あらすじ
社会科学とは社会について研究する学問であり、政治学、経済学、社会学、人類学、国際関係論などが含まれる。その古典を読み返したところで、当時とは時代が違うのだから役に立つことはないと思われるかもしれない。ところが驚くべきことに、現代を理解するためにはこれらの古典の知見について知る必要があり、さらに言えば現代で起こる様々な失敗は、古典の知恵を知らないために起こったものが多い。組織が官僚化することによる停滞、「抜本的な改革」に潜む罠、株式市場を活性化させることの危険性……。「教養にして実用」である社会科学の知見を明快に解説。 【本書で取り上げる社会科学の古典】●マックス・ウェーバー「官僚制的支配の本質、諸前提および展開」 ●エドマンド・バーク『フランス革命の省察』 ●アレクシス・ド・トクヴィル『アメリカの民主政治』 ●カール・ポランニー『大転換』 ●エミール・デュルケーム『自殺論』 ●E・H・カー『危機の二十年』 ●ニコロ・マキアヴェッリ『ディスコルシ』 ●J・M・ケインズ『雇用・利子および貨幣の一般理論』
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Posted by ブクログ
マックスウェーバーによる官僚制の分析
没主観性=形式的な公平性、計算可能性、
官僚制の逆機能=効率性と合理性を追求する官僚制が非効率性と非合理性を招く。縦割り行政もそのひとつ。
数値化、マニュアル化は官僚制の特徴。コンサルタントの手法。=『マクドナルド化する社会』『官僚の反逆』
数値化は、本来の業務でないことに多大な労力をかけることになる。
イノベーションと数値による評価、成果主義は矛盾するもの。
大学改革も数値化の弊害が現れている。『オックスフォードからの警鐘ーグローバル化時代の大学論』
論文数による測定。誰も読まない論文が山のようにできる。インパクトファクターでは、引用し合うという現象がおきた。『測りすぎーなぜパフォーマンス評価は失敗するのか』
保守とは
エドマンドバークは抜本的な改革には反対した。理性は不完全だから。フランス革命、ロシア革命、文化大革命など失敗した。日本の構造改革も同じ。人間は複雑で、新体制が正しいというのは幻想。
社会の複雑さ、人間の微妙さに耐えられない人たちが抜本的改革をしたくなる。
前例踏襲は無気力な態度ではない。前例のないことを試すのは気楽。改革は少しずつ改善を積み重ねること。大いなる知恵が必要。『フランス革命の省察』
『想定外ーなぜ物事は思わぬところでうまくいくのか』アメリカの公園の山火事のコントロールについて=直接的なアプローチではなく、回り道のアプローチ。少しずつ学ぶ。計画された都市ブラジリアやキャンベラとパリの無計画さゆえに面白い都市、との違い。
インクリメンタリズム=少しずつ変化させる、ほうが早い。
民主政治の怖さ
『アメリカの民主政治』多数派が形成する世論の危険性=多数者の専制。政治は数だが、自由には反する。炎上も多数者の専制。アメリカ社会では同調圧力は高い。民主政治である証拠。日本も同調圧力の高まりはその証拠。そのたびに自由が損なわれる。
p81