あらすじ
いま、「徳川家康」像が大きく揺れ動いている! 徳川家康といえば、武田信玄に三方原の戦いで完敗した際、自画像を描かせ、慢心したときの戒めにしたとされる。「顰(しかみ)像」として知られる絵だが、近年、それは後世の作り話との説が出されている。それだけでなく、家康に関する研究は急速に進み、通説が見直されるようになっているのだ。一例を挙げれば、家康の嫡男・松平信康が自害に追い込まれた事件は、織田信長の命令によるものとされてきた。しかし近年では、その事件の背景に、徳川家内部における家臣団の対立があったことが指摘されているのだ。本書はそうした最新の研究動向を交えつつ、桶狭間の戦い、長篠の戦い、伊賀越え、関東移封、関ヶ原合戦など、家康の人生における9つの危機を取り上げ、それらの実相に迫りつつ、家康がそれをいかに乗り越えたかを解説する。そこから浮かび上がる、意外かつ新たな家康像とは――。
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Posted by ブクログ
桶狭間の戦い
三河一向一揆
三方原の戦い
長篠の戦い
信康殺害
本能寺の変 伊賀越え
石川数正出奔
関東移封
関ヶ原合戦
を9つの危機として取り上げている。
まず、ざっと通説をおさらいし、さらに最新の研究に基づく見解を紹介、さらにそれに対する反論も紹介するという論理的網羅的に納得の構成・内容となっている。
谷口克広氏の活躍が衰えてきた昨今この著者の書籍をあさってみようかと思う。
Posted by ブクログ
徳川家康が、今川義元の人質になっていた時代から関ヶ原の戦いまでの9つの危機について、家康を中心とした事件を追い、その時に家康はどうやって危機を乗り越えていったかを詳細に説明した一冊。
こうやって読んでいくと、初めは今川義元が織田信長に討たれ、武田信玄が病死、織田信長が明智光秀の謀反で自害、豊臣秀吉も病死、大老前田利家も病死し、家康にとっての大敵・目の上のたんこぶが、自分が関わらずに死んでいったことによって、徐々に上の地位に上がっていったとも言えるのではないか? これは偶然か? それともそれまで我慢したことによって日の目を見ることができたのか?
家康の75年の生涯は非常に面白い。