あらすじ
佐倉の腕は本物だった。乳癌は摘出され、乳房再建術によって新たな胸も得て、志津は無事職場復帰を遂げることができた。しかし佐倉に面会した夫と息子は、佐倉と志津の過去に疑念を抱き始める。一方志津は、佐倉に新たな思いを募らせる。だが術後四年目、志津の体に異変が起きる……。ベストセラー『孤高のメス』の著者が描く不滅の愛。
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孤高のメスは趣が違って、医療ものというよりは恋愛小説。上巻の後半は読み進めるのが億劫だったが、下巻は闘病生活をベースに話を進めていくで気怠く一本調子に進む展開に緊張感を持たせている。現実的かどうかというのは置いておくとしても、死にゆく家庭で何を考えるか、どう生きていくべきかということを自分も考えさせられる。
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前作「孤高のメス」の印象から、どうしても優秀な外科医を軸にし、医学界の暗部をリアルに織り交ぜた小説という感触が有ったが、本作はあくまで末期がんを患った女性の許されざる愛を中心に描いたヒューマンドラマであるといえる。以前のレビューでも書いたがそういう意味では今回の本のタイトルは大失敗だと思う。
前作では大学病院の腐敗部分を背景に臓器移植という先端医療を緻密に描写することで物語の世界観をリアルに作り出していた。 それ故に登場人物は否が応でも人間臭く、読み手は自然に嫌悪感を抱いたり、好意を抱いたりした。
本作品では乳がんという女性としての尊厳を奪う病気を中心に据えることで、医学的な側面が物語の基盤を支える一方、メインストーリーである不貞の愛、家族愛、親子愛の描写が際立ち、物語の完成度を高めているように感じた。
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下巻。志津の乳癌が再発し、ホスピスで死を迎える。天才外科医のメスさばきは登場しない。残された娘・三宝は真の父親を遺言の形で知らされ戸惑う。父・佐倉周平に会いに行く三宝。続きは次号、完結編。
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佐倉の腕は本物だった。乳がんは摘出され、乳房再建術によって新たな胸も得て、志津は無事職場復帰を遂げることが出来た。しかし、佐倉に面会した夫と息子は、佐倉と志津の過去に疑念を抱き始める。一方志津は、佐倉に新たな想いを抱き始める。だが、術後4年目、志津の体に異変が起きる。