【感想・ネタバレ】死は存在しない~最先端量子科学が示す新たな仮説~のレビュー

あらすじ

死後、我々はどうなるのか。「肉親」と再会できるのか。「前世の記憶」「輪廻転生」は、全くの迷信なのか。なぜ、「死者との交信」が起こるのか。「幽霊」や「地縛霊」という現象の正体は何か。我々の「未来」と「運命」は、すでに決まっているのか。なぜ、無数の人々が「神」や「仏」を信じてきたのか。なぜ、「最先端の科学の知見」と「最古の宗教の直観」が一致するのか――。この本を読み終えたとき、あなたの人生が変わる。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

量子物理学で言うゼロ・ポイント・フィールドが存在すれば、宗教を含めてすべてのスピリチュアルなことは説明がつくというトンデモ本か真実の書なのかというとこ。

信じるものは救われるなので、信じていいような気もするのだけど、ポイントのとこを注意深く読んでいくと論拠が薄く仮説でしかないことが分かります。

その仮説にいろんなスピリチュアルな事項、経験、先人の書、言葉を並べるので真実のように見えてしまいます。

これからこの類の研究に注目ですが、最後は死んでみなきゃ分からないことで、仮説として信じておくのも方便としていいのかもしれない。

死んでも意識はゼロ・ポイント・フィールドに移行するので、魂として残る。このあたりは丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなるで言っていた、聖霊界でクリーニングされて霊界に行くという説と全く符号する。霊界がゼロ・ポイント・フィールドということになる。

仏教の全体と個の関係というのも説明がつく。



亡くなった親にも会えるし、祈ることはゼロ・ポイント・フィールドにアクセスすることになるので、有効である。背後霊も墓参りも神社参りも意味のある行為ということになります。

村上春樹の心の奥底に降りていって小説を書くといった創造のエネルギーもゼロ・ポイント・フィールドにアクセスすることになるんですね。

『この宇宙が誕生したのは138億年前なんだそうです。ちょっと古すぎて目撃はしてないのですが。では、その前には何があったのか、そこには何もなかった、つまり真空でした。この真空を専門用語で「量子真空」と言うのだそうです。この「量子真空」が、あるとき、ふとゆらぎ起こして、その瞬間、この量子真空が極微小の宇宙を生み出し、それが急激に膨張し始めたのである。このプロセスを論じた科学理論が「インフレーション宇宙論」と呼ばれるもの。そしてその直後、この宇宙の萌芽が大爆発。ビッグバンを起こし、現在の宇宙が誕生した。このプロセスを論じた科学理論が「ビッグバン宇宙論」と呼ばれている。


ビッグバンを起こした後、宇宙は光の速さで膨張し、138億年かけて現在のような壮大な広がりを持つ宇宙となる。このように、宇宙はすべてこの量子真空から生まれたのである。これはすなわち量子真空の中には、この壮大な宇宙を生み出せるほどの莫大なエネルギーが潜んでいるということに他ならない。


そしてこの量子真空は今もわれわれの身の回りに、この宇宙の全ての場所に普遍的に存在しているのであり、別な表現をすれば、我々の生きているこの世界の背後に量子真空と呼ばれる無限のエネルギーに満ちた世界が存在しているということである。


このように、現代科学の最先端の量子物理学においては何もない、真空の中にも莫大なエネルギーが潜んでいることが明らかにされている。


このエネルギーのことを量子物理学ではゼロ・ポイント・エネルギーと呼んでいる。ノーベル物理学賞を受賞したリチャードファインマンの計算によれば、1m3の空間に潜むエネルギーは、世界のすべての海の水を沸騰させることができるほどの量であるとされている。また、最新の量子空間の研究によれば、このエネルギーは無限であるとの議論も提示されている。


この量子空間の中に、ゼロ・ポイント・フィールドと呼ばれる場があり、この場に、この宇宙のすべての出来事のすべての情報が、「波動情報」としてホログラム原理で記録されているという仮説があるそうだ。


量子物理学的に見るならば、我々が物質と思っているものの、実体はすべてエネルギーであり、波動に他ならず、それを質量や重量を持った物質や課題、物体と感じるのは、実は我々の日常感覚がもたらす錯覚に過ぎない。


