あらすじ
恩師・羽島から自らの癌手術に立ち合って欲しいとの依頼を受け、久しぶりの日本で手術に臨んだ当麻。かつてのライバルとのわだかまりも消え、心地よい一献を傾ける。一方古巣の甦生記念病院では、盲腸の手術中に起こった麻酔事故で患者が脳死状態に陥ってしまう。患者の弁護士と外科医長・荒井は激しく対立、ついに訴訟問題に発展してゆく―。
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Posted by ブクログ
今回は当麻先生が恩師羽島先生のPTオペの前立を担当したり、台湾の王さんの病状の悪化、甦生記念病院の島田院長のアルツハイマーの疑い、そして当麻先生の父も…
当麻の周囲の人たちの病状が悪化しつつある中、台湾での当麻・矢野先生の立場も怪しくなり、その裏では徳武の姿が。
今回も当麻先生の人柄、外科医としての技量ともに本当に当麻ファンにはたまらない魅力で描かれていてあっという間に読めてしまいました。
次巻で終わりと思うと寂しいです。
Posted by ブクログ
古巣の病院で盲腸の手術中に起こった麻酔事故で患者が脳死、ついには訴訟問題に発展。院長はアルツイマーと、転落の一直線。とうとう身売り。。。ということなんでしょうか。
それにしても、「一時間そこそこの麻酔で4万円弱の手当てが入る。それに当直料3万円で計7万近くを一晩で稼げる。」(本文より引用)というのがお医者さんの収入水準のようです。お医者さんの質というか品格のようなものが、本書で登場するキャラクターのように、ここまで善悪の区別がはっきりするのなら、保険点数の一律何点でなく、もうちょっと格差のつけようを考えてもらいたいものですが、現実世界では、良い医者と悪い医者、そうは簡単でないんでしょうね。
(2010/1/21)
Posted by ブクログ
当麻鉄彦シリーズ第九弾。恩師・羽島の手術の助手を務めたり、翔子とファーストキスをしたり、充実の当麻。しかし徳竹の嫌がらせを受ける。一方で甦生記念病院は経営難に加え、医療事故を起こしてしまう。手術室看護師・中村浪子も退職届けを出した。
Posted by ブクログ
映画化もされた前作の続編。
こちらはマンガのシナリオを書き起こしたわけではなく当初から小説として書かれているんどえ前作よりは違和感が少な読み物として楽しめる。著者の過去の恨みつらみも含めて、医療界に横たわる問題を交えながらのまとめであるが、いずれにしてもストーリーはご都合主義でしかないのが残念。今時40の男が結婚するまで童貞っていうのも信じられないし、時代錯誤感甚だしいというか(笑)
とはいえ事実に基づいていると思えばそれなりに楽しめると思います。
Posted by ブクログ
医者をどうやって選ぶべきか?
著者の実体験を基に書かれたフィクションで、一部実名で記載という前書きからも、この本の内容が現実に起きている医療現場の様子をかなりの部分再現していると想像できるが、普段何気なく掛かっている医者の腕前にも大きな差があるということは、あまり気にしたことが無い。また個人個人のモラルの問題も診療という行為に現れてくるということが良く分った。怖いことである。
優秀な外科であっても専門外の分野では、他人に任せなければならない。それが自分の肉親であり、しかも自分が分野こそ違え優秀であったなら。任せた医者が信頼に足りない人であったなら。それでもミスではないかという疑念を抑えることが本当にできるのだろうか?
当麻鉄彦の母親の手術後の経過からは、脳外科手術に及んだ執刀医の能力不足を非難する気持ちは無いのだろうか?
病気をするのが怖いと思わせる。たかが痔疾患一つでも、外科医の腕や技術しだいで後々に遺恨を残すことがあるなんて。