撃はワイドに攻めるというのが基本。ただ、当たり前だけど相手はセンターからだけ攻めてくるわけではない。ボールのある位置によって、この陣形は変形していくわけで、そもそもこうした変形を前提に、2次元的に配置を考え、攻撃と守備の切り替えというよりは、相手にボールを持たせつつも攻撃の準備を怠らないそんな戦術が最近のトレンドなんだということを知りました。ちょっと簡単に書きすぎかな。いずれにせよ、二次元でとらえることと、攻守は切り替えるのではなく攻守の関係はグラデーションの関係といったらいいのかな。ボールを取ったら一気に攻撃を仕掛ける体制になっている、むしろ相手にボールを持たせつつも攻撃の陣形になっているというのが正しいのかもしれない。こういう戦術を考え、実現する欧州のサッカーはやっぱり偉大です。

それと、単に陣形だけでなくパターンを持っている。そして、それを実現するのがスプリント。やっぱりデータなんですね。非常に勉強になりました。

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2023年07月24日

Posted by ブクログ

サッカー戦術の本を立て続けに2冊読んだ。おもしろかった。2冊目になるこの本の著者は特に独自の戦術論があり、サッカーの見る視点が増え、サッカーの奥深さをとても感じた。ドイツ在住の異端のアナリストと呼ばれる人のようで、クラシック音楽のオーケストラと対比させているところがまた興味深かった。

0
2023年07月17日

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