あらすじ
監視業務についている警察官の玖月。重犯罪容疑者の自宅に仕込んだ極小カメラで淡々と証拠を押さえる日々の中、十六番は久々に現れた無実の可能性が高い被疑者だった。プライベートを覗き続けて一ヵ月、自宅でも眼鏡を外さず仕事ばかりで、几帳面に水槽の魚の世話をする真面目な男が突然涙を流し、玖月は理由が気になる。ある日その十六番・戸明と街で遭遇し…? 近未来が舞台のミッドナイト・ランデヴー!!
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砂原先生好きなら好きな作品
暗い表紙に近未来という近付き難い題材。砂原先生の本を作家買いしてる私でも買うのを躊躇いました。あらすじ読んでも萌え要素ないし…。
でも蓋を開けてみたら、いつもの砂原作品でした。
どうしてこの売り方をした…。
カップリングは年下刑事×年上弁護士(被疑者)です。
受けは父の後始末のせいで仕事に忙殺されるボス弁で、可愛らしい素顔を眼鏡の鎧で隠して戦っている青年です。
攻めは黒髪に黒で統一した洋服、ミステリアスな雰囲気の感情が平坦な刑事1係のリーダーです。
最初は受けも攻めもどことなく闇がつきまとっている感じで、近未来の設定なんかも織り混ぜたストーリー展開からちょっとおもしろくないかな…と思ってしまいました。
でも受けと攻めが会瀬を重ね、攻めに感情の起伏が出てくると話におもしろみが出て、楽しめました。
しかも平坦だと思っていた攻めがちょっといじわるだったり意外と優しかったりリーダーシップがあったりと砂原先生の攻めには珍しいタイプだったのも新鮮でした。普通におもしろかったです。かっこいいですし!
二人が少しずつ寄り添って、相手のこと考えるところが良いなと思ったり。
要所要所、地文でおもしろい言い回しをしてるので、攻めの感情が平坦なときでも、くすっと笑えました。
他の1係の二人も良い味出していました。
砂原作品が好きな方は、作家買いして良い作品だと思います。
買い控えしてる方には読んで欲しくて、詳しく語ってしまいました…。ぜひ読んでみてください。
Posted by ブクログ
砂原先生の「夜」のお話。
いつも「白い」「爽やか」みたいなイメージで、先生の作品を読んでいたので、新鮮でした。良い意味で意外で、先生の新たな面を知れて、かつ内容もとてもよかったです。
警察官の玖月さんと、監視対象の戸明さんが、2人とも静かなせいか、物語も割と淡々と進みましたが、読んでいて、その淡々さが味わい深かったです。むしろ口数が少ない2人だからこそ、これまでの苦労とか努力が行間から伝わってきて、想像力を刺激されました。
ちなみに、先生、そろそろ一般小説書かれないですかねえ。私は、BLの先生方はもっと高く評価されるべきだと思っています。特に砂原先生の作品は、もっと色々な人に読んでもらいたいです。一般向けの作品を書かれることで、読者層が広がるきっかけになったらいいんじゃないかなと思ったりします。ま、先生が書きたいものを書いてくださったら、それがBLでも一般でも別にどっちでも嬉しいのですが。
次の作品もワクワクしながら、読ませていただきます。楽しい時間をありがとうございました。
監視している人物と恋に落ちる
あらすじ詳細では、あまりない設定でどんな展開になるか読めず興味が湧かなかったのですが、好きな作家さんなので購入。
あたりでした。
監視していたという負い目が切ない。
最高でした。
Posted by ブクログ
近未来が舞台。監視業務についている警察官の攻めが被疑者の受けを監視しているうちに知り合って惹かれてしまう話。
業務上仕方ないけど、小型カメラで想い人の私生活を覗き見するシチュエーションには背徳感があってどきどきしました。攻めの名前を呼びながら受けがひとりでいたしてる様子までばっちり見てしまって、罪悪感抱きつつも興奮する攻めの描写よかったです!このシーン書きたくてこの設定持ってきたんじゃないかな?って思うくらい熱量を感じました…!
誰にも執着しなかった攻めがだんだん人間らしい感情をもつようになって温かい気持ちになりました。アクアリウムの描写が鮮やかで夜の空気を感じて綺麗。
意外にけっこう……
濡れ場がしっかり細かく描写されてて驚きました。
登場人物や近未来の景色のスタイリッシュな感じや話の展開の面白さと対照的な気がして、慣れるには少し時間がかかりました。
話のまとまりとして、寒い中待っている戸明さんに玖月が駆けつけ、出会いからやり直そう!と余韻たっぷりに終わるのかと思いきや、違ったんですね。
警察官と弁護士さん、近未来の事件を絡めたシリーズものにしても面白いかもしれません。