あらすじ
あなたはテレビに殺される。運よく命まで奪われなくとも、見れば見るほど心身の健康と知性が損なわれること間違いなし。「『命を大切に』報道が医療を潰す」「元ヤンキーに教育を語らせる愚」「自殺報道が自殺をつくる」――。精神科医として、教育関係者として、父親としての視点から、テレビが与える甚大な損害について縦横に考察。蔓延する「テレビ的思考」を精神分析してみれば、すべての元凶が見えてきた!
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Posted by ブクログ
テレビの社会的影響は、おおきい。昨今の混沌とした政治状況では、テレビが選挙を周すると言ってもいいほど。そんなテレビが我々にどういう影響を与えてきたのか?筆者は検証する。
医療過誤を非難するあまり、医者がおちおち仕事できない環境を作ってしまっていないか?元ヤンキーの教師を礼賛するあまり、勉強にいそしむことを無駄なことのように思わせていないか?キー局中心のテレビには、地方の生活目線があるのか?
数年前に書かれたこの論説の事象はさらに深く業界に根を下ろし、いよいよテレビ離れを加速化するように見える。報道面、番組の編成面、社会的な影響を考える面、あらゆる面から、業界自身が変わってゆくべきことを検討してほしい。
Posted by ブクログ
テレビというメディアが日本の国民を総白痴化している。
テレビが放送していることは日本の全てではなく、本当にまれな(特別な)ごく一部を全てのように放送している。それを見て、国民はほとんどそれが日本の(世界の)常識であり、あたりまえの事だと思い込む。
認可事業であるテレビ局が、自分たちの思い通りの番組を作って垂れ流している今の状況はまともな状況なのだろうか?
メタボも、ダイエットも、老人医療もテレビが作った当たり前と、それによって生じた結果が正反対なことも多々ある。
テレビやメディアを見たりする時、これは本当に全てが多数であたりまえの事なのだろうか?と立ち止まる常識や見識を私たちは持つ必要があるんだと、考えさせられた一冊です。
Posted by ブクログ
・フィンランドではおバカ芸人が出てきてくだらないことを言ったりするバラエティ番組がない。
・テレビのニュースになるのは、「犬が人間を噛んだ」時でなく、「人間が犬を噛んだ」場合。
・飲酒運転たたきは田舎いじめ
・報じないほうが良いこと・・・「いじめ自殺」など、過剰な報道が自殺を誘発することは自明であり、WHOには自殺報道ガイドラインというものがあるのに、日本では全然守られていない。
などなど、その昔、テレビばっかり見ていると馬鹿になると言われて育った人間が、今のテレビについていけないのは、こういうことなんだ。よくぞ言ってくれたと、納得できるお話ばかりでした。
(2010/11/30)
Posted by ブクログ
テレビは二面性がある。テレビは公共の電波を使用し、多くの国民の情報源である。なので、必然的に信頼してしまう物なのに、その内容はテレビ局側の都合の良い内容になって、それがあたかも世論全体の意見のように流されている。
私達は本当にテレビが伝えてる事が事実なのか、考え直さないといけない。インターネット時代が情報というものを変えてくれる事を信じるばかり。
Posted by ブクログ
話題の本なので読んでみました。
内容には賛成。ただ、ものすごくびっくりするような新しい知見や見識が得られた、という感じはないかな・・・。
もともとテレビなんてそんなに信じてなかったし。
テレビを疑ったことのない人は一度読んでみたらいいかな。
Posted by ブクログ
学習到達度調査の成績が良いフィンランドにおいて、テレビにバラエティ番組はなく、子供に人気のある番組は、討論番組、ニュース、ドキュメンタリーとのことで、日本とのあまりの違いに驚いた。
Posted by ブクログ
テレビの報道姿勢や内容、見せ方に対する批判が綴られています。
第一章では、テレビの医学的に間違った認識と責任性のなさについて。
第二章では、加害者は一方的に悪であり、被害者の過失には触れないことや、事件や事故防止には言及しないことについて。
第三章では、医療に対して過失ばかりを責め立てることについて。