我々は自分自身の体もこの世界が明確な物質として存在していると思っているが、実は我々の体やこの世界を全て原子によって構成されており、その原子は、さらに電子や陽子、中性子という素粒子によって構成されているのである。そして、この素粒子の正体は、実は「エネルギーの波動」であり、エネルギーの振動であり、「波動」に他ならない。それゆえ量子物理学的に見るならば、我々が日常的に感じる物質というものが本来存在しないのである。


例えばガラスを鉄の棒で叩いて、それが固い物体と感じるのは、鉄原子という「波動エネルギーの塊」はガラスを構成するシリカの原子や酸素の原子の「波動エネルギーの塊」と反発するからである。


どれほど強固な物質に見えても、それを量子物理学のミクロの視点から見るならば、すべて波動に他ならない。


この宇宙のすべての出来事と、それが銀河系宇宙の生成であろうが、地球という惑星の誕生であろうが、ローマ帝国の滅亡であろうが、あなたがこの地上に生を受けたことであろうが、あなたの今朝の食事であろうが、その食事がうまいと言ったことであろうが、その本質は量子物理学的に見るならば、すべて波動エネルギーなのである。


それゆえ、もし、「量子空間」の中に存在する「ゼロ・ポイント・フィールド」がこの宇宙で起こった出来事、すなわち波動エネルギーを、波動情報として記録しているのであれば、「ゼロ・ポイントフィールド」が、この宇宙のすべての出来事を記録しているという仮説は決して荒唐無稽な理論ではない。


例えば、今静かな湖面の上を吹き渡る風を想像していただきたい。この場合、風邪は空気の波動であり、それが込めに水の波動というある波を生み出す。それは言葉を換えれば風という波動エネルギーの分析がコメンののみという波動情報として記録されるということである。そして、湖面の上をさまざまな風が吹き渡るならば、そのすべてが湖面の波として記録されるだろう。これが現実世界(湖面)での「出来事」(風)をゼロ・ポイント・フィールド(湖面)が、「波動情報」(湖面の波)として記録するということのイメージである。



ゼロポイント・フィールドでは、エネルギーの減衰が起こらない。「ゼロ・ポイント・フィールド」に波動として記録された情報は永遠に残るのである。このフィールドに記録された情報はこの宇宙の過去から現在までのすべての出来事の全ての情報であり、その情報はゼロ・ポイントピードが存在する限り永遠に存在し続ける。もし我々が何らかの方法で「ゼロ・ポイント・フィールド」につながることができるならば、我々もこの宇宙の過去から現在までの全ての情報に触れることができる。


「ゼロ・ポイント・フィールド」において、過去と現在の瞬間の波の状態が分かれば、未来の波の状態もある程度予測できる。ゼロ・ポイント fillに存在する情報とは過去と現在だけではなく、実は未来の出来事の情報も含まれている。未来に起こる可能性のある出来事についても知ることが出来る。それが我々の人生において、予感や予知を占い的中といった不思議な出来事が起こる理由でもある。

我々の「意識の場」である脳や身体は、この「ゼロ・ポイント・フィールド」と量子レベルでつながるこができる。これについてはこの仮説を裏付ける「量子脳理論」が注目されている。

この理論は、スティーブンホーキングとともにブラックホールの特異点定理を証明したロジャー・ペンローズによって提唱されている。

我々の「意識の場」である「脳や体」が注目「ゼロ・ポイント・フィールド」に繋がっているとすれば、「直感」「以心伝心」「予感」「予知」「占い的中」「シンクロニシティ」「コンステレーション」などの「意識の不思議な現象」が、なぜ生まれるのか、その説明となる。

我々の意識の世界が階層構造になっている。

表面意識

静寂意識。静寂を保っている時の意識の世界。この世界で我々の自我エゴの活動が比較的静まっており、不満や怒り、不安や怖れ、嫌悪や憎しみ、妬み、怨念などネガティブな想念が消えている。

そのため、この静寂意識の世界はしばしば「ゼロ・ポイント・フィールド」につながりやすくなり、そこから必要な情報や知識や叡智を得ることができる。

適切な直感が降りてくるようになる。


第3の階層は無意識。無意識の世界は「ゼロ・ポイント・フィールド」を通じて、類似の情報を引き寄せる。したがって、この無意識の世界では引き寄せの法則によって不思議な直感やシンクロニシティ、コンセントレーションなどの現象が起きる。

