【感想・ネタバレ】天使の梯子のレビュー

あらすじ

バイト先のカフェで耳にした懐かしい音。それはフルチンこと古幡慎一が高校時代に思いを寄せた先生、斎藤夏姫のものだった。8歳年上、29歳の夏姫に、どうしようもなく惹かれていくフルチン。だが、彼女は、体はひらいても心を見せてはくれない。10年前の「あの時」から夏姫の心には特別な男が棲んでいるのだから――。傷ついた心は再生するのか。愛は蘇るのか。それぞれの思いが交錯する物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「天使の卵」から10年後の夏姫と歩太。
おばあちゃんに投げかけた最後の言葉が悪態になってしまった慎一を夏姫が包み込むシーンからはじまる物語は、夏姫を救済する物語でした。
夏姫が恋した慎一は、皮肉にも姉の春妃と歩太の年齢差と同じく8歳年下。因縁めいたものを思わせる巡り合わせですが、春妃と同じような恋をしてどんな気持ちを相手に募らせるのか身を持って感じたことが何よりの良薬だったのでしょう。二人には別れることなくいつまでも寄り添っていてもらいたいものです。
一方の歩太は、10年で随分と逞しくなったものです。男性ながら歩太には格好良さを感じずにいられません。

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2015年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読2回目。「天使の卵」の続編。夏姫の恋人古畑慎一から見た夏姫、歩太の再生と過去への訣別の物語と言える。本を読んで色々な事が頭に浮かんできて感想に表すのは難しいが、愛する人に置いていかれる寂しさを消化して前に進むというのは、とても苦しいことだと思う。残された人たちは現実に生きていて、どこかでその辛さを乗り越えていかなくてはいけない。「卵」であれだけ打ちのめされた歩太にも、その機会が訪れたことは良かったなと思った。同じ物語を夏姫の視点から見たヘブンリーブルーや続編の天使の柩も読んでいきたいと思う。

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2017年02月04日

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