あらすじ
自由な世界を求め、壁を超えようとしたアドルフとアイザックの兄弟。湖に呑まれた二人は気がつくと〈地図にない国〉にいた。特別な力を顕したアドルフはやがて王に選ばれ、アイザックは超騎士に任命される。万物のエネルギーの源である神の骸は残り少ない。国の危機を救うため、アイザックは相棒のケヴァンと古代文明のオーパーツを求めて旅立つが……。大人気シリーズ、異世界サイド編初登場――「本編では悲しくも敵同士になってしまっているアイザックとケヴァンが仲良くコンビを組んで、さんざんケヴァンにどつかれているアイザックをお楽しみください」(著者)
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Posted by ブクログ
東ドイツで生活をしているアドルフとアイザックの兄弟は、自由な世界を求め、壁を越え、西ドイツに向かおうとした。
ところが、その道中、湖に飲み込まれてしまう。
気がつくと、彼らは<地図にない国(アースガルズ)>にいた。
アースガルズは、一度入ったら出ることができない国であり、「神の骸」をエネルギー源として、生活をしていた。ところが、神の骸が残り少なくなり、アースガルズは滅亡の危機に瀕していた。
自由を求めて旅立ったはずが、わけのわからない国に閉じ込められてしまった兄弟は絶望するが、やがて特別な力を顕したアドルフは王宮へと連れ去られてしまう。
そしてアイザックは、アースガルズにおいて唯一、外と行き来が可能である「超騎士」を目指す。
やがて、アドルフはクーデターにより王へと選ばれ、アイザックは超騎士に任命される。
超騎士に任命されたアイザックは、相棒のケヴァンと伴に古代文明のオーパーツを求めて旅立つが!?
という話でした。
シュバルツ・ヘルツシリーズ本編は、奏が主人公なんですが、こちらはアイザックの過去? のお話。
どうしてアイザックが超騎士に選ばれたのか、選ばれるまで何をしていたのか等その辺りが描かれています。
実はこれ、本編が発売される前に雑誌に載ってた、のかな?
知ってるのと、知らないのとではまた違う楽しみがあったような気がするので、こちらから先に読んでも問題ないかもしれません。
本編では、かなり奏視点に立ってしまうので、アイザックの優柔不断さにイライラしたりもしましたが、この話でアイザックが主人公になってもやっぱり優柔不断……というか、ピュアなんですよね。やさしすぎる。
だからこそ、ああいうことになってしまうんだと思うんですが……。
それにしても、アドルフとアイザックの兄弟の過去がつらすぎて、胸が痛かったです。
結局、世の中って「みんながいいように」はできないんだということを感じさせられました。
ちなみに1つ目のお話はそんな感じで、ちょっと重めのお話ですが、2つ目からは、アイザックとケヴァンの冒険の旅、という雰囲気になるので、かなり話のテンポとしては軽くなっているように感じました。書いてる内容自体はそんなに軽くはないんですが……