あらすじ
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人気シリーズ「乙女の本棚」第28弾は、文豪・江戸川乱歩×イラストレーター・夜汽車のコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
人でなしの恋、この世の外の恋でございます。
美男子と結婚して約半年。ある日夫の奇妙な行動に気づき、その後を追ってみると......。
江戸川乱歩の名作が、ノスタルジーを感じさせる美しい作品で大きな話題を呼び、本シリーズでは谷崎潤一郎『刺青』、坂口安吾『夜長姫と耳男』を担当するイラストレーター・夜汽車によって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
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Posted by ブクログ
読むにつれて、ぐいぐいと物語に引き込まれました。
親戚が決めた結婚だったが、夫はよく愛してくれた。だがそれは偽りだった。
夫が夜な夜な布団を抜け出し蔵に会いに行っていたのは、人形であった…。
それを知り、人形をバラバラにする妻。
そして、最後にはバラバラになった人形を抱き、自決する夫の姿…。
人形に恋する人間とその妻の話。
妻としては、夫の心が自分ではなく、人形にあると知り、とても辛かったと思う。
結局夫は人形とあの世に行くほうをとってしまい、残された妻はやりどころのない気持ちになったことだと思う。
江戸川乱歩さんの話は「人間椅子」依頼2作目でしたが、どちらもゾクゾクとし、とても面白い作品だと思いました。
また、この本のイラストはイラストレーターの夜汽車さんが描いており、とても美しかったです。
今日も素敵な本との出会いに感謝します。
ありがとうございました。
Posted by ブクログ
内容は人としてのモラル?精神破壊しているがきれいな絵が中和されている。江戸川乱歩を読むと暗いイメージしか頭に浮かばなかったがこれは一切なく中断せずに読める。
人形は、作った人の魂が宿ると言われているがそんな宿った人形に魅せられた1人の男の話。
Posted by ブクログ
あまり読んだことのない作家の作品も、このシリーズなら読めるんだよね。
それはさておき、確かに、こんな恋はたまに物語のネタになるし、神話にもある、何なら現実にもあるかもしれない。一人(ふたり?)で完結するなら好きにして、と思うだけだけど、この話の語り手みたいに巻き込まれた人間にしてみたら…。昔ならなおのこと。いっそ、彼女に夫への愛が無ければ幾分か楽だったろうにね。それはそれでプライドが傷つくかもしれないけど。
オチが気になってサクサク読んだ。びっくりもせず、どこかで「(やっぱり)このオチかぁ」と納得したところはある。でも別にガッカリしたわけではなく、すとん、と腑に落ちた。ただ、語り手の彼女はこの後どうしたのか気にはなる。
いやしかし、昔の技術ってある意味現代とは比べ物にならないところがあるからなぁ。洋の東西を問わず、人形は怖い。
Posted by ブクログ
「乙女の本棚」3冊目。グロテスクな作品が多いと聞いていた江戸川乱歩。幸せな新婚生活から一転、どんな人でなしにイケメンの夫が成り下がってゆくのか、ハラハラ期待して読み進めたが、なんてことはない、ただの人形愛玩者であっただけであった。そんな夫を受け入れてあげる度量があれば、違った道も歩めたかもしれないのに、一番恐ろしかったのは、嫉妬に狂う妻、そして自ら命を絶ってしまう夫の、人間の狂気。「人でなしの恋」は当初、夫の人形への恋を意味しているのかと思っていたけれど、あんな強行に出た妻の夫への恋、両方のことを示しているのかもしれないと思い直した。
相変わらず、夜汽車さんの絵が美しすぎる。私のコレクション兼子供がいつか読むための絵本として集めたいと思ってきた。