第四章では、学力を蔑ろにするような報道を行い、子どもや親の危機感をなくしてしまうことについて。
第五章では、地方ではなく東京を中心とした報道と、それが政策となった際に地方に及ぼす影響について。
第六章では、自殺については報じるが、自殺の原因となる精神病についての報道は自粛するテレビと、自殺報道の取り扱いについて。
第七章では、高齢化する一方で幼稚化する報道と、老人の誤認イメージについて。
第八章では、テレビの白か黒の二分割思考について。
おおよそこんなところです。
内容は興味深く、2時間足らずで読めるので一読してみては…
Posted by ブクログ
「テレビの大罪」4
著者 和田秀樹
出版 新潮社
p77より引用
“医療問題に限らず、実はテレビに出るようなことは統計学的に
見ると少ない、おるいはめったにないことだと考えた方がいいく
らいです。”
精神科医である著者による、テレビの問題点を指摘した一冊。
テレビが垂れ流すウソについてからそれによって引き起こされた
困った事態まで、自らテレビと関わった経験を交えて書かれてい
ます。
上記の引用は、医療崩壊が起こった原因としてのテレビ報道の
影響について書かれた章での一文。
今その時に目に入った事を、この世の全てと思ってしまうような
事がないように、しっかりと自分の頭で考えて行動するように気
をつけていきたいものだと思います。
本文中に今までテレビは放送内容を事実上垂れ流しっぱなしに
してきた、というようなことが書かれています。最近は劣化しに
くいデジタルデータで簡単に大量に映像を残せるので、誰でも保
存しておけるようになって来ました。ダビングに関して著作権が
厳しく言われるのは、自分たちに都合が悪いものが多く残るのを
嫌うためなのかな?と、疑ってしまいそうです。
ーーーーー
Posted by ブクログ
最近、テレビや新聞を非難する本が増えてきた。
この本では、その通り、なるほど、本当にそうか、と読んでいて感じた。
思ってもいない問題点を挙げられ、
いかに自分がテレビ漬けにされていたか分かる。
メディア、特にテレビの与える影響力は大きい。
それらをテレビ関係者だけでなく、
視聴者にも自覚していただきたい。
Posted by ブクログ
美と醜、ゆとり教育、都会と地方、司法と医療の問題、自殺報道。価値観の押付け、ダブルスタンダードにダブルバインド。限られた番組時間内で感情に訴えかけて(問題をミクロで語る)二分割思考に陥らせ、善悪の結論を短時間で得ようとする手法。認知的複雑性が低いとテレビによって命を奪われかねない。テレビのいうとおりにしていたら心身ともに健康になどなれない。父性あふれる視点でとても痛快。
Posted by ブクログ
自身の仕事の関係で、急いで斜め読みをしました。
これまで自分が抱き続けてきたテレビ(番組)に対する不信感とか「曲がってるな」という感想が、著者の専門の切り口と実体験・データを元に爽快に語られました。
ただ、じっくり読んでいませんが「このページ数だけでは論が乱暴ではないかな」と思いました。
それでも、(仮に多くのテレビ視聴者がテレビの「被害」を受けているとすれば)テレビの罪を明らかにするきっかけとなる議論です。
Posted by ブクログ
テレビの視聴者は、テレビで放送しているんだから、しっかり調べて検証されているのだと思いがちである。しかし、「少年犯罪は増加しているのか」などネットで少し調べればわかるようなことも実は、事実の検証をしないでコメンテータに適当に話させている。
そのようなメディアだということを意識して、自分で正確な情報にあたるということをしていきたい。
Posted by ブクログ
テレビからの情報の悪影響に対して辛口で説いている。
共感できる部分もあるが、著者が医者の見解にやや偏ってる面も見られる。
また、悪影響の根拠として、統計的なデータもあれば、著者の憶測にすぎない言い方も見られる。
著者はこうあえて辛口に説くことで、読者には共感なり批判なりされることで、テレビについて考えてもらうことを目的としているので、まさに狙い通りだと思う。
本書を読んでよかったことは、テレビの情報源をどう考えて受け止めるか、それを改め考えさせられたことである。
Posted by ブクログ
