あらすじ
取材で訪れたラトビアに、恋してしまいました。手作りの黒パンや採れたての苺が並ぶ素朴だけれど洗練された食卓、代々受け継がれる色鮮やかなミトン、森と湖に囲まれて暮らす人々の底抜けに明るい笑顔。キラキラ輝くラトビアという小さな国が教えてくれた、生きるために本当に大切なもの。新たな出会いと気づきの日々を綴った人気日記エッセイ。
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Posted by ブクログ
小川糸さんの日々をワンちゃんのゆりねと生活を始めたころからの毎日を綴ったエッセイというか日記というか、ありのままの糸さんの日々。
糸さんの文章は凄くやさしくて読んでいて気持ちがいい。
そしてその行動力や毎日起こる身の回りの事がすべてお話になる。
この本ではゆりねとの絆を深めていく一日一日やゆりねを置いて出かけた旅先でのことなどすべてが面白く楽しく美味しそう(^^;)
そして、読書をする時の気分転換になる一冊です。
追記
小川糸さんのこの本の中に書かれている石の意志という章に書かれている文章にドイツがどれだけ過去(第二次世界大戦)におかしたことを忘れない努力をしているかが書かれている。
以下引用
虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑に向かう。
この記念碑があるのは、ブランデンブルク門のすぐそば、つまり、多くの旅行者が訪れる観光地の一角。ドイツの国会議事堂からもすぐのところだ。
そこには、石棺を思わせるような形のコンクリートでできた立方体が2711基、縦横に整然と並んでおり、その間を自由に通ることができる。
石の塊を説明するものは何も書かれていない。
石の上に腰をかけておしゃべりをする人もいれば、犬を連れて歩く人もいる。子どもたちは、歓声を上げながら鬼ごっこやかくれんぼをして遊んでいる。
これらの強固な石は、巨大な隕石がそこを目がけて落ちてこない限りは、ずーっとず~――っとその場所にあり続けるのだ。
ということは、ホロコーストの記憶をずーっとずーーーっととどめておき、反省し続けるということ。
こんなものが国の一等地にあるのだから、忘れようにも忘れることなどできないだろう。
そう、ドイツ人は、忘れない努力を懸命にしている。
そのことが、本当に本当に偉いと思う。
学校でも、ホロコーストに関する授業をたっぷり受けるというし、自分たちが犯した罪から決して目をそらさない姿勢は、頑なだ。
それは見ていて痛々しく感じるほど。
でも、そうまでしなければ、簡単に忘れてしまうということを知っているのだろう。
ドイツは目をそむけずにやってきたから、今、世界に堂々と胸をはることができている。
そこから思うと、日本は、何週も、何十週も遅れているような気がした。
だって、たとえば国会の前に、自分たちが命をうばったアジアの人たちを追悼する記念碑が作れるだろうか。
そうやって、70年もの間、歴史から目をそむけてきたツケは、これから先どんどん大きくなって、ますます重くのしかかり、自分たちを苦しめるように思えてならなかった。
似たような過去の歴史がありながらも、70年で、ずいぶん違ってしまった日本とドイツ。
それはもしかすると、ドイツが石の文化であるのに対して、日本は木の文化だというのも、あるのかもしれない。
ドイツ、というかヨーロッパの人たちが百年も前のアパートに平気で住めるのは、それが石でできているから。
でも日本は、地震もあるし火事もあるから、家は、かりそめのものという意識が強い。
建物を残そうにも、木でできているから残せない。
建物が崩れれば、すぐに同じ場所に、また強い建物を建設する。前の建物がどんなだったかは、すぐに忘れてしまうのだ。
そうやってどんどん、水に流して生きてきた。
でも歴史に関しては、それではいけないと、ドイツにいると強く思う。
特に、負の歴史に関してはそうでなければ、また同じ過ちを繰り返してしまう。
Posted by ブクログ
ラトビアとの出会いが描かれている。
歴史的に虐げられてきた、ラトビアの人々への想いが溢れている。
伝統的な衣装や、踊り、歌。
ミトンなど、旅先での出会いって一生ものなのだろうな。
小川糸さんは、職業柄様々な地に赴いているけれど、そのせいかとても視野が広い考え方をされている。
精神科医の考え方には脱帽した。
この考え方を知って、私の人生が少し軽く、生きやすくなった気がする。
本を読むのっていいなあ。
Posted by ブクログ
糸さんのエッセイは2作目。先に読んだものに対しては思わなかったのだけど今作はうーんという感じ。
自分が理解できないものや自分とは反対の意見のものには否定的で批判的なことを言うのにその否定的な物事に対しても自分の目で見て体感したらあっさりと自分の意見を覆してしまう方なのかな?と…人は誰しも意見が変わることはあるだろうけどなんだかふわふわしてる印象を受けてしまいまい…他国の歴史について触れるなら日本の終戦記念や原爆投下についても触れてほしかったかな…とも(実際日記でその日にちにも書いてるのに全く触れられてなかったので…)
ラトビアの話はとても興味深く自分でももっと深掘りしたくなりました。