あらすじ
東海大地震。起きる起きないが問題なのではない。それは必ず起きる。だから、今から何をしなければならないのか。独自のハザードマップを作り、地震対策に努める26歳の市役所防災課職員がいた。だが、大地震が連続して発生。空前の大津波が太平洋岸を襲う! そのとき恋人は、超高層ビルの建築主は、原子力発電所の職員は、自衛隊員は、首相は、どう運命と向き合ったのか!? 大迫力の防災サスペンス作品。
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面白く興味深い作品だった。
著者の以前の作品「M8」から続く当作品。
前作では首都直下型地震を扱った作品だが、当作品はその数年後に東海・東南海・南海地震が起きたらという舞台設定。
タイトル通りその地震により津波も迫る。
地震と津波というと東日本大震災が思い起こされるが、当作品はそれより以前に書かれている。
しかし、その内容はあの震災を描写したのではないかと思うほどに、ありありとあの日以降の事を思わされる。それくらい、著者の想定、参考文献が凄かったのだろう。
津波の被害、原子力発電所の状況、人々の反応、どれも見聞きした覚えがある。
直近だとカムチャツカ沖地震に伴う津波注意報・津波警報への人々の反応はどうだったか。
行政の既得権益や縄張り意識はどうか。草の根活動への権力側の反応はどうか。
色々と考えさせられる、そして多くの人に読んで欲しい作品でした。
ただ、先に書いたように、その描写から震災がまざまざと思い出さされます。
読む方はそれを分かっていてから読んだ方がいいです。
それくらいのパワーのある作品でした。
瀬戸口や黒田の様な人が実際に存在していて、重用される世の中であります様にと強く願わずにいられません。
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これが東日本大震災以前に書かれたものとは思えない!原発のこととか津波の高さとか、預言者じゃないかと思う。昨年、南海トラフの臨時情報が1週間出たが、莫大な経済損失との判断があった上で出されたことを思うとちゃんと防災を意識した行動をしないといけないと改めて思った。
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小説として面白い。そして3.11を知っているからこそ感じるリアリティー。でもこれは2011年以前にかかれているという事実。本当に色々興味深い。防災意識も高まりました。高嶋氏は初めてでしたが他も読みたくなりました。
Posted by ブクログ
まず、タイトルから3.11をテーマにした小説なのかなと思って出版日を確認したら2008年11月だったので俄然興味が湧いて読み始めた。小説は、高嶋哲夫の想像の産物だが、3.11を経験した日本として本作品をリアリティーのある近未来の予言書として向き合っていれば、減災できたように思えてならない。それほど現実と酷似と似ているケースを小説の随所に見いだすことが出来、専門書や論文を参考にしたとしても、改めて小説家の凄さを感じてしまう。さて、小説では東海、東南海、南海のトラフが同時にズレ未曾有の大災害を引き起こす。東日本大震災を経験した現在では、この描写が過剰とは思えない。むしろ、これくらいのことが起こると心してかからないといけないと肝に銘ずるべきであろう。
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「M8(エムエイト)」の続き。M8では地震予知でのすったもんだであったが、今回は予知にはひとまずは成功。その後更に大きな地震が来、東海・東南海・南海地震の連続自信が発生。複合津波が何波も襲うという内容。311以前の作だがよく調べてあり、津波も10~30mとかなり大きいのが内陸部へと襲う。
本作も多くの場面でヒーロー的な活躍をする人々がいて、ハラハラドキドキもあって面白い。
文句なく星五つ。
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M8の続編、これもたのしませてもらったのですが、この二冊を読んでいたので、3・11の時は、これから起こりえることが浮かび、背筋が凍りつく思いでした。
Posted by ブクログ
科学者としての知見を持つ高嶋哲夫氏の災害小説3部作の一つ
東日本大震災以来、「東海地震、東南海地震、南海地震の連続発生の可能性」なんてことが一般の新聞にも報道されるようになってきた。
本書はその大地震とそれによって引き起こされる津波のなかで、人々は、この国はどう対応するのかがテーマ。
3.11を経験した我々には、決して小説のなかの絵空事ではない。むしろフィクションだからリアルに自由に現実を書けるともいえる。
(数年前に書かれた本だが、既に原発の放射能漏れリスクが津波によって、そしてしばしば人災を伴って起きうることを描写している。)
著者は地震などの災害は「保険」のように起こるかどうかわからないものでなく、必ず起きる「行事」として備えよと、作中の人物に言わせている。
小説としても文句ない面白さだが、これからの人生の「備え」として一読をお勧めしたい。
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警報が出たものの意外に小規模だった東海地震、それに油断したところに東海地震の本震が。新築の名古屋の高層ビルは崩壊し、落成式に出席していた総理ほか多数が行方不明死亡となり漆原が指揮をとる。名古屋の壊滅の直後東南海地震と南海地震も同時発生し相互作用して巨大津波が…さらに原発でのメルトダウン…
過去の津波を基に想定津波を策定していたため、想定を超える巨大津波の発生を予測できなかった。私も3/12(震災の翌日)にテレビで津波が人々を襲う画像に、現実とは思えませんでした。「洗濯機にハンマーやナイフと一緒に投げ込まれたような」という表現が的を得ているのか。
これが東日本大震災前に書かれた作品であることに驚きました。
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南海トラフ、東海トラフ、日本海溝トラフの各型地震が同時に発生、津波が日本各地を襲う。そして原発にメルトダウンを起こすが爆発寸前で食い止める。本書は東日本大震災前に描かれたもので原発事故が的中したことに驚く。防災制度、政府や民間などの対応について詳しく書かれており、災害時の様々な対応を想定するのに役立つ。
Posted by ブクログ
面白かった
自然災害パニック小説3部作(M8、TSUNAMI、東京大洪水)の2番目の作品!
