【感想・ネタバレ】人の心はどこまでわかるかのレビュー

あらすじ

心の問題集&回答集!――人間の心がいかにわからないかを骨身にしみてわかっている「心の専門家」である著者が、「人の心とは何か」という問いに心理療法の現場から答える。悩み、傷つく心を知ると、自分も他人も見えてくる!!

◎人間の心がいかにわからないかを骨身にしみてわかっている者が、「心の専門家」である、と私は思っている。そのわからないことをそのままに捨ておかず、つねにそれに立ち向かっていなくてはならないのはもちろんであるが。これに反して素人は「わかった」と単純に思いこみすぎる。というよりは、「わかった」気になることによって、心という怪物と対峙するのを避けるのだと言っていいだろう。この書物はもともと心理療法をいかにするかという問題意識から出てきたのであるが、心理療法に関係のない、心に関心のある一般の方々が読まれても、おもしろいものになっていると思う。治療者とクライエント(相談に来た人)の関係を、そのまま家族や職場の人間関係に移しかえることはできないが、それらを考える上でヒントになることが、相当にあるのではないかと思う。

●私がユング派の分析家になるまで
●普通の人になることが幸せか
●苦しみの処方箋
●「自分はダメじゃないか」が大切
●少年事件と家族の問題
●治ることの悲しさ、つらさもある
●中高年の自殺に打つ手
●たとえ「冷たい人」と思われても
●空虚感、無気力感への対処法
●定石どおりにことは運ばない

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Posted by ブクログ

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河合先生のご本は、どれもやさしい語り口なんですが、書いてあることは結構すごい。例えば、この本には、河合先生が50歳くらいの頃、心理療法がしんどくて「死んでしまいそうだった」という感想がさらっとでてきます。うっかりすると読み飛ばしそうですが、たぶんこれも淡々と事実を語っていて、本当に死にそうだったんだろうなあと腑に落ちました。臨床家かくあるべし。肝に銘じることにします。

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2012年01月24日

Posted by ブクログ

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不肖ながら臨床心理士を目指しています。
この本を呼んだら、本当に自分なんかが目指していいものか、もし仮に試験に受かったとしてもこんな責任のある仕事をやり遂げられるのか、自問自答してみました。答えは出なかったのですが、「これから勉強していく中でその適正を見つけよう」となんとも先送り的な結論に。

河合隼雄さんやその他の心理療法家と呼ばれる先生方の本を呼んだりお話を聞いたりしてみたい、と思える一冊でした。

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2012年01月11日

Posted by ブクログ

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河合さんがユング分析家になったのは、アメリカ留学で尊敬する2人の教授が「スイスの研究所に行ってユング分析家になれ」と言ったからだそう。偶然の必然てあるんだなぁ。「自分が治してやる」という気持ちでは臨床はできないそう。問題行動が治って「普通の人」になることで、本人は「さみしい気持ち」になったり、自殺したりしてしまうこともある。

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2011年09月18日

Posted by ブクログ

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病気が治ってしまうと寂しくなって死んでしまう人...なるほど。河合隼雄先生の発言は、説得力があります。

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2015年09月20日

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