すっかりテレビジャンキーと化してしまったうちの夫に読ませたい。(笑)
医師の立場から、テレビで放送される内容の害について書かれています。
たとえば、「ウェスト58cm幻想」それを真に受けた女子中高生が無理なダイエットをして結果拒食症になり健康を害する、など。
テレビが特殊な事象を取り上げるあまり、一般的な事象が見捨てられる。東京中心の限られた情報しか流されずに、全国同じものであるというような認識を与えている、などということが述べられていました。
ネットの場合「嘘を嘘と見抜けなければ……」という2ちゃんねるのひろゆき氏の言葉があまりに有名で、情報を見るときに、自然に裏付けを取ったり、他のサイトと主義主張がどう違うのかなどと考えたりします。それと同じように、テレビでも局毎に体質とか考え方とかがある、出てきた情報を鵜呑みにするのは考え物だなあと改めて思いました。
Posted by ブクログ
一億総白痴化
大宅壮一さんが警鐘をならしたのが
敗戦後から10年ほどたった1957年だった
TVという存在はますます
その度合いを強めている
TVを観るという習慣が全くない私などでも
やはりそうなのだ、とつくづく思ってしまう
この日本という国は
どこに行こうとしているのだろう…
Posted by ブクログ
テレビの大罪
テレビの影響は本当にに大きいということを改めて実感させてくれる本。若い人はテレビ不要という意見を強くした。一方、お年寄り向けには手軽な刺激という意味でテレビは必要なのだと再認識した。田舎では、お年寄りが刺激を求めて宝くじを買うという。決して一攫千金をねらっている訳ではなく。お年寄りに健康でいてもらう対策を考え、社会的経費を削減する努力が必要とふと思った。
Posted by ブクログ
もはや今の若い世代の人はTVから離れていっていると思う。団塊の世代の人々が一番振り回されているんじゃないか。
後書きに書いてあるように文章自体は意図的に荒く、客観性に欠ける所もある。ただ著者の意見にはほぼ賛成。TVは本当に酷い。しかしTVのお笑い番組自体は意味があるものじゃないかと個人的には思う。徹底的なバカなことをやって世間をちゃかして欲しい。問題は偉そうなことを言うキャスターや押しつけがましい報道番組。
Posted by ブクログ
自分が大人になったからか、最近TVのレベルが低すぎると感じる。特にニュースのコメンテーターが的を得ない発言をすると聞いている方が恥ずかしくてチャンネルを変えてしまうようになった。
そんなことを感じているのは自分だけじゃないのかなあと、タイトルを見て考えて買ってみた。
TVでのコメントについては、著者の実体験と自分の感覚はかなり合致していたことがわかった。良識者であるほど、TVには出ないし、発言させてもらえないらしい。まあ、わかっていたことと言えばそれまでだが。
著者が医師であり父親なので、医療・教育関係の内容が多かった。政治経済についても期待していたのだが。
Posted by ブクログ
絵になるようなレアなケースしかテレビは取り上げない、それはそういうものだろうけど、その珍しいケースをテレビは一般化して大きな声で叫ぶことが多いので、逆に害が多いし罪深い、とテレビコメンテーター経験者で精神科医の著者は怒っている。著者はお医者さん(精神科医)なので、主としてダイエットとか健康に関する報道、自殺報道なんかに関して怒ってる。広告で儲けるが民放は儲けのための番組作りも仕方ないようにも思うが、許認可事業であるテレビは、民放でも公益性が重要である、と著者は怒ってます。テレビはそう言うもんだと理解して観ればいいとは思います。自分は既にテレビをほとんど観なくなってしまったけど、普通、いい歳になれば本書に書かれていることを感覚的に理解して、あまりテレビを観なくなるんじゃないかな。逆にいつまでも理解できずにテレビの言うことを信じてたりテレビに出る人が偉いと思っている人間は本書のような新書を手に取ることはないのかもしれない。
Posted by ブクログ
テレビというメディアは、他のメディア、新聞や週刊誌、ラジオよりも影響力が大きい。
それは、文字を読んだり話を聞いたりするよりも、目から入る情報にはすごく説得力を感じるから。
こここからは目次を見ながら…