311の前に描かれた物語ではありますが、311で起こることを予言していたかのような展開。
M8の6年後の設定ということで、M8の登場人物たちが再び登場します。
ストーリとしては、
東海地震と東南海地震、南海地震がほぼ同時に発生。
これらの地震によって、大津波が発生。
地震災害、津波災害にくわえて、原発も災害が...
これらの災害に対して、登場人物たちはどう向き合うのか?
まずは、地震予知に対する考え方。
予知情報を出す出さない。発令の責任は誰がとる、など地震予知にまつわる問題、課題を浮き彫りにします。
この辺は東京大洪水でもM8でも語られています。
さらに、津波に対する市民の認識。
やはり、人間は経験してみないとわからないのか...
311が思い出されます。
そして、原発
これらの災害に立ち向かうヒューマンドラマということなのですが、自衛隊員、原発職員、首相、防災職員、それぞれ立場から、日本を市民を守るためにとる行動が心を熱くします。
こういうべたな展開は弱いんです。
本作が出た時には防災サスペンス&シミュレーション小説
しかし、311を経験した私たちは現実を知っています。しっかり振り返り、生き残るために何をするか、何ができるか備えておく必要があると思います。
お勧め!
Posted by ブクログ
この時期に書かれたことが実際に起きるとは予想されていたのか警告だったのか。まだ終わりではない。これからも起こりうることとして、準備をしなければ。
Posted by ブクログ
相変わらず読み出すと防災や地震について興味が出てきます。
「M8」のシリーズだけど、出版された順番は「M8」→「TSUNAMI」→「東京大洪水」だけど、時系列的には「M8」→「東京大洪水」→「TSUNAMI」となっています。
どの順番で読むのが良いのか?読んだ身としては人に勧めるのに悩む。
どちらにしても読んでて面白いし、リアルで怖い。
「M8」の時の感想にも書いているけど、これを「東日本大震災」が起こる前に書いてるのが凄い。
Posted by ブクログ
高島哲夫の大規模災害3部作の1作。
出版別だと2作目になるが、3部作では3作目になるの。
東海・東南海地震が発生し、大規模な津波が日本を襲う。
静岡の原発も津波により緊急事態が発生する。
これを東日本大震災前に書いていた先見性は凄い。
いつ起こるっても不思議ではないといわれている災害に備えるためにも読んで、各家庭の対策を考える上でとても良い作品です。
Posted by ブクログ
M8の平成大震災(東京)から6年後、日本列島を再び大地震が襲う。
東海、東南海、南海地震。そしてこれらの地震による津波の共振が起きて、巨大な津波となり太平洋沿岸に押し寄せてくる。
あまりにもリアルで、この作品が東日本大震災の前に書かれていたというのには、本当に驚かされる。
原子力発電所の放射能漏れについて読んでいると、どんなに優れた安全装置でもそれを扱うのは人間なんだと改めて痛感する。
日本の現状と色々な部分で重ね合わせて読んでしまい、胸が苦しくなったが、作者の強い思いが感じられる力作だと思う。
Posted by ブクログ
読んでいてとても怖くなるけど、読んでおくべきだと感じられるストーリーだった。
現実にも彼らのような人たちがいるといいと祈らずにはいられない。
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東海大地震。起きる起きないが問題なのではない。それは必ず起きる。だから、今から何をしなければならないのか。独自のハザードマップを作り、地震対策に努める26歳の市役所防災課職員がいた。だが、大地震が連続して発生。空前の大津波が太平洋岸を襲う!そのとき恋人は、超高層ビルの建築主は、原子力発電所の職員は、自衛隊員は、首相は、どう運命と向き合ったのか!?大迫力の防災サスペンス作品。
Posted by ブクログ
今だからこそ読んでおくべき本。
しかし、何年も前にここまでの(今となっては予言的な)本を書いていたのは凄いと思う。
個人的には終盤の内容が微妙だったのが残念・・・
Posted by ブクログ
東海地震、東南海地震、南海地震が同時に発生し、地震、津波、原発の災害に見舞われるという設定。それに対して、様々な立場の人がどう対応するかが描かれている。
東日本大震災があったため、リアル感があってちょっと怖かった。
