あらすじ
私たちが住んでいるこの宇宙は、いったいどうやって生まれたのだろうか。宇宙が生まれるには、何らかの「エネルギー」が必要だったはずだ。本書では、「宇宙を産み出したエンジン」に焦点をあて、宇宙に存在するエンジンを徹底的に洗い出すことを目的としている。約138億年前に生まれ、膨張を続けながら今日に至っている「宇宙を動かしているエンジン」の正体は何か。天文学者が迫る。
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Posted by ブクログ
宇宙のエンジンについて、結論を述べるまでに順を追って説明されていてるため理解が深まった。
マクロの世界からミクロの世界まで、4つの力と量子論の関係について頭の中を整理することが出来た。
特に難しい数式等が出てくるわけでもなく、分かりやすい図解も入っているため、現在の宇宙論を知るにはとても良い本だと思う。
Posted by ブクログ
星はどうして輝くのか?
無から宇宙はどうしてできたのか?
宇宙が膨張し続けているのはなぜか?
真空エネルギーって
重力発電ってどういうこと
とにかく宇宙はわからないことだらけで、本を読んでもよくわからないのだが、この本は宇宙を動かしている4つの力についてその起源からその終わりまでを大胆に描いています。わからないことを分からない事を我々と同じ視点で書いてくれているのでとてもわかりやすい。
結局、量子トンネル効果とかいう小さな世界では現在の世界では起こり得ないことが起こるということなのだろうが、そんなこと言われても分からないのだ。
核融合反応ふぁって、100億度ないと怒らないはずが1000万度で起こるのは量子トンネル効果というのだが、それって核融合反応は1000万度で起こるってことじゃないの?なんて思ってしまう。
読んでも読んでも不思議が増える宇宙の話でした。
Posted by ブクログ
物理の総復習から宇宙の話へ
■学問のこころ
●あとがき 243
“いずれにしても、ダークエネルギーとダークマターは正体不明である。そのため、正確な予想はほとんど不可能である。「与えられた情報だけで、予想するしかない」ということだ。
しかし、これはこれで楽しい作業である。自由に考える楽しみ。それこそ、研究や勉強の醍醐味ではなかろうか。
■本筋 第10章 ダークな宇宙とその未来
ここが総まとめ。図を駆使して説明
タイトルの問い(宇宙をうごかしているもの)の回収にもなっている。
●宇宙を動かすコズミック・エンジンはたった3つ
232
1 アインシュタイン・エンジン
星の内部で発生する熱核融合。銀河の中で星が生まれた時から働き始める。宇宙の一番星は宇宙年齢が約2億歳のときに生まれている。
2 重力エンジン
主としてブラックホールを動力源として働く。銀河の中心領域でSMBH(超大質量ブラックホール)が生まれてから働き始める。(銀河の中で星が先かSMBHが先か、まだ決着はついていない)
3 真空エンジン
宇宙を膨張させる力。まだよく理解されていないが、仮にこう呼ぶ。ダークエネルギー
●既知の物質
(既知の物質は宇宙の全質量の5%しかない)
天体(=既知の物質)だけでみると、「真空エンジン」の代わりに「電磁気エンジン」が入る。
しかし
“宇宙全体におけるエネルギー総量としては無視しても構わない”レベル。
“AGN(活動銀河中心核?)のうち明るいジェット現象を示すものは数パーセントに満たない。”
また
“新星現象や超新星爆発は、独立して「爆発エンジン」としたいくらいだが、これらのエンジンが組み合わさって発生するもの”
→ゆえに、独立させない。
■トピック
●「量子色力学」の解説がわかりやすい。
p113あたり
色電荷 カラー・チャージ
電磁気力における電荷に対応
クォークの性質の一つとして、色が割り当てられている
“クォークは数学における群論では3次元の対称群として理解されるので、三次元を反映させるパラメータとして、光の三原色(赤、緑、青)が採用されている。
(椅子取りゲームみたいなもので、同時に同じ位置に存在できない?)