あらすじ
両親を亡くしたもの同士、幼いときからともに生きてきたミアとクレト。
少し年の離れた姉弟のように暮らしてきたふたりだったが、
年を重ねるとともに、クレトはミアに異性としての想いを寄せていく。
それを知りながらも、クレトの幸せを願う心から、彼の気持ちを拒絶するミア。
心からお互いを想いあうふたりであったが、とある出来事をきっかけにミアは皇女に目をつけられ、非業の死を遂げるだった――。
その後、地方の男爵令嬢のタリサとして転生したミアは、貴族の付き合いで帝都へ出向いたことをきっかけに転生前の記憶を思い出す。
クレトのことを探すタリサだったが、帝国内にクレトに関する情報は残されていなかった……。
地元にもどったタリサであったが、彼女が十五歳のときに帝都で皇位をめぐり激変が起こる。
第一皇子ながらも冷遇されていたフェリクスが帝位を簒奪したのである。
権力を得るために親族にすら手にかける新皇帝のフェリクスは、「残虐皇帝」の異名で恐れられる存在となる。
フェリクスの治世となり数年――弟の付き添いとして再び帝城へむかったタリサは、
庭園を鼻歌を歌い散策していたところ、その鼻歌に過剰に反応する人物に出くわす。
タリサのことをミアの生まれ変わりだと見抜いたその人物こそ、
残虐皇帝のフェリクスだった――
感情タグBEST3
泣けるけど穏やかな物語
前世の終わり方は悲劇だし、ミアが亡くなった後のクレトの話は彼の気持ちを思うと辛くてボロ泣きしましたが、敵が早い段階で片付いていることもあって、転生後の再会以降は2人の感情やミアの心の動きが主に描かれていて、穏やかに物語が進むため、落ち着いてさらっと読むことができました。乗り越える山や障害が大きい方が盛り上がるのでしょうが、個人的には安心して読めたので良かった。生まれ変わってもミア=タリサにゾッコンのクレト=フェリクスもかわいいし、従者のアントニオもいいキャラで好きでした。今世の人生を大事にしながらも前世の家や思い出を大事にする2人が素敵だった。番外編でいいからその様子も、もう少し読みたかった気はしますが、終わり方も物語という感じで良かったかなと思いました。
楽しく読めました
よくある転生モノかと思っていたのですが、新しい形の転生で、意外性があり楽しく読めました。
でも、せっかく薬草師の話がでたのに活かせてなくてちょっと残念でした。
読後感も良く思うほど残虐でもなく、ほっこりしました。また別の話も読んでみたいと思いました。
よいお話でした
転生ものはよくある設定だけど、こんなに早いターンで生まれ変わって人生をやり直し、自分の気持ちに正直になるお話はあまりないような。
ところどころにコミカルな場面を入れつつ、粛々とお話が進んでいきました。
読みやすい文だったし、かわいいお話でよかったです。
生まれ変わりもの
始めに前世の二人の関係性が描かれています。ヒーローはその頃からヒロインを思っているのですが、年齢差や関係性から結ばれることはありませんでした。ヒロインは恋愛対象ではないもののヒーローを大切にしておりそのまま命を落としてしまいます。次に気付いたときには生まれ変わっており前世で命を落とすきっかけとなったものを見て記憶を取り戻します。今世では年齢差はないものの身分差が邪魔をします。
短くて淡々と進むものの一途にヒーローがヒロインを思っていて良かったです。若干執着も感じるのですが重くなく、ヒロインのことだと可愛くなるヒーローが良かったです。