1 ウェスト58cmの大罪
2 正義とは被害者と一緒に騒ぐことではない
3 命を大切に報道が医療を潰す
4 元ヤンキーに教育を語らせる愚
5 画面の中に地方は存在しない
6 自殺報道が自殺をつくる
7 高齢者は日本に存在しないという姿勢
8 テレビを精神分析する
という大方の内容やけど、どれもデータや統計をもとに書かれていて説得力がある。
視聴者うけがいい、スポンサーうけがいいものばかりを報道したり、情報を切り取ってあたかもそれが一般的な意見であり、今起こっていることと錯覚させるようね内容を作り出して放送するテレビとは違う。
この著者の話だけ、意見だけを信じてテレビは悪者だぁーと言う人こそ、テレビなんかの作られた情報に踊らされるんやろうけど、やっぱりひとつの情報から、全てを鵜呑みにすることの危険性は大きいと思った。
この本を読んで知識を深めるというより、疑う力、裏をとる必要性、他の考え方もあると知ることの重要性を改めて感じた。
Posted by ブクログ
テレビで特集されるさまざまな報道は、本当に参考になるものが多々ある。
しかし、視聴者は自分の中できちんと考えて、間に受けすぎて振り回されないようにする意識がが必要なんだなと感じた。
Posted by ブクログ
延々とテレビのマイナス(大罪)が書かれている。
TVではウェスト58センチのアイドルばかり使うことで(実際は58センチじゃなくてもプロフィールでそのように表記する)、視聴者がその体系を真似るべく無理なダイエットに励んだり、拒食症を引き起こしたりと決して無視できない現象を巻き起こしている、という話から始まって、様々な事例を述べながらTVの大罪について書いている。
著者が医者ということもあって、TVが及ぼす人への害を医学的に説明してることはとても面白いし、また、受験の神様と称されているだけあってもTVが及ぼす教育への弊害も具体的に述べている。
教育に関しては、具体的な番組名は伏せていたものの、「勉強ができない」ことを肯定化し美化し、逆に勉強のできる子が実は悪い人です、のようなドラマが罷りとおていることを徹底的に批判していて同意できる内容も多く、面白い。
Posted by ブクログ
[2012.その8]医師としての立場からテレビについて、全体的に否定的な見方で書き進められている。
健康、教育、自殺などのテーマ一つ一つを多様な角度から見るとはどう言うことなのか、気づきを与えてもらえた気がする。
Posted by ブクログ
ちょっと強引かなぁと思う所もあるけど今まで思ってた事がズバッと書かれてました。
この本が出たのは2010年ですが状況は今の方が酷くなってる気が…。
Posted by ブクログ
精神科医の著者がテレビがもたらす悪影響を大胆な論調で紹介。かなり私的な意見と突拍子な論調で人によっては不快感を覚えるかもしれないが、これだけ批判を恐れずズバズバと言っているのは個人的には好感を持てる。
個人的にはテレビなんて信じてないし、いつの時代もテレビって国民を都合のよいように洗脳する道具だと思っているので驚くような内容じゃない。著者が実際にテレビに出た際のディレクターの対応等の話が載っていたので、「やっぱり、そうだよね。」と思う。
著者は「テレビは自分たちの影響力を考えずに、国民を自分で考えない人間にしている。」的な事を言っているが、私は知っていてやっていると思う。まさか、テレビ局の上層部がそんなバカだとは思えない。盲目的にテレビの内容を信じる国民を創りだせば、CMやテレビ内で紹介した商品が売れるようになるし、広告収入も増えるじゃない。
下っ端達が「真実を報道する義務と権利がある!」なんて騒いでいるのを、ほくそ笑んでいる連中がいると思うんだけどねぇ。
Posted by ブクログ
発言が過激すぎると、多々感じることもあったが、なるほどと思わせる部分も多かった。テレビは、人間の気持ちをあまりにも無視した報道が多過ぎるし、一度流した情報について、再考して、見解を示したり、訂正したりということは、基本的にはしていない。そのあたりの姿勢について、筆者が適切に指摘している。
我々の持つ知る権利にとって、テレビの情報は、非常に重要な部分なので、様々な意見のぶつけ合うことで、少しずつ変えていくことは、大切だと認識させられた。