感情タグBEST3
Posted by ブクログ
1989年に書かれていたとは思えないくらい、現在のグローバル化の状況を予言しています。世界がグローバル化するにつれ、供給者と消費者の情報格差がなくなり、顧客のニーズにいかに答えられるかというのが企業の存在意義になると予言されています。世界はその通りに進んでいると感じます。
印象に残った点は、グローバルに展開する会社は、グローバルに価値観を共有していく必要があるという点。しかし、それは、世界一律に同じ価値提供をすることにはあらず。各国で状況は違うので、世界一律の価値提供を行うことは顧客ニーズを無視していることになります。それは価値観の共有にあらず。大切なことは、根底に同じ価値観を共有している人材で構成されているグループが、その価値観に基づき、各国の顧客ニーズに合わせた価値提供を行うこと。ただの足し算ではないM&Aのシナジー効果はそこにある。
Posted by ブクログ
久しぶりに読みたくなりました。普遍的なことを論じるには英語はよい言語なのでしょう。1990年というコンテクストを20年振りに経験することも今を考えるうえで役立つと思ったりします。
Posted by ブクログ
30年以上前に書かれた本で、インターネット本格化前の世界が遠い時代でスマートフォンなど存在せず、日本にまだ"Japan as No.1"の威光があった時代。ILE圏と欧米日のトライアドはその後の世界をまさに予見している。
現在と市場環境は全く違うのにその主張には古さを感じないどころか輝きを感じる。それは市場や消費者に答えを求め徹底的に考え抜き本質を突いた指摘かつ提言ゆえであろう。加えて、数字がほぼないのに例え話と主張でここまで説得力がある大前節の凄さ。「第9章 ウソ八百の統計数字」「第11章 ボーダレス世界における政府の役割」「第12章 地道な努力」の分析力と迫力は素晴らしい。「アメリカにはドラッガーとポーター、日本には大前がいる」と評された切れ切れの論法を楽しめる。ポーターの戦略論にダメ出しをして受け入れられるのは稀有な人物であろう。グローバル&ワンワールドから一周してロシアや中国を代表とした新権威主義が復権しつつある今だからこそ立ち返りたい視点だ。