あらすじ
「涙を流さなくちゃ、始まらないことだってあるんだよ」。恋人にひどく傷つけられ、泣けなくなった女の子。彼女に青年の心は届くのか(「泣かない」)。上手に別れるため最後にいちばんの思い出の場所へいく。そんな「さよならデート」に出かけたふたりが見つけた答え――(「スローグッドバイ」)など、普通の人たちの少しだけ特別な恋を綴った10篇。出会いから別れまでの一瞬一瞬をやさしく描く傑作短篇集。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
石田衣良の恋愛短編小説集「スローグッドバイ」を読み了える。
脛の傷、心の闇、隠したい過去を抱きながら生き抜く男女を描く10編。性を交す作品が多いけれども、そうでない作品もある。
サクセス・ストーリーへの執着が見られ、シナリオ・ライターとして成功してゆく「曜子」とそれを見守る「史郎」の「夢のキャッチャー」、イラストレーターとして「山口高作」を発掘するPR誌の「サツキ」の「線のよろこび」などがある。
憶測を交す男女が、結末でどんでん返し的に和解するストーリーを含めて、最後の表題作「スローグッドバイ」を除けば、ハッピーエンドの物語である。
「スローグッドバイ」では、2年間の同棲をしていたフミヒロとワカコが別れる事になり、さよならデートをした後、ワカコの見抜いた通り、フミヒロの「心のなかにたくさんの物語があふれていたからだ」と作家的才能の発現を描く。これまでの9編をフミヒロの作品であるかのように、この作品集を2重にフィクション化している。
Posted by ブクログ
ローマンホリデイが一番良かった。
全体的にどれも爽やかに終わるので安心して読める。
同じような読後感なので続けて読むと飽きてくる。
食後の高級チョコみたいに少しずつ味わうのがオススメ。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
「涙を流さなくちゃ、始まらないことだってあるんだよ」。恋人にひどく傷つけられ、泣けなくなった女の子。彼女に青年の心は届くのか(「泣かない」)。上手に別れるため最後にいちばんの思い出の場所へいく。そんな「さよならデート」に出かけたふたりが見つけた答え――(「スローグッドバイ」)など、普通の人たちの少しだけ特別な恋を綴った10篇。出会いから別れまでの一瞬一瞬をやさしく描く傑作短篇集。
「誰もが人生の主役になりたがるが、夢だとか恋だとか成功とか、どうしてあんなにしんどいものに、みんな手を出したがるのだろう。」
「大人になるというのは、結局「立入禁止」や「この先行き止まり」の標識に素直に従えるようになることだ。」
【個人的な感想】
自分の経験と照らし合わせて...というほど自分のこれまでの恋愛経験がないからか、そこまで深く物語に入り込んで読むことはできなかった。
だけど、短編集なので寝る前にサクッと読むにはとてもよかった。
好きな短編
・真珠のコップ
・夢のキャッチャー
Posted by ブクログ
文庫本発売当時の2005年くらいに一度読み、本棚に眠っていたものを再読。
真珠のコップとローマンホリディがすき。
スローグッバイもよかったけれど、これをよいと言うと、石田衣良さんはしてやったり顔だろうと思い、なんだか悔しくて素直によいと言えない笑
十五分はいったい私は何を読まされてるんだ…wという気分になった。
ハートレスと線のよろこびは起承転結の「起」だけ丁寧に描かれ、のこりが全速力のドタバタ走りで終わってしまった感じが残念。
当時のリアルを鮮明に描写しているせいか、今現在(2022年)の大学生とかが読んでもちょいちょい単語に詰まり、ストーリーに入り込めなそう。iモードや着メロとかならまだしも、ストーリーの肝なのにコールガールやプロバイダの掲示板とか言われてもはて??では。現代小説の寿命の短さに、恋愛とは違う意味でせつない気持ちになってしまった。
そして普通の人のリアルを描いているようで、こんな恋愛なかったなぁ、、いいなぁ、、、という気持ちにも。
石田衣良さんの小説はどんなに重い題材を扱ってもさらっとしていて読みやすい。