あらすじ
「農家」の8割が売上500万円以下という残念な事実/赤字農業をなぜ続けるのか/農地転用という農家の「不都合な真実」/消費者が鮮度の落ちる野菜を食べさせられている理由――第一線の農業者である著者が、農業にまつわる古い「常識」を一刀両断。忖度なしの具体的でロジカルな提言で、読者の認識をアップデートし、農業の本当の知的興奮へといざなう。大淘汰時代の小さくて強い農業とは?
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
言語化しにくいところの言語化が素晴らしい。熱い内容なのにカラッとした文体で気持ちがいい。徹底的に誤読しないように注意深く書かれているので、食や農業に興味のある人は一読をお勧めする。
著者のロマンと生きて行くための身も蓋もない現実世界とのバランスがとても良い。
Posted by ブクログ
農業の事が書いてありますが、読後感としてはビジネス書、自己啓発書です。文章が長いところはありますが、本音で表現しているのと、それを正確に伝えようと丁寧なのだということがよく伝わってきます。私はそう受け取りました。それにしても、鋭く含蓄のある言葉が頻出でした。農業という事業を営み組織を運営している経営者なので、要は業界の名物経営者が、自伝というほど老け込むのではなく、より前向きに業界と事業と経営を語っているという本ですね。すごく良かった。
Posted by ブクログ
2015年に『キレイゴトぬきの農業論』を読み、衝撃を受けた。そして2022年に本書に出会い、更なる刺激を受けることに。農家も、農地も減っていいと言う第1章で語られた主張は、非農家から農業に参入した著者ならではの視座に立ったものだ。有機農業を実践する著者だが、慣行農業との違いを、iPhoneかandroidのどちらを好むかに喩え、両者を対立軸に置くことを否定する論旨は明快だ。ただ、ここまで農業を続けてきた著者の、人知れないストレスも相当なものだったのだな~
Posted by ブクログ
お、面白い、星5つ。
・・・農業従事者執筆プレミアム、も、もちろんあるけど(すみません)、プレミアムなしでも、純粋に農業を論じた本、真摯に自分の仕事と業界に向き合い考えを練り上げて言葉にした本、として面白い
(P261:著者は世間の農業参入者に対する評価には「若さプレミアム」「エリート街道捨てたプレミアム」という下駄があると考えています。)
2章まで読んで、著者の販売する野菜を食べてみたい、と思いました。
ネットで久松農園を探し当てたところ、そのサイトでメガネをかけてにっこり笑うオーナーに、また、びっくり。
この本の表紙の、熊手担いで睨みの効いたおっちゃんと、えらい違うやん(笑)
そういうところも含めて、面白い。
Posted by ブクログ
久松さんの挑発的なタイトルに表紙。
100%同意というわけではないけれど、んんんと思わされる。
自分はどう進めるべきか、何度か読み直して考えようと思う。
Posted by ブクログ
刺激的なタイトルではあるが、自身農園を運営される中で農に対する考えを記した一冊。今の農における課題やあふべきふがたが展開される。読み進めるうちに興味深く感じたのは、書かれている内容が決して農だけに当てはまることばかりではないこと。これはビジネス書としても成立しているような印象を受ける。後半になるとよりその印象を強く受けるようになり、仕事に対する取り組み姿勢や、マネジメント論にもに通じるエッセンスが入っているように感じられた。あれ⁈これってつまるところアート思考のアプローチだよな、と思わされる一節などもあり、信じるものや想いが自身の野菜づくりや農園運営に表れている。冷静に俯瞰して事態の理解と打ち手を考える中で、ぶれない自分軸をもって動かれているのだなと感じさせられる。
農のことも理解が深まったが、それ以上に得たものがあった、いい意味で期待を裏切られた一冊。
Posted by ブクログ
漠然と農業に興味があった。
もし何かの巡り合わせがあったらやってみたいけど、自分から進んで農家を職業としてやるまでのチャレンジ精神もなければ、知識もスキルも経営戦略もないしなぁと思ってたけど、
