あらすじ
俺はずっとお前のものになりたかった。
偉大な魔法使いとして知られるウェルナーは、魔法実験の事故で亡くなってしまう。
弟子のステラは告げられなかった恋心を胸に遺産として譲り受けた庵へ向かうも、
なぜかそこには無邪気に「抱っこしろ」とねだる幼くなったウェルナーがいて!?
子供と大人の姿を行き来する師との暮らしが続く中、彼はステラを守って大けがを負ってしまい……。
ウェルナーを救うためにステラは『魔力と生命力』を受け渡そうと、彼の身体に触れ体温を重ね──。
囚われの魔法使い×面倒見のいい弟子、
愛と自由を渇望する前途多難のやり直しライフ!?
【目次】
プロローグ
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
第六章
第七章
第八章
第九章
第十章
エピローグ
あとがき
【関連ワード】
ライトノベル 恋愛 ファンタジー ソーニャ文庫
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Posted by ブクログ
何百年も生きる偉大な魔法使いとその末弟子
どこか人として欠陥を抱えているヒーローは、その強すぎる力故に外に出られない
唯一の望みは己が拾った娘と共に生きる事
そのために取った彼の行動は想像の斜め上で…
秘密を抱えるヒーローと予想外の展開にドキドキ
現実に起こるかも…
作家さん買いです。
いろんなお話を読みましたが、このお話はAI技術が発達している現代がいつか抱える問題を孕んでおる気がして、うおお、と声が出ました。
よくマンガで実はロボットですっていうのがありますが、これはそれらよりもよく練られていて、色々考えさせられるお話でした。
今はクローンとか禁じられているけど、いつか起きてもおかしくないですよね。
非常に興味深く読みました。
幸せって、なんだろうね…(菅原文太風に言ってみる)。
あと、5歳の師匠はただただかわいかったです。
イラストがきれいなのもよかったです。
思ってたより深く重い
パワー溢れまくる魔法使いが拗らせた話かと思って読み進めてましたが、どんどん深く重い展開になっていき、そーいやソーニャ文庫だったと納得しました。
ヒーローが何者でも何をしてもブレないヒロインの無償の愛が切ないし、ヒーローが初めて感じた愛もまた切ないものでした。
最後の描写がどれくらいの時を経てるのか分かりませんが、変わらない2人であり続けるんだろうなと思います。
(てか、変わってしまったら世界が滅びるな)
Posted by ブクログ
弟子に抱っこしてもらいたいがために死を偽装し、あまつさえ体を幼児化させてしまうとは筋金入りの変わり者だとややドン引きした開幕だったが、後半になって真相が分かってくると「ああ、ただのコメディではなかったのか」と腑に落ちるという。
常人では理解できない言動、自分を物扱いするところ、300年以上前のことも見てきたかのように語るところ、他にも色々。
伏線は多数あった。
そんな彼が初めて執着したのが、弟子のステラ。
彼のドン引きな幼児化、母になれ発言にもドン引くことなく、正しい苦言を呈しながらも変わらぬ愛情を注ぐ。
それは、彼が本来の姿を取り戻しても、彼の正体を知っても変わらなかった。
寧ろ彼に抱かれて、知らぬうちに色々されて、どんどん彼に都合のいい体へと変わっていく(文字通り)
こちらも予兆に伏線もあった。
丁寧な構成だったと思う。
師匠の体が大きくなったり小さくなったりと七変化する中、物語もファンタジーからSF的展開へと世界観が広がっていく。
そして、ステラがかつての弟子たちの手に渡ってからは、このレーベルらしく師匠は罪を犯してしまう。
実は最初から罪はあったとはいえ、今更殺戮を行うとは思わなかった。
当初抱いたイメージからは、師匠も物語も随分様変わりして驚かされた物語だった。
それでも変わらなかったのは、ステラの師匠に対する愛か。
師匠の秘密を知っても殺戮を知っても一緒に背負うと言えちゃうのだから。
彼女の愛は、本当に広い。