【感想・ネタバレ】ポピーのためにできることのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・あらすじ
劇団の主催者マーティンには難病の孫娘ポピーがいた。
ポピーのための募金活動を開始したが、この活動がとある事件の幕開けとなる。
ある事件の関係者のメールや関係資料を読みつつ事件の概要やフーダニットを推理していく。
捜査資料、供述調書、メール、新聞記事などで構成されたミステリー。

・感想
700ページと中々ページ数があったけど面白くて3日で読んだ。
登場人物が多いし、みんな信用できないしでどう話が展開していくのかドキドキしながら読んだ。
犯人はわからなかったけど本当はいない人とか正体偽ってる人とかは大体わかった!
最後がホラーすぎて怖かった…。

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2024年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんとなく読み始めたら止まらなくなった
5時間で読み終わった。

アガサクリスティーの作品や、宮部みゆきの『理由』を読んだ時と同じ感覚で読み進めてとても面白かった。

舞台はイギリスの街でアマチュア劇団を主催する一家の孫娘ポピーが難病にかかったことから始まる。ポピーの病を治すために、一家が大規模な募金活動を始めることで、物語が動き出す。
メールや手紙の形をとってたくさんの登場人物の心理描写や状況が描かれていくのが面白い。誰が死ぬのか?中心人物は誰なのか?明かされないままどんどん話が進んでいく。
人が死ぬのがかなり後半になってからなのに、中弛みを感じる部分は少なかったのは途中に散りばめられた謎の人物からのイタズラメールや登場人物の裏の顔を知る第三者からの電話などが挟み込まれていたからかもしれない!

最後には、ネットを全く使わずこれまで他人のメールの中にしか出てこなかった劇団の看板女優ヘレンが代理ミュンヒハウゼン症候群であることが明かされた。話の流れとして納得はできるが、最後は急足で物語をたたんでいるようだった。ヘレンの過去やポピー自身の話をもっと読みたかった。
また、途中差し込まれていたティッシュ医師の弟の件は結局有罪で活動家と言いながら現地の助けを求めてきた女性や子どもを傷つけていたことが後半になってわかる。話のメインではないし、"人は言葉の裏に別の世界をもてる"ということを伝えるためのストーリーだったんだろう。個人的に、弟のダンがどうして酷いことに手を染めたのか?家族にはどう誤魔化していたのか?裁判はどのように行われたのか?をもっと読みたかった。

特に感情移入したのが劇団にも職場にも馴染めないイザベラ(イッシー)だった。彼女の秘密としてローレンという架空の友達に罪をなすりつけたり、話し相手としてメールを送っていたことが明らかになる。それはとても孤独なことで、彼女は被害者なばかりではなく相手にストーキングまがいのことをしたり嘘をつく面もある。弁護士がイッシーのことをサバイバーと言ったことが忘れられない。壁を乗り越える力をつけてきたサバイバーと、全てから逃げることで自分を改善せずに壁の抜け道を探して生きてきたサバイバーの違いは大きい。
集団に馴染めないことを解決するために話を聞いてくれる人に執着したり、頼まれてもいないことを周りに確認せずどんどん進めてさらに人が離れていく様子は見ていて辛い。最終的に彼女がスポットライトを浴びるために、また、その地域で権力をもつ一家に貸しをつくるために自白までするほど彼女は何者かになりたかったんだろうと思う。
保釈後のメールでは、次は自分を助けてくれた司法修習生に執着し始めている。
これは自分にも言えることだが、何においても不器用でやることなすこと批判されると、人が気まぐれに褒めてくれたことや優しくしてくれたことを自分の気持ちと関係なく人生の指針にしてしまう。それは自分が無いことでもある。イッシーはかつてどんな子供時代を送ったんだろう。彼女には他人に執着しない人生を送って欲しい。




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2023年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

“〈21世紀のアガサ・クリスティー〉・・だと・・?”
てな感じで、触れ込みに惹かれて手を出した本書。

イギリスのとある田舎町。地元の目有力者でアマチュア劇団も主宰するマーティン・ヘイワードから、彼の孫娘・ポピーが難病に罹ったことが告げられます。
高額な治療費を工面するために、劇団員たちが中心となって募金活動を開始しますが・・・。

いわゆる“地の文”がなく、関係者達がやりとりする、メールやメッセージ、チャットなどの“テキスト資料”のみで構成されています。
最初のうちは、多すぎる登場人物紹介のページを何度も見返しながら、“何を読まされているんだろう・・”と思っていましたが、ある程度関係性がつかめてくると、いつの間にか、やめられないとまらない“かっぱえびせんモード”でのめり込んでいました。
閉鎖的な町特有のヒエラルキーだったり、人によって言う事や態度が違うなど、メール等を読み込んでいくうちに、人間性や錯綜した利害関係が浮かび上がってくる様が見事で、こういうところが確かにクリスティー感あるかも、と思いました。
そうしてじわじわ不穏な雰囲気が続き、中盤を過ぎてからやっと(?)決定的な事件が起こるという展開です。
司法修習生による真相解明部分では、伏線確認の為に過去のメールを読み返しながら、一緒に謎解きをしている感覚も楽しかったです。
ただ犯人の意外性はそんなになかったかな。という印象です。
因みに、キャラではもうイッシーにつきる感じで、イッシーがイタい、ツラい・・そして、コワい!
ラストのメールには思わず戦慄しましたね・・・フェミ!逃げて!!

