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宮城県の公立病院に勤める看護婦・中条志津は、四十七歳の春、乳癌を宣告される。彼女が治療先に選んだのは、秋田の鄙びた炭鉱町が経営する小さな病院だった。執刀を依頼したのは、この病院に勤務する外科医・佐倉周平。かつて人妻の身ながら激しく愛した相手だった。二十年ぶりの再会を果たした二人は、運命の歯車が再び動き出すのを感じた。
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Posted by ブクログ
「孤高のメス」の著者の新しい作品と聞き手に取った。 本のタイトルは出版社が考えたものなのかもしれないが、今回のタイトルに「メス」が付いているのは少々興ざめ。 前著「孤高のメス」はタイトルから想像される内容と、実際の内容が相乗効果となっていたため、しっくりきていた。 しかし、今回のタイトルは前作に便乗...続きを読むした感をぬぐえない。 ただし、「緋色の」という部分はさりげなく伏線が張ってあってよい。 主人公は公立病院に勤める47歳のベテラン看護師 中条志津。 乳がんを宣告された志津が執刀を依頼した医師は20年以上前に不倫の関係にあった佐倉修平。 渡辺淳一ばりの設定であるが、病院、医師、乳がんの描写が物語にリアリティを与え、その背景をベースに罪深き恋物語が展開されている。 上巻では急激な展開もなく、どの様なエンディングを迎えるのかはまだ想像できない。 下巻でどの様な展開を迎えるのか、楽しみではある。
感想 孤高のメスシリーズが好きで読んでみた。時代背景がいつか分からないけど、若者の男女の会話がちょっと古臭く感じた。 それに純粋に医療系の話じゃなくて不倫もの!?ちょっと期待していたのとは違った。けれども、乳癌の部分はしっかり書いてあった。 あらすじ 看護師として勤める志津は、昔同僚だった佐倉...続きを読むに診断してもらい乳癌であることを確信する。志津には夫と一男一女があり、娘は今年、看護大学に入学する。娘は家族の誰にも似ていないことから、志津と佐倉の子ではないかという匂わせがある。 娘の三宝は大学の看護学科へ入学した。佐倉は家庭が上手くいっておらず、出来の悪い息子を毛嫌いし、家にも近づかない。志津は、半ば強引に手術を佐倉の元で受けるために、仙台から秋田へ向かう。 志津は穏やかな夫と子供も手を離れて充実しているように見えるが物足りなさも感じている。早々に秋田に入院することを決める。 病院に入院し、手術も無事に終わり、退院する段階になって初めて佐倉と娘の三宝が顔を合わせることに志津は不安を感じるのだった。
大鐘稔彦氏と言えば外科医・当麻鉄彦の『孤高のメス』は良かった。本作にも外科医が登場するが、医療モノと言うより恋愛モノ、いや恋愛よりもドロドロした愛憎劇である。渡辺淳一氏の作品のよう。緋色とはわが国では高貴な色だが、英国では不貞を働いた罰で服につけられるAの文字が緋色なのだそうだ。
宮城県の公立病院に勤める看護師・中条志津は、47歳の春、乳がんの宣告を受ける。彼女が治療先に選んだのは、秋田の鄙びた炭鉱町が経営する小さな病院だった。執刀を依頼したのは、この病院に勤務する外科医・佐倉周平。かつての人妻の身ながら激しく愛した相手だった。20年ぶりの再会を果たした二人は、運命の歯車が再...続きを読むび動き出すのを感じた。
孤高のメスを期待して読むとちょっと裏切られるかも。医療小説というよりは、いわゆる医師と前の病院で働いていた看護師の恋愛小説。
仙台の公立病院に勤める看護婦が乳ガンになって、その手術を、家族の反対を押し切って、秋田の鄙びた炭鉱町が経営する小さな病院に依頼する。そこで勤務する天才外科医は、20年前の不義の恋人だった。。。 乳ガン手術では通常、乳房をごっそりえぐり取ってしまうが、本書で実施されるのは、除去と同時に背中の広背筋皮...続きを読む弁を移植して、胸のふくらみを失わない手術。 前作「孤高のメス」の印象が強く残っていたので、こういう患者さんの為の新しい手術法がテーマなのかなぁ、という思い込みもありましたけど、どうも違うようです。 オビには、不滅の愛を描いた書であるかの売り文句で、巻末に、2002年に刊行された時点のタイトルは、「わが愛はやまず 罪なき者、石をもて・・・」であったとありました。が、、、本上巻だけの印象ですが、これまた、どうにもしっくり来ません。 物語の舞台になる仙台と秋田ですが、文中、仙台から見ると秋田はずいぶん僻地ということになるんだそうですが、こちら(東海地方)から見ると、どちらも同じようなものでしかありません。これも僻地というか、地方間の格差問題なんでしょうか。。。 それにしても、つい最近(1週間前)、十和田湖へ立ち寄ったばかりなので、そのあたりの情況描写が目に浮かぶようで、、、得した感はありました。 (2008/6/19)
時代設定がやや昔なので、全てが今と同じというわけではないだろうが、根本的な医療は何十年も前から同じなんだろうなと思わせる。
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