第4の段階は超個的無意識。ユングの心理学の「集合的無意識」と呼んでいる。以心伝心など我々の心が繋がったように思える「超個的な現象」が起こる。


第5の階層は「超時空的無意識」の世界。「ゼロ・ポイント・フィールド」と深く結びついた意識の世界。「予感」「予知」「占い的中」といった「未来を知る」という体験が起きる。

「無意識」の世界で、何かを「想う」ということは、その想念に関連した情報を探すことや、集めることになる。

人が死に直面したときに過去のすべての思い出が走馬灯のように巡っていくというフラッシュバック現象がこれにあたる。


天才と呼ばれる人々は、化学や技術、学問、研究、芸術、音楽など職業を問わず、その創造的なアイデアや発想が「どこかから降りてきた」「天啓のごとく与えられた」と言った表現をする。「頭で考え抜いて、思いついた」といった表現をする人はあまりいない。これはおそらく「ゼロ・ポイント・フィールド」に繋がりそのことによって、「ゼロ・ポイント・フィールド」から創造的な発想やアイデアを引き出していると考えられる。

日常的に感じている「良い運気」「運の強さ」というのものも、我々の無意識が、「ゼロ・ポイント・フィールド」につながることによって、必要な情報を引き寄せることによって起こるものである。

「良い運気」を引き寄せるためには心の中に「ポジティブな想念」を持つことが必要である。

「神」「仏」「天」とは「ゼロ・ポイント・フィールド」に他ならない。


般若心経の「色即是空空即是色」とはこの世界(色)は、すべて真空(空)から生まれてきたということ。


「前世の記憶」「転生」「生まれ変わり」は、子どもたちが、何らかの理由で、その意識が「ゼロ・ポイント・フィールド」に繋がったことによる。


「霊媒」「死者との交信」は「ゼロ・ポイント・フィールド」から、その故人に関する様々な情報誌を受信し、家族の前で語っている。

「背後霊」は、それが見えるという人は、その背後霊になったとされる故人の情報を「ゼロ・ポイント・フィールド」から受け取って語っている。


自分の一生の記録も「ゼロ・ポイント・フィールド」には存在するので、死んで肉体が滅んでも意識としては「ゼロ・ポイント・フィールド」内に深層自己として残り続ける。深層自己は「ゼロ・ポイント・フィールド」内の様々な情報に触れながら、存在、変化を続け、生き続ける。

つまり死ぬことで「現実自己」は「深層自己」に中心を移す。

臨死体験、幽体離脱はこの「ゼロ・ポイント・フィールド」に入り、そこからまた抜け出すことになる。お花畑とか亡くなった家族が現れるのは、死者の意識がそれらの情報を集めたことによる。


「現実自己」の中心にあった「自我意識」(エゴ)は「ゼロ・ポイント・フィールド」にあってもしばらく中心的な役割を果たすが、生きるうえでの苦しみ、恐怖、不安がなくなるので「自我」(エゴ)が消えていくので、救われていく。そのことは「私」が消えていくことを意味する。ただ自我意識が消えても決して消えない「私」、「真の私」が、いる。真の私は「至福に満たされた世界」に向かっていく。この自我が消えて至福の世界に向かうプロセスを仏教では「成仏する」と呼び、「至福の世界」ほ「涅槃」と呼んだ。

親鸞の「善人なおもて往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」というのはすべての人々が救われるという「絶対肯定」の思想。


我々は、死後、「ゼロ・ポイント・フィールド」で「肉親」に再会できるのか

肉親も「ゼロ・ポイント・フィールド」で深層自己として生きているので、会うことはできるが、超自我意識となった肉親となる。

一方、「ゼロ・ポイント・フィールド」で再会する肉親は、ある意味で、生前のイメージのままの肉親である。それは我々の意識が生み出すものでする。

死後すぐには自我意識が強くのこっていて、他界した肉親に会いたいと想うと、「ゼロ・ポイント・フィールド」が記憶している肉親の「様々な情報」を引き寄せ、そこに懐かしい「肉親のイメージ」を生み出し、そのイメージと対話することもできる。

祈りを捧げることは、愛情や思慕に結びついたポジティブな想念で、あまり自我(エゴ)が強く現れた想念ではないため、我々の無意識がゼロ・ポイント・フィールドに繋がる最良の方法である。


