あらすじ
夏休み、お金がなくて暇を持て余している大学生達に風変わりなアルバイトが持ちかけられた。スポンサーは売れっ子心理コンサルタント。彼は「純粋な悪」を研究課題にしており、アルバイトは実験の協力だという。集まった大学生達のスマホには、自分達とはなんの関わりもなく幸せに暮らしている家族を破滅させるスイッチのアプリがインストールされる。スイッチ押しても押さなくても1ヵ月後に100万円が手に入り、押すメリットはない。「誰も押すわけがない」皆がそう思っていた。しかし……。
第63回メフィスト賞を受賞した思考実験ミステリが文庫化!
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Posted by ブクログ
思ってた話と全然違った。もっとスイッチのことに触れてくると思っていたけど、、、
行きすぎた思考や宗教って怖いなって思ってしまう作品でした。ひん曲がっている人が多かった気がします。犯人や真相は意外性があって面白かったですが、動機や真相がごちゃごちゃで狂っててなんだか怖かったです。特に園長先生‥
家族の子供たちが可哀想だと思った。そして、安楽も中々にやばい人物だった。
Posted by ブクログ
面白かった
読む前、読み始めてすぐは自分とは無関係な家族を破滅するボタンを手にした時の葛藤を巡る物語かと思っていたが、それが違うと気づいて、これはミステリーの流れだぞと分かってからもとても面白かった。ミステリーとしても人の心を扱う物語としても面白かった。読んでいるこちら側にもしっかりと情報が提示されるのもいいね。
新興宗教の話もなかなか興味深い。
スイッチというタイトルも、主題となっているアプリのスイッチの他にも小雪などが扱える自分の心を扱えるスイッチや柚子が犯行に至ってしまうスイッチなど誰の心にもあるスイッチもかけられているのかな。
「自分の価値をゴミ箱に放り投げることは、無意味に人を傷付けるのと同じくらいの悪行」
いい言葉でした。
レナによって救われる人はあの後も多くいそうだな〜。
あんな人にそばにいてほしいと思ったり…
Posted by ブクログ
押さずとも百万円の報酬が与えられるが、押せば無関係な幸福な家族が破滅してしまう——そんなスイッチを渡された主人公たちを描く物語。倫理と信仰、そして人間の本性を問う哲学的な要素が散りばめられている。この魅力的な設定を上手く活かしきれていなかった印象を受けた。とはいえ、テンポは良く個人的には読みやすかったです。
Posted by ブクログ
『「純粋な悪」というものが存在するのか』
という実験テーマが面白そうだったので読んでみたけど、割と早い段階でボタンが押されて、しかも押した理由を解明する段階に入るにつれて、「純粋な悪」というテーマから離れていってしまうので、そこが少し物足りなかった。
3分の2くらいスイッチを押した犯人を探す部分になってたけど、
伏線がしっかり張ってあって、回収されるのもかなり後半なので、そこは割と面白かった。
若干スピ要素があるのか、新興宗教やら二重人格やらの話が出てきて、主人公がちょっと変わった人だったな〜というかんじ。
あと香川さんと玲奈ちゃん、めっちゃ好き笑
Posted by ブクログ
面白かったけど、盛り上がりのピークはスイッチが押されて手紙が見つかって柚子さんが逮捕されたところまでかな
手紙を書いた人物にはどんな思いがあってどんな秘密があるのかワクワクしてたけど意外とあっさりだったなあ、宗教の極地が話の軸にもなってたけどすでに主人公が辿り着いてるのも話があっさりしてる気がした
Posted by ブクログ
私立大学に通う女子大生の箱川小雪は、友人らとあるアルバイトに参加することに。それは「押せば幸せな家族が破滅するスイッチ」を持って1ヶ月生活するというものだった。何もしなくても毎日1万円、一月後には100万円がもらえるというが…。
タイトルからスイッチを押すか押さないかという特殊な状況における人間関係を描いた話なのかと思っていたが違っていた。
スイッチを使うか使わないかが焦点なのかと思っていたが、序盤の二章の最後でスイッチが使われてしまう。ただし、スイッチを使った人間が誰かはわからず、小雪は押した人間を探すことになる。またスイッチが押されたことによって最悪の事態が起きてしまい、小雪は自身の過去とも向き合いながら、スイッチを押した犯人が誰なのかを探し求めていく。想像していたよりもドロドロしていなくてミステリーで面白かった。後味も悪くなかった。
Posted by ブクログ
スイッチを押すと、幸せなパン屋の家庭が崩壊する。押しても押さなくてもいい。
てっきりスイッチを押すのか押さないのかが焦点となるのかと思いきや、序盤でスイッチが押され、殺人事件が起こった。
悪意の実験は最悪の結末を迎えたが、物語は誰が押したのか、何故押したのかという点がフォーカスされていく。
何故押したのかについては、叙述トリックで騙され、なるほどなとなったが、一部現実感のない宗教の描写があり、あまり感情移入できなかったところが少し残念だった。
Posted by ブクログ
スイッチを押すとパン屋への融資が打ち切られ、その家族が路頭に迷うといった題目や主人公:小雪のスイッチを利用したSは誰なのか、パン屋の店主の過去がその題目に参加した関係者の何人かと関わっているなど展開は非常に飽きさせない展開であったと思う。
ただ、時々挟まれこのストーリの根幹にある宗教的な話に関してはやや興ざめしてしまった感は否めない。登場人物の色々な背景が語られ、それがストーリーに反映してくる繋がりもまずまず良かったのでその点が残念であった。
個人的には小雪も玲奈も大我も中々魅力的なキャラクターに感じたのでもう少しミステリーの部分に没頭できれば★★★★まで評価できたと感じた。