あらすじ
40歳になっても係長止まりのバブル世代。二人目が産めない女性一般職。正社員になれない団塊ジュニア。ああ、なんでこの国はこんなに生きにくいんだろう……。閉塞感漂う日本経済、終身雇用を望む新人の割合が過去最高を記録した。しかし「終身雇用=安定」は真っ赤なウソ。35歳で昇給を止める動きがすでに加速、生涯賃金は十数年前とくらべ三割減。まさに飼い殺しなのだ。201X年、働くことに希望がもてる社会にするために、私たちがいまこそ心しておくべきこととは? 雇用問題のスペシャリストが示す最終解答。
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Posted by ブクログ
今までの著者の本では一番わかりやすい。
解決策は『雇用の流動化』が一番のポイント。
しかし、国民の多数の理解を得ることが難しい。
→政治家も怖くて言えない。国民の反感が怖い。
あと、諸外国のように職務給制度とする。同じ会社でも
職務別により賃金制度を変える。
今のまま、何の改革もなければ、何も変わらない。
全てを諸手をあげて賛成、とまではどうかと思うが、
著者のいいたいことは一理ある。
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日本型雇用制度の行き詰まりを明快なロジックで解説してくれている。
各階層の人間別に物語形式で例を示してくれるのも非常にわかりやすい。
年功序列制度がいかに行き詰まっており、雇用の流動性を高めることが、ごく一部の既得権益層を除いて、大多数の利益に繋がる可能性のある処方箋なのだということがわかった。
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この本のタイトルに騙されてはいけません。課長昇進を考える人向けではないからです。もっと、視差の高い所から見た良書です。
日本が今後迎えるであろう混沌とした停滞景気。世の中の裏の部分を垣間見ることが出来た。
成長が止まった社会にとってどのような転換が必要か?
だらだらとした社会人生活から抜け出し、自分の職に対して真摯に向き合わなければいけませんね。生き残るためにも。
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解決策は完全に見えているのに、この20年何も手を付けて来なかったこの国って一体なんだろね?
この本の最終章のような明るい未来は来るのかね?多分ダメなんだろうなあ…底が抜けてみないと気付かない民族だからねえ、日本人て。
今庶民にできることと言えば、選挙に行ってみんなの党に投票すること。マトリックスの中にいる人たちに現実を教えてあげること。その時の為に自己防衛をしておくこと、くらいかな。
Posted by ブクログ
面白い!主義、主張がストーリー仕立てで展開されており
入り込みやすい。
最終的に人材が流動化されるのっていつだろう。
職業・職種・その仕事に応じてお給料が決まるシステム、
より人々は必死に働くし、それで経済が下を向くことってないのかも
しれない。
もっと人が好き好きで生きれるような社会がいいと思う。
Posted by ブクログ
「考え」
サブタイトルがメインの内容。今まで終身雇用がどのように支えられ、現在どのような制度不良を抱えているのか整理。
これは、大学のうち(就活前)に読んでほしいようなほしくないような気持ちになった。というのも結論今のところ大企業の正社員になっておくことが安定であることを認めてしまっているからだ(終身雇用を批判する内容であるにも関わらず)。皮肉。。ゲーム理論でいう囚人のジレンマ的な状況。
ただ、いつまでも雇用調整を非正規労働者に押し付ける訳にはいかず、とはいえ安定を求めて入って自らも既得権益層になる大企業正社員に内部からの変革を求めるのは難しい。。この本も現状整理は非常に分かりやすいが解決策は見えない。
個人的に、既得権益を破るには①強力なトップダウン②外部環境変化による差し迫った危機意識しかないと考えている。
人材業界の歪みを中から変えられないのかな。
Posted by ブクログ
有能な人材が上に上がるわけではない、職業カーストが発生している日本。これは実感としてある。前職では、一応管理職候補として、採用された。子会社で私より年次が2つ上の先輩を見ていたが、私よりよっぽど優秀であった。社内でどう考えても私より有能なのに、私より上に出世するルートが用意されていない。不思議でたまらない。ただ、自分は上位側にいたわけで、危機感はないわけだが。
有能な人がその分の対価をもらえる合理的な日本にならないと、そのためには、年功序列ではなく、職能で対価をもらい流動的な雇用制度にならないと。日本は早めに、この決断を下さないと、先が暗く、より自殺者が増えるかもしれない。。。難しい問題である。
Posted by ブクログ
「正社員保護」「終身雇用」と「非正規雇用をなくす」は矛盾しているという内容。
なぜなら、非正規労働者が調整弁となっているから、正社員の保護ができるのだ。
Posted by ブクログ
元富士通の人事で、終身雇用とか世代格差についての本をよく書いている著者の最新作。
