【感想・ネタバレ】練塀小路の悪党どものレビュー

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日本生粋のピカレスクロマン。

2022年12月15日

初読は30年程前に成ります。
丁度、同じ河内山を主題としたSF(?)小説『講談 碑夜十郎』半村良著を読んだばかりの時でした。
なにぶん学生で歌舞伎の「河内山」など縁も所縁も無かった年頃でしたので、「悪党だけれど、本物の悪党は容赦なく懲らしめる」と云う筋立てにスッカリ嵌まってしまい、同様に河内山を...続きを読む主題とした作品を探していて、見つけたのが本書でした。

半村良さんの作品の方が色々と独自の脚色をしていたので、基本となるストレートな物語が読みたかったので即買いして読みました。
まだまだ若かったので、多岐川恭先生の作品も初読で、粋で衒いの無い作風に酔いしれました。この作品が切っ掛けで歌舞伎に興味を持つように成り、河内山作品を愛読して北原亞以子先生にも出逢えたので、本当に想い出深い小説です。

連作短編集の様な味わいで、鯔背でカッコいいけど、仕事柄ちょっと影の有り、必ずしも幸せとは言えない男達の色気に、憧れを持って読了しました。
こうして電子書籍化されて、より多くの人に読んでいただける機会が増えて良かったですね。日本独特のピカレスクロマンを是非お楽しみください!

#切ない #ドキドキハラハラ #カッコいい

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