ゼロ・ポイント・フィールドにつながる方法になるので、故人や肉親は、「ゼロ・ポイント・フィールド」に移った後、現実世界の我々を導いたり、守ったりすることもできる。』

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2023年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

量子真空に揺らぎが起きて陽子と電子が生まれたのはなぜか、陽子や電子に意識があるのか、物体は存在せず波動がある、不思議な体験はゼロポイントフィールドにリンクして関連する情報を引き寄せているから…生成AIや量子コンピューティングが発達したらもっとよく見えてくるのか、それとも見えなくなるのか。これから5年間に何が起こるのか楽しみしかない。

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2025年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

評価は難しいよね。最終的には信じるか信じないかになってしまう。相対性理論のもとは、光の速度が常に一定ということから導き出されていると思うのだが、じゃあ光の速度が一定なのはどうして、と問われるとそうなっているからとしか言えない。この本のな内容についてもそんな感じがしてしょうがないんだよなあ。いろいろ状況証拠は出しているつもりなんだろうが、それも著者の個人的経験でしかないしね。
宇宙の始まりから、素粒子同士がくっついていったように意識を持っていて、その宇宙意識が成長していって現在の宇宙が出来上がった。目的があるわけではない。その宇宙意識の高度な発展の一つである人間の意識は、死んでも宇宙意識の中に戻るわけだ。個的意識としての私は、宇宙意識が138億年の悠久の旅路の中で見ている一瞬の夢。今の私でもその宇宙意識につながれば、過去も未来もすべてを知ることができる。
素粒子にも意識がある。いやそれこそが根本。日本でのアニミズムやスピノザの汎神論と似ているようで、ちょっと違うのかな。いや同根なのかな。
以前から私が考えていた宇宙論を補強してくれるような内容で、私は合点するのだが、強烈な論理性があるというほどでもなく、唯物論者が読んで納得はしないだろうな。頭の中で、そういう友人の姿が浮かんだよ。

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2024年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

量子科学というものに興味あり、そしてこのタイトルにぐっと掴まれ。それは本当なんですが。
いえ、正直言うとちょっと表紙の著者の写真に惹かれて手に取り。ちょっとかっこいい風でないですか(そんな理由で手に取ったのかという批判もありましょうが)

死んだら無であると、30過ぎるまで信じていた科学者が死は存在しないという考えに至るというのはなかなかのことではないかと思い、なぜそういう考えに至ったのかまず知りたく思いました。スピリチュアル寄りではない人が科学的に考えてそういう考えに至るというのはあまりあり得ることではないと感じたからです。

「ゼロポイントフィールド仮説」という言葉というか考えかたを聞いたことも見たこともありませんでした。そして言ってることは何となく分かるのだけど難しかった。
で途中からこれはどこかで読んたことのある話だなと思い、私の頭の中に浮かんでいたのは江原啓之さんが言ってたことです。
波動の法則とか、魂の成長のために現世を生きているとか大きな魂の概念とか…それを思い出しつつ読んでいくと言ってることがわかる気がした。というか江原さんと同じこと言ってますよね?と思いました。(え。違いますか?)
最後の方になると理解がついていかず、これは科学的な話として読んて良いのかなと思いつつ読み進め、結局私はあまりすっきりとはできませんでした。

安心したとも救いも感じられなかった。ここに書かれたことが仮説でなく真理であったとしても、生身で生きる現世の苦しみや困難がやはり私はしんどすぎると思うから。(それは本書の伝えたいことを理解したとは言えないということだろうか?)
最後にはそういう「人生が夢なら早く覚めてしまって良いのではないか」という人に寄り添うような言葉もありましたが(私はそう思った派というかそういう人出るでしょうよと思った派)それに理解を示しつつも最後はとにかく生きてほしい、生きることに意味があるという願いというか祈りに全て集約されてしまうんだなとちょっと気がぬけたというか…
要するに本書を読んでじゃあ現世的に死んでしまおうという人がでたら困りますもんね、ということなんでしょうそれは、と思ってしまった。そこでちょっとモヤッとしてしまったのがこの読後感なのかも。
いやでも、読めてよかったです。著者がなぜ死は存在しないと考えるに至ったかはよくわかりました。
他の著作もちょっと興味がありますが、読めば読むほどもしかするとモヤッとが深まるだけかもしれないという予感も…ちょっとします(苦笑)

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2024年01月03日

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