基本的には、「このまま日本的雇用(=終身雇用と調整弁としての非正規雇用)を続けるのではなく、職務給に移行すべき」という主張が分かりやすく書いてあります。
確かにその意見は正しいんだろうけど、今の日本って・・・と考えてしまいますね。
実際、既に職務上は仕事のない課長さんや部長さんがいる一方、ものすごく働いている若手もいるわけで。
職務を何と規定するかによっても違いますが、管理するフリだけでは、マネージャーとして失格なわけで。
そういう日本風土ではなかなか受け入れられないんだろうなあ・・・
Posted by ブクログ
雇用問題のスペシャリストによる終身雇用崩壊の黙示録
一言で「全ての大学生が読むべき1冊」と言ったところ
非正規、中高年、新卒、女性、大学院生(博士)
などの登場人物達を通して
城ワールドで辛い現実を散文的に伝える
読んでいて鬱になるが、希望を込めた最終章は
城さんの温かい人間身を感じる
Posted by ブクログ
日本が急激な少子化社会に突入している理由の一つに、企業の賃金制度が挙げられるだろう。
若者が割を食う社会なのにどうして子供が増えるはずがあろうか。いや、ない。
体質を一向に変えようとしない企業。政治家や官僚、大企業やマスコミを非難し、馬鹿にしつつ努力を怠る大衆。これに呆れた。
本書を読んで、新しい発見がいくつもあった。例えば、能力が平均以下だと思う人間にとっては終身雇用制はありがたい存在だということ、最賃を引き上げるのは一概に良いとは言えないことなどである。
今後を生きる上で参考にしたい。
Posted by ブクログ
購入:湖浜
タイトルが気になってつい購入してしまいました。
たとえ話のストーリーのおかげで、雇用と経済の問題がとてもわかりやすく理解できました。 今すぐ何か自分にできるかどうかは別として、考えるきっかけになった一冊。 面白かったです。
貸出:吉田 裕(2010.05.07)
日本の雇用問題の本質が見えてきます。終身雇用への幻想に誰しもが気づく一冊でしょう。。。がんばろ。
貸出:中山(2010.10.23)
昔、フリーターしてました。もし、フリーターのままだったら、と思うとゾッとします。社員として雇ってもらっているガモウ関西に感謝です。
貸出:石賀(2010.11.1)
日本の良さだと思っていたのに終身雇用。。。美容室の終身雇用を考えいましょうと言っている自分が怖い。
渕口(2011.12.30)
とりあえず今正社員として働けてる事に感謝です。政治の根本から見直さないといけないような気がします。
誠 2012.08
終身雇用が悪い訳ではなく、年功序列と既得権益がセットになってるから問題な訳で。弱者に厳しく、強者に甘い世の中であることは再認識しました。ゆゆしき問題です。
Posted by ブクログ
1.この本をひと言でまとめると
日本型雇用体系をつぶせ
⇒タイトルから想像する内容と違って日本の労働システム全体の問題を述べている
2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
・どこかで誰かが調整弁の役割(p38)
⇒実際、去年身を持って体験しました
・幹部候補選抜を過ぎてしまった40代以上は「もうどうにもならない」(p46)
⇒自分がそうならないように
・日本企業におけるキャリアパスは管理職としてものしか存在しない(p78)
⇒私の会社は管理職以外のキャリアパスは…たぶん人事は考えてない
・経営責任を社会人経験のない若者に押し付ける労使は骨の髄まで腐りきっている(p107)
⇒新人を取らない会社はいずれ落ちていく
・これはカースト制度のような身分制度である(p114)
⇒時代逆行、日本から人が逃げていくやばい状況
・規制で全てが解決するのだと考える人はあまりにも現実を無視しているのではないか(p122)
⇒企業の側の視点がかけている。
・春闘とはプロレス(p126)
⇒なるほど、納得!
・身分制度を変えるには身分制度に苦しむ人自身が正しい理解をもたなくてはならない(p214)
⇒若い人にこの本を読んでもらいたい
3.突っ込みどころ
・「消費税は弱者に振り向けるから上げても問題ない」は楽観すぎないか?
・テレビ局のスタンスが不明となっているが放送法の縛りがあるので仕方ないのでは?
・タイトルのつけ方は出版社の営業戦略的?
・よっぽど森永卓郎が嫌いなんですね。
Posted by ブクログ
タイトルはかなり刺激的ですが、内容的には、非正規雇用の固定化による格差社会について問題提起した一冊。同一業務同一賃金という結果から追い求めるのではなく、終身雇用を廃止し、雇用の流動化を実現することが、雇用における閉塞感を是正し、活気のある社会の実現につながるという指摘には納得。
これって、ずいぶん前から言われているけれど、既得優位を持つ中高年が、人口ピラミッド上でも社会的にも力を持つゆえに、なかなか変わらない。本書の最後にでてくる未来の社会図のように、一度パチンと日本が危機に陥らないと、変化できないのかもしれない。。
Posted by ブクログ
いろんな年齢のモデルケースを例としてうまく読ませるように書かれている。内容としては大体理解しているが、根本的な解決法はあまり提示されていないかな?