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2023年03月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現代版クリスティーとの触れ込み。
解説は攻略本の霜月さん、訳者はホロヴィッツ担当の山田蘭さんなので、出版社としてそれなりの気合いの入れよう。
そして「このミス2023」では3位、「本格ミステリベスト10」では1位を獲得。

とある町の市井を実質的に牛耳り、アマチュア劇団を主宰する一族の長マーチン。
孫娘のポピーが難病と診断されたことにより未認可薬品を投与するための義援金プロジェクトが始まる。
アフリカ帰りのサムはきな臭さをかぎとり、個人的な忠告や調査をするのだが、どうにも探られて欲しくない事情がありそうな。。。

いや、確かにすごい一冊。
一部SNSでの相互やり取りがあるが、ほとんどがメールや書簡でのぶつ切りなやり取り、ものによっては相手からの返信すら記されていない一方向的な情報発信で書かれた前衛的試み。

そんなこんななので200ページくらいまで誰が誰だか、どんな立場の人物なのか全然頭に入ってこず、辛かった。
慣れてくるとメールという形式がもたらす行間への想像を掻き立てられる感じや、各登場人物達のあっちにはこういうけどこっちには別のことを言うという二枚舌ぶりのあからさまさが癖になり読む手が止まらなくなる。

が、とにかく長い。
全約700ページ。
不穏な出来事は進行している様子は感じ取れるが、進めど進めど事件らしい事件は起きない。
なので焦れて途中であきらめてしまう人もいるんじゃないかなぁと思うのだが、待ってましたとばかりに終盤発生する事件と読者への挑戦状的様相。
一気に解決編(ネタばらし)に持っていくのではなく、弁護士とその実習生(!?)達との演習的なやり取りの中でヒントを少しづつ与えながら解きほぐしていく感じもありそうでない感じで、犯人当てが好きな人はたまらないんじゃないだろうか(自分は例によって立ち止まって考えることなしにどんどん解答を貪りにいきましたw)。

いろんな人がいろんな思惑を持っていて、実は過去にあんなことがあって人生が交錯していてっていうのは確かにクリスティー的。
それをこの形式で表現したところが新しい。

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2023年01月09日

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ネタバレ

全編通してメールやSNSなどの資料なのにクリスティってどういうことだろう?と思いながら読み進めていくと、なるほど…確かにクリスティ。
メールから浮かび上がる関係性や人間心理の描き方…というか捉え方?が見事で面白かった。
ただ、殺人事件が起こるまでが長い…まぁ構成的にそりゃそうなるよなとも思うけれども。あと登場人物が多い。数々のメールの裏の実際の出来事を推測しながら読むので結構疲れた。疲れるけど面白い。

色んな隠れた事情が垣間見えてくるんだけど…結局絡まりあって、もつれて…結果、人が死ぬっていうそれ自体がすごく…なんて言うか因果なもんだよなと。どれか一つでもピースが違ったら事件は起こらなかったのか?否か?
そういうことを考えてしまう構成だったな。

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2022年08月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

楽しめた。700ページ近い分厚さでも、だれずに読めた。リアルな動きではなく、メールやメッセージという現代的アイテムや供述書から読み解いていくというのが、目新しいかな。これらはすべて、自称であり本人の目線だけなわけで、ある意味では叙述物、かな。

ナンプレのような、パズルをはめ込んでいくような。
人物が多いので、何度も人物表を見て確認しないと(しても)混乱する。
よくこれを捌いて書いたな。

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2022年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

登場人物がSNS上でしか交流しないのが特徴
地の文がなく、口語体なので読みやすい

ここが良かった
・ヘレンの過去からのポピーの詐病に至るまでの流れ
・釈放されたイザベルのフェミへの新たな執着

ここはうーん、、、
・ローレン=イザベルはもう少し分かりにくくても良かった(ローレンのメールが分かりやすすぎた)
・登場人物の多さ
・クローディアのサムに対する逆ギレ(不倫したのはお前だろ)

このタイプの作品が好きな人は
真梨幸子『往復書簡』
藤崎翔『殺意の対談』
辺りがテイストが似ていて面白いのでおすすめ

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2023年08月14日

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