あらすじ
2020年春。空港では見たことのない景色が広がっていた。
乗客が行き交う姿も、搭乗手続きに並ぶ人たちの列もなかった。
コロナで乗客が9割以上も減ってしまった「青い翼」ことANAが生き残りをかけた1000日の全記録。
新型コロナウイルスによる未曽有のパンデミックは、航空会社の経営を大きく揺るがした。中でも、インバウンド需要の拡大と歩調を合わせるように人や機材を増やして事業規模を拡大してきたANAホールディングス(HD)への影響は大きかった。
経済誌『日経ビジネス』の記者としてANAHDを長期的に取材してきた筆者が羽田空港や成田空港、本社のある東京・汐留などで見たのは、経営陣から現場の社員までが、初めての経験に戸惑い、どうすべきか思い悩み、難局に立ち向かおうとする姿だった。それは、普段のANAがイメージさせるスマートさとはずいぶん違っていた。
ANAHDはどのように難局を切り抜け、光を見いだしつつあるのか。あのとき、経営者や社員たちは何を思い、何をしたのか。そして今、どんな課題に直面しているのか。企業が危機に陥ったときにどう動くべきかのヒントが詰まった"苦闘の1000日"の全記録。変化の時代に奮闘するあらゆるビジネスパーソンの道しるべになる1冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
コロナによる危機的な状況に陥った航空業界の記録
特に抱えている従業員の雇用をどう守るのかに気になって読んでいました。
稼ぐ力を見直すためのホールディングス内のこれまで知らなかった会社もあり興味深かったです
内側も分かり、大満足です
トップの発言や従業員へのインタビュー等、売上・利益以外の事が多々あり、これからも同社を(日本航空も)応援したくなります。
1000日という区切りも良かったです。損益分岐点が下がり、黒字化の道筋も見えてきた頃ですので。
新事業も数々あり、前向きな気持ちで読了できました。
Posted by ブクログ
コロナで壊滅的なダメージを受けた企業の再生物語。私がいた会社は特に変化はなかった為、コロナ禍がいかに大きな影響を与えたのか知ることが出来た。終盤は今後のANAの在り方についてでコロナはあまり関係なかった。
Posted by ブクログ
ANAが、武漢肺炎パンデミックによる旅客激減という壊滅的な危機を、どのように乗り切ったかをつづった、ノンフィクション。
ANAは日本航空と違い、純民間航空会社として起こったその出自から、自主自律の精神が企業文化として根付いている。それが遺憾なく発揮されたのがのが、武漢肺炎が巻き起こった2019年から2022年の3年間だろう。
JALの敵失とインバウンド需要で我が家の春を謳歌していたANAは、武漢肺炎パンデミックで壊滅的な打撃を食らう。国内外の旅行客がゼロになったからだ。その中で、政府の支援を良しとせず、人員の大量解雇といったこともせず、どのように生き延びたか?
いかに現実を見つめ、仕事のあり方を見直し、コストを削減し、中には新しい仕事を見つけ、背を縮めて乗り切ったかが、詳細に記されている。この歴史はANAだけでなく、全ての会社組織に教訓として生かせるだろう。
メインの仕事が壊滅的な打撃を被った時に、どのように企業内外に向けて経営トップが発信をするかというトップダウンと、現場が会社の危機をいかに自分事として考え工夫するかのボトムアップの両輪が、ANAを不死鳥のごとく甦らせたのだ。
企業における危機管理の一級の記録書だと思う。会社人なら、損はない一冊である。
Posted by ブクログ
コロナによる外出制限、旅行業界の不安はいかほどだったか。できることを模索しながら前に進む、危機的な状況にあってもさすがだと思う企業。コロナ明けで人々の生活が変わった今からどう変わっていくのか楽しみです。
Posted by ブクログ
企業研究 ★★★★★
コロナ ★★★★☆
ビジネス ★★★★☆
中国・武漢からコロナの足が忍び寄ってきたときの現場の緊張感が感じられた。度重なる外出制限、水際対策の発令等、コロナ禍の各フェーズで役員たちがどのような選択をとってきたかが綴られていた。
比較対象としてJALが挙げられていた。両者ともに空飛ぶタクシーの実用化や、宇宙開発、地方でのドローン活用など、旅客・貨物輸送以外の分野にも力を入れていることが分かった。FSCとZIP AIRやエアアジアなどのLCCが互いにシナジーを生み出しているということで、それぞれがどう集客し路線を広げていくか今後の動向を見守りたい。
Posted by ブクログ
コロナ禍において経営の大打撃を受けたANA。旅行業界はどこも大変だっただろう。ANAも様々な手をうちなんとか乗り切った。もともと半官半民だったJALとは経営体質にしろ、社内の風など全く異なる。私も昔からANAの方が好きです。これからも企業努力そして、航空業界の変革はまだまだ続くことでしょう。一番の課題は脱炭素へ向けた取り組みになります。
Posted by ブクログ
情報量が圧倒的に少なく非常に残念な本。新聞を追っていればわかりそうな内容がかなり多い。
良い点はANAHDに属する子会社の役割と利益構造がわかる。
肝心の知りたいところが仔細に書かれていない。『井手たちの懸命の努力により、』←そこを知りたいんだが、、、具体的な行動、選択肢、想いは何よ?
ANAHDで闘った人の誰かに書いて欲しかった。当事者の苦悩や葛藤がまるでない。あわせて記者の文章もかなり読みにくい。章立てや、名前だけ無駄に登場したり、情報整理能力がおわってる。
わたし自身がANA大好き勢だが、この本はそこを加味しても応援できない。内容がいまいちな理由は著者がまだ若いからかもしれない。頑張れ。この本じゃあANA好きに説明できていないし、良さを表せてない。調査観点不足、文章の観点がバラバラ、もう少しまとめて、いろんな方面から感情を盛り込んで欲しかった
ANAはかなりすごかった。誰もが見ても不利な航空業界で、雇用を守ろうと新しい施策を次々に打ち立てていて目を見張る物があった。
Posted by ブクログ
「勝つのは強い者ではなく、変化できる者」ダーウィンの言葉のようですがとても印象に残りました。
この言葉を体現するように生き残りをかけ、痛みを伴う改革と可能な限りのチャレンジとをされてきたのだと思います。
去られた方も少なくないはずです。
ただ多くの社員の方は明るい未来を信じ会社の決定を受け入れてきたのだと思います。
数日前に黒字転換したANAは特別報奨金として社員に株を付与したというニュースを目にしました。
社員の方の頑張りが報われて良かった!そう思いました。