Posted by ブクログ
この系統の本の割に読み易くて面白かったです。たとえ話がパラレル世界(?)風味の小説風になっているのが読みやすいです。
まあ、某政党に関する記述は失敗してますが……
Posted by ブクログ
7割は課長になれない話と言うよりは、正規、非正規、雇用の問題の本。「若者はなぜ3年で辞めるのか」の次の次の続編。
今まで私も非正規労働者は自己努力が足りないと思っていたが、確かにそれだけでは問題は解決されない。
グローバル社会の中、企業に負担を押し付けるのも、それで企業力が小さくされ、外資に負けてしまう。「正規労働者・公務員を守らない」と言うのが、良策だと思う。成果により賃金の上げ下げや解雇をしやすくなる。あぐらをかいていた人達も頑張って働くようになる。公務員ももっと給料を上げる変わりに、優秀な人をとり、駄目なら辞めてもらうくらいの体勢にできないかな。と思う。
以下勉強になった点
・大学院を出ても企業がそこまでの知識を求めておらず、就職出来ない現状がある。
・現在は「基幹業務を正社員に、その他は非正規雇用へ」という切り分けがなされる。正社員は総合職、マネージャーの資質が求められるので、コミュニケーション能力が必要とされている。
・「能力給」でなく「年功序列」と言うのは平均以上の人間に敬遠され、平均以下の人間にウケがいい。これでは優秀な外国人や日本人には敬遠されてしまう。
・解決方法として、労働市場の完全な流動化である。
正社員に対する解雇規定、労働条件の不利益変更規制を緩和し、処遇の柔軟な見直しを可能にすること。
・仕事で完全燃焼できるのは能力とかスキルとは全く別の資質で、それ事態一つの強力な才能と言っていい。日本型の最大の強みはその才能がない人間までも、冷酷で画一的な企業戦士に仕立て上げられたことではないだろうか。そしてそれこそが、戦後日本を豊かな国に発展させた功労者にしたのではないか。
Posted by ブクログ
成果評価に対する記述で一山当てて、労働について一家言持ってる筆者が、現在の労働問題に関して記述した一冊。
筆者の言うとおり、上がつっかえてて7割は給料が上がらず課長にさえなれない、現状を雇用問題という観点から解決を提言してる。
確かに派遣社員が多いのは問題だし、雇用格差は埋めないと抜本的な経済対策にはなりえないという著者の意見には同意。
ただ、正社員を守れなくなると、現状の雇用制度は崩壊するわけで、難しいところ。
Posted by ブクログ
日本型雇用と整理解雇の4要件のために何が犠牲になっているのかについて
内容が既知であることをわかった上で読んだのだから☆3もどうかと、という感じだがまあまっとうなことが書いてあり意外感はない
その一方で多くの人に読んでほしいし世間的にこれが常識として流布されてほしい この本じゃなくて若者はなぜ3年でやめるのかの方が良いけど
Posted by ブクログ
【雇用】会社側が正社員と派遣社員をどう捉えているのかが分かりやすく説明されている。両者の関係を現代の身分制度と本書では表現しているが、雇用に関する法律から考えるとこれ以上適切な表現はないだろう。終身雇用を前提とした新卒採用の限界、年齢に応じた給与支給システムによる転職の壁などに興味がある人は一読をおすすめ。
Posted by ブクログ
日本型雇用がすでに破綻していることを、これでもかと示してくれます。そう言えば私の職場でも若い人が入らなくって、何年経っても新人みたいな雑用させられてるなぁ・・・
Posted by ブクログ
世代間格差、日本型終身雇用の弊害について指摘する。
問題は構造であると指摘する。
年功序列の職能給からポジションに見合った職務給にシフトすることで、正社員、派遣社員、契約社員などの契約上の壁をなくし、雇用の流動化を図ることが今後の日本経済を立て直す鍵になる。
春から社会人となるが、大学生2年生くらいで読んでおくべきだったと感じた。
Posted by ブクログ
日本の雇用環境について学べる本。
雇用の流動化の必要性を提言しているが、政府にその動きはなく、既得権へのメスが入らない事に憂慮している。
雇用とは、会社とは、キャリアとは、どういう形であるべきかを考えさせられる。
Posted by ブクログ
『若者はなぜ3年でや辞めるのか?』でおなじみの経営コンサルタント城繁幸氏の著書。
『若者はなぜ3年でや辞めるのか?』シリーズ3部作の完結編の位置づけになっている。
今回は、物語り風に平均的な日本の地方都市を舞台とした設定で、派遣社員、女性社員、若手社員、中堅社員の立場から見た、日本型雇用の現状(限界)を分析している。
書かれていることは、日常、自分の周りでも繰り広げられていることなので、リアリティがある。
普段でも閉塞感を感じているのに、この本を読むと更に閉塞感を感じてしまう。(笑)
まぁ現実をしっかり見るのは大切なことだが、悲観的になってもしかたない。
今自分にできる最善をつくしていくしかない。