やっぱり軽い気持ちで手を出す職業ではないと思った(笑)
バイトで経験してみたり、趣味で家庭菜園レベルが私の理想かなぁ。
採れたての、畑の野菜を経験してみたいなぁ。
大量生産、スーパーで売られるような規格に合った野菜としか接してないからなぁ…
ものづくりに対しては強い憧れがあって、
そういうロマンは農家にも詰まってるなぁと思った。
自分が美味しい、美しいと思うものを作って、その良さが分かる人に売る。
自分が仕事に求めるものはこれだ!と思った。それは農家じゃなくても。
でも残念ながら、そこまで思い入れられる何かがないから、もやもやうだうだしてるんやけど。
大規模で売れるやり方より、
小規模に狙いを定めてっていうやり方のほうが私好みで、
そういう考え方のヒントは農家に限らず得られたかな。
農家の8割がプロではない、という現実。
なんか腑に落ちた、というか納得感。
家業をなんとなく継ぐとか、都会での競争社会からの逃げとか、そんなのらりくらりじゃやっぱり稼げんよねー。
道楽ではなく職業として発展させるには、やっぱり苦労も試行錯誤も必要やし、当事者の意識改革と世間の偏った見方を正すことも必要なのね。
新規参入が甘くないと思ってたのは正解で、
事業計画ちゃんと練らんと、
始めることはできても続けることは難しそうやと感じた。
でも軽い気持ちで足を突っ込む人も多くいるんやろうなぁとも感じた。
人口が減ってくこれからの未来、
やっぱり個として何ができるのかをしっかりと考えていかないとなぁ。
農家の世界もしっかりとした競争の中で、より良いものづくりが、より良いマーケットが出来ていきますように。
Posted by ブクログ
実家が兼業で米農家をしています。
相続やらで、そろそろいろんなことを考えないといけないお年頃です。
何も知らないので農家事情を知りたくて関連書籍を探って手にした一冊。かなり特殊な部分もありそうですが他の本と合わせながら見ていくのが良さそうですね。
しかし、農家のさらなる二極化が進みそう。
そして、既存コミュニティにいる限りは抜け出せないんだろうなぁ。。。
Posted by ブクログ
やや挑発的だが、主張に矛盾がなく視野も広い。
農業者を批判する、という日本では許されないことができるのは農業者だけだが、他の人は誰もしない。勇気と自信があるのだろう。
小さくて強い農業の素晴らしさを説きながら、それができるのは大きいプレイヤーがいてくれるから、という視点も忘れない。
これからもどんどん発言していって欲しい。
Posted by ブクログ
内容が勉強になるのはもちろんだが、久松さんの文章・表現が相変わらず面白いなというのが読みながらの感想。
内容としては、第一章、第六章、第七章が特に勉強になった。第一章は「農家はもっと減っていい」の根拠となる数字が書き連ねられていて、全ての農政関係者と赤字兼業農家に読んでほしいと思った。本業収入や年金収入の注入なしでは成り立たない兼業農家モデルは、農業界全体の最適にはつながっていない(一番儲かってるのは機械メーカー?)と常々思っています。第六章も然り。
第七章は、自分が何となく感じている「オーガニック」への違和感がすっきり言語化されたように感じた。思想は人それぞれの自由たけど、これからもっと冷静にオーガニック思考の人々を見られる予感がする。
総じて読み応えありました。(半分くらいは久松農園の経営論みたいな話だったけどそれはそれで面白かったです。生き方って大事。)
Posted by ブクログ
農業の産業構造や課題について色んなインプットがあり勉強になった一冊でした。農業に限らず、自分の志向や状況に応じて戦略をどう組み立てるかという点についても学びがありました!
Posted by ブクログ
■ Before(本の選定理由)
なかなか刺激的なタイトル。JAの闇など暴いてくれるのだろうか。
■ 気づき
農業経営者が著者の本。成功されていて、自分なりの哲学を持っている。主張が甘え農業者は去れ!というのが、やや勿体無いように感じた。
■ Todo
補助金やJAの仕組みの弊害も大きいのだと思う。そうした、経営としての農業の課題・展望みたいなものをもっと教えてほしい。