全体を通して、大金をかけて災害予知をするよりも、日頃から災害に備えておく、災害に対応できる暮らしを築いておくというメッセージがあるように感じた。
読み物としてだけではなく、震災後の生き方を考える上で読む価値はあると思う。
Posted by ブクログ
南海地震と東海地震だかが連動して起きる超巨大地震と超巨大津波を描く。
連作みたいで、この作中世界では先んじて首都圏大地震が起きている。その復興中に今度は津波が起きるという筋書き。安全措置をほどこしているはずの原発が地震と津波の合わせ技で危機に陥る、、、本書の出版が2008年となると、なかなかに予言的な作品だったということ。
Posted by ブクログ
東海大地震。起きる起きないが問題なのではない。それは必ず起きる。だから、今から何をしなければならないのか。独自のハザードマップを作り、地震対策に努める26歳の市役所防災課職員がいた。だが、大地震が連続して発生。空前の大津波が太平洋岸を襲う!そのとき恋人は、超高層ビルの建築主は、原子力発電所の職員は、自衛隊員は、首相は、どう運命と向き合ったのか!?
Posted by ブクログ
南海トラフ地震のシミュレーション小説。
東日本大震災の約3年前に書かれたものです。
大浜原発の事故の場面は5年前の事故を思い出し
お腹のあたりがキュッとしてしまった。
いつくるかわからない地震。
いくら備えていても憂いは残りますが、
意識はちゃんと持っていなくては。
かなりリアリティーがあり、引きつけられた一冊でした。
Posted by ブクログ
この題材で、エンタメ的に面白い、とかなんとか言えなくなった時代に読んだために、が、いつもの高島作品のように、「あの忠告を聞いておけば...」と後悔する人が続出し、「もー、だから言ったじゃん」となるのを、そう言い捨てられない感じで読み終えた。
あの時より前に読んでいた人は、もしかしたら少なからず適切な対応が出来たかもしれない、と思った。
Posted by ブクログ
南海トラフ巨大地震のシミュレーション小説。小説では30万人近い死者が出ているが、これは内閣府が出した最大死者の予測値32万人とかなり近似している。予言の書にならないことを祈りたい。(惜しいことに「小説」の部分が今ひとつ)
Posted by ブクログ
東日本大震災の時の映像が頭に残っているので、物語に出てくる状況が良く分かり恐ろしくも感じた。
この本だけでも十分楽しめるのだが、人間関係を把握したいのなら、まず前作の「M8」を読んでからのほうが楽しめます。
Posted by ブクログ
「M8」の続き。規模はこっちの方が壮大だけど、ストーリー性と、登場人物の描写は「M8」の方がよかった。地震を始めとする自然災害は、地球がくしゃみや咳をしている様なもので、止める事はできないのだから、起こるのとして、それにどう立ち向かうを考えるべきだ。との考え方には共感した。いつでもどこでも「備えあれば憂いなし」「最悪の事態を想定して備える」事は大事だと思った。すぐに日常の煩雑さに埋没して、忘れがちになってうから、折りに触れてこういう本を読むのも大事かなと思ったりした。
Posted by ブクログ
前作M8と合わせて、3.11前に購入。
読んでいて、やはり3.11の地震や津波と比べてしまったり、
重ねてしまったり…。
この本は間違いなく「フィクション」で最悪の状況・状態なんだと、
思いたいんだけど、このご時世に新幹線にのったり、
タワービルにのぼったりするのは怖くなりますね。
耐震・免震構造のビルがっぽっきり折れるなんてこと、
ありえるの?ほんとに???本だからじゃなくて??
とびっくりです。。
瀬戸口の今後が気になります。
それにしても、松浦が死んでしまうとは・・。
いや、冒頭で「それ、死亡フラグじゃね?」とか思ったりもしたけれど、
本当にそうなってしまうとは。。
あの部分を電車で読んでいて、危うく電車の中で泣きそうでした(笑)
とにかく。
地震は本当に怖い。
Posted by ブクログ
M8を読んだので、これも読んでみました。震災前に読んでいたら、また違ったのかも知れませんが、現実を目の前にすると、やはりfictionでは…との思いはあります。でもこの著者はすごい勉強してると思います。端々にそれを感じました。自然災害はある前提で、防災、減災に取り組むべきという提言に共感しました。