あらすじ
翻訳と聞いて、何を想像しますか?
本書では、翻訳の本質から訳し方のハウツーまで、幅広いジャンルを取り上げて論じます。守備範囲が異なる執筆者4人が口をそろえて言うこと、それは、翻訳とは「原文(英語)を読んで見えた絵と、訳文(日本語)を読んで見えた絵が同じようにすること」なのです。同じようにするために、書き手の頭の中に入っていくプロセスが必要であり、原文の行間を読み、伝えたい内容を適切な日本語にして読み手に届ける必要があります。この作業は、原文が技術系であろうと文学であろうと、変わりません。
本書ではこのプロセスの一つ一つを丁寧に追い、具体例をふんだんに交えながら、翻訳の本質について説明します。翻訳者を目指して勉強中の人はもちろん、すでにプロになった人も、翻訳の世界に興味を抱いている人も、必読の一冊です。
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Posted by ブクログ
これは…本当に必読書だった!どの章も、今知りたかったこと、知るべきだったことばかりで、付箋をたくさんつけた。特にレッスン4は、私の訳文を見て、私の悩みを聞いて書かれたのではないか(プライベートレッスン!?)というくらいだった。付箋のところ、1つずつ実践する!
Posted by ブクログ
現役翻訳家4名の対話形式で、翻訳をする際に必要になる準備、心構え、様々な辞書についての解説とその活用法など非常に実践的な情報が盛り沢山。よくあるマズい翻訳についてや、一般の人からのQ&Aなども今自分が気になることについてたくさん書かれていてとても参考になった。翻訳家としてただ文を訳すだけでない、言葉を繋ぐ大事な仕事であるという誇りは、機械翻訳が一般的になりつつある中でやはり人の手による訳は違うと感じさせる内容だった。
Posted by ブクログ
プロが行っている具体的な翻訳の方法だけでなく、翻訳するにあたって大事な心構えを教えてもらいました。「翻訳のエコノミー」、「翻訳は一人三役」といったアイデアは、翻訳の仕事をしていても自分ではなかなか気付けることはできません。翻訳の姿勢をよりよいものにしてくれた、大変ありがたい書籍でした。
Posted by ブクログ
プロの翻訳者がどのような仕事をしているのか。原著者が伝えたいこと伝え方を読み取り、絵コンテのイメージを作ってから、翻訳先の言語での表現と、読み手がどのように読むのかを意識する。原文の読み手~訳文の書き手→訳文の読み手として、原文を伝えるための適切な訳文を決めるために、立場を何度も往復する。
お金で買える実力としての辞書やコーパス辞典などの翻訳資料。せめて段落単位で原文と訳文のイメージが重なるようにすること。和訳なら日本語の引き出しの多さと原文に引きずられないこと。
自分自身が翻訳者を目指すつもりはないが、どのような教示をもって仕事をされているのかが分かった。
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