あらすじ
病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。調査に赴いたまま戻らない助手を心配して教団の本拠地に乗り込んだ探偵・大塒は、次々と不審な死に遭遇する。奇蹟を信じる人々に、現実世界のロジックは通用するのか? 圧巻の解決編一五〇ページ! 特殊設定、多重解決推理の最前線!
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Posted by ブクログ
グロいのが得意な作家さんと聞いていたけど、グロくなくて安心。
奇跡を起こすという教祖のいる新興宗教の町に名探偵が潜入して、そこで起こる殺人事件のナゾに挑む物語。
犯人やトリックが提示されたかと思うと別の解決手段が示されたりして、多重構造のような感じ。
教祖や信者たちの人間像はあまり語られず、そのあたりもっと知りたい感もあるけれど、そこのボリュームを削いだおかげでスピーディーで読みやすい話になっていると感じた。
終盤の怒涛の展開にビックリ。タイトルである名探偵のいけにえの意味にもビックリ。読み終えて呆然。
名探偵は加害者にもなりうるという一節が印象的。
Posted by ブクログ
★4.0
めっちゃ面白かった。伏線の回収が見事…綺麗さっぱり全部拾ってた。集団幻影についてはあまりよく分からなかったけどそれ以外は最高でした。カルト集団が自分たちだけのコミュニティを築いているという怖さが面白い設定だと思ってたら、参考文献に教祖と同じ名前の人が出てる著書があって「まさかこれのモデルになった事件があるの…」と思ったらありました怖い。被害者の数もなんでこんな具体的なんだろうと思ったらモデルの事件から来ていて、なるほど感と同時に著者の書きたいことを垣間見れた気がした。
Posted by ブクログ
本文の最後でタイトルの意味が分かるようになっているのは中々良かった
少年Wと校長のレイ・モートンが犯人なのは良いとして
この二人が実は同一人物って言うのはちょっとおかしくないだろうか?
これは叙述トリックの体を取っているんだろうけど、この描き方だと二人の人物がいるように読者はとらえてしまうと思う
この辺りが釈然としなかったのが残念に思う
Posted by ブクログ
真相の可能性をすべて説明し、それをひとつひとつ潰していってくれる、ミステリー初心者が入りやすいミステリー。
最後はきれいにまとまっており、読後感もいい。
ストーリーは文句なく面白かったけど、辻褄が合わなかったり、心理描写が微妙なところは残念。
でもこれは登場人物たちの感情が薄いだけかもしれない。調査団の人たちは推理にしか興味がないし、主人公?(大塒)は自分とりり子にしか興味がない。親友が目の前で撃ち殺されているのに、ちょっと怒っただけでケロッとしてしまう大塒には感情移入できなかった。
何度読んでも理解できないことがある。
P217の「男は言った」の前後にあるセリフがどっちも男のものとは思えない。
男が「校長だ」と名乗っていることから、男が校長で、子どもが生徒だということが分かる。とすると、あのセリフはどちらも男のものではなくなるはずだが……?
もし男が校長ではなく他の教師だとしたら、自分を校長だと誤認させるようなことを信仰者に言ったことになり、これもまた不自然。
「変わった呼ばれかたをする」の返事が「捻りのない呼びかた」であるというのも疑問だし、もし「変わった」が最初のセリフに対しての言葉だとすると、男のセリフは2番目ということになり、それもまたおかしい。
叙述というにはあまりにも分かりにくすぎると思うのだが?
Posted by ブクログ
いや、!王道のミステリーですなぁ。
序盤のワクワク感、事件発生のドキドキ感、調査推理編のモヤモヤ感、解決編でのどんでん返し、後日譚での...
途中ダレることなく、続きが気になるばかりで、サクサク読めてしまいました。
少し、推理が強引なところがありましたが、それも良き。
参考文献にあるように、実際にあった出来事(人民寺院)のようですね。※この物語自体はフィクション
本格ミステリ大賞受賞しただけあります。
おすすめします。