あらすじ
人口増加や気候変動により、近年、世界的な食料不足が問題になっているが、ロシアのウクライナ侵攻で、事態は一気に深刻化した。穀物価格は高騰し、途上国では暴動も勃発している。そして、食料の多くを輸入に頼る日本でも、憂慮すべき事態が進行している。長きにわたる減反政策で米の生産が大きく減り続け、余剰も備蓄もない状態なのだ。軍事危機で海上交通路を破壊されたとき、国は国民にどうやって食料を供給するのか? 日本は有事において武力攻撃ではなく食料不足で壊滅する――。元農林水産省官僚による緊急警告。
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Posted by ブクログ
最初の下りがやや難しいと思いましたが、中身はそうでも無かったので、同じように思った人は、是非読み続けてほしい。
JA農協、農水省の職員、農林族議員の目線ではなく、国民に向けて書かれた本に感じた。
たくさん読書メモを使いました。
「食料供給は、国家安全保障の要だ」
「戦前、農林省の減反を葬ったのは、陸軍省だった。」
など、響く内容が載っていました。
Posted by ブクログ
食卓に並ぶパンや肉――その多くは海外からの恵みだ。輸入依存の危うさと迫り来る世界食糧危機を突きつける。気候変動や戦争が供給網を断てば日本はたちまち飢える。にもかかわらず行政とJAは真の食料安全保障よりも既得権益を守り農の現場と国民を見捨ててきた。自給率の数字遊びに酔い米を捨て農を壊す。いま必要なのは票ではなく命を守る政策である。
Posted by ブクログ
説得力がある。庶民としては一年分自家用じゃがいも分の農地を確保するのかなあ。住んでないと盗掘されて終わりか。米輸出は円安だといけるかも。
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章 食料とは何か?
第2章 貿易から見える世界の食料事情
第3章 真実をゆがめられた日本の農業
第4章 ”食料自給率”というまやかし
第5章 持続可能な日本の水田農業
第6章 食料危機を作る農政トライアングル
第7章 食料危機説の不都合な真実
第8章 日本が飢える~餓死者6000万人
<内容>
戦後の日本の農業のおかしさを、農林省にいた評論家が指摘した本。前半のデータを使っての分析、後半のJA批判と、なかなか面白い。「減反政策」の怪しさを感じていたクチなので、内容的にも腑に落ちた。第8章などはややオーバーな記述だが、ウクライナ紛争を見ていると、台湾海峡や尖閣、竹島問題、北朝鮮、そしてロシアと、日本もシ-レーンは安全ではないことが明確となっている。そうならば内容的にさほどオーバーではないか?
Posted by ブクログ
メモ中心として、残す。
農家も兼業の時代だ。地域間でのやり取りは希薄になり、就農する人も高齢者ばかりの動向。それなのに、日本政府は農家へ多大な補助を行っていると主著する。
私は30歳で農家に就く。
野菜の苗や種の価格、使用する農材や農機具、農薬や肥料の価格は3割増も当たり前の中、野菜の販売価格は上昇していない。
非常に苦しいのが現実であると、私は考えている。
そのような中で補助金等を減額していくとすれば、この本の主題である窮地での飢えは本当になくなるのか?疑問である。(農業をする戸数が減るのではないか?)
・農家は豊かになったか?
農家のステレオタイプである、「貧困で苦しい」状態でないと著者は気が済まないのだろうか。
農地が減っていると怒っているが、地主に対しての話であると感じた。
今は土地を買っても利益は少ない。だから、借りる。
農家が悪だと一食単に叩く姿勢が受け入れ難い。
資本主義社会だから厳しい目線がどことなくある。
ただし、米の話になれば賛成だ。
今の農業事業者も米の価格がおかしいのは薄々気付いて来ている。
減反政策を行うことで、有事の対策が行えないことは理解できた。
JA等が有償で動いている限り、厳しいのが現実であると思う。