あらすじ
永久保存版
Ivica Osim 1941-2022
イビチャ・オシム
日本サッカーへの遺言。
追悼対談&インタビュー
[オシム・ジャパンの申し子対談]
中村憲剛×鈴木啓太「誰よりも僕らの可能性を信じてくれた」
[唯一無二の指導に触れて]
中村俊輔「未だに考えさせられている」
[恩師の意外な一面]
遠藤保仁「走れと言われたことは一度もない」
[一番弟子の感謝]
阿部勇樹「ピッチでは何を言っているかが分かった」
[教え子に息づく哲学]
ドラガン・ストイコビッチ「あの熱い抱擁を忘れることはない」
[元代表監督が偲ぶ]
フィリップ・トルシエ 「静かな力を感じさせる“先生”だった」
[愛妻が語る「夫」オシム]
アシマ・オシム「イバンもきっと見たかったでしょうから」
[オシム最後のインタビュー]
日本サッカーには豊かな未来が開けている
[言葉の知将の実像]
千田善×間瀬秀一「通訳だけが知っているオシム語録の舞台裏」
[2006年ジェフの真実]
佐藤勇人/羽生直剛/巻誠一郎「理想の途上のベストゲーム」
オシムインタビュー傑作選
Chapter1 オシム・ジャパン1年4カ月の挑戦
Chapter2 日本サッカーに捧ぐ名将のレッスン
Chapter3 知の巨人が語る監督論と日本人論
Chapter4 欧州を沸かせた“シュワーボ”の旅路
[現地記者が綴る選手時代]
シュトラウスの記憶
[80のキーワードで紐解く]
オシム語録大辞典
[クロニクル]
イビチャ・オシム完全年表 ほか
※本書はNumber誌面、Number Webに掲載の記事を再編集し新規記事を追加したものです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
2022年5月1日に亡くなられたイビチャ・オシム。
日本人による日本人のフットボールを目指した彼と共に歩んだ時間は、多くのファンを惹きつけ、いまだにその夢を追い続けてやまない。
ジェフをナビスコ優勝させ、阿部や羽生をはじめとして多くの選手を育て、独特の言い回しで人々を魅了したオシム。監督会見でなかなか本音を引き出せずにいた記者たちが、協力して立ち向かったというエピソードが好きです。誘導されていることに気づいたオシム、その瞬間に彼の本音が一番見えた、とかだったかな。後藤健生さんがサッカーおやじ会で言ってましたね。
これは、同じ質問を繰り返すしかないマスコミとは一線を引くエピソードとして好きです。引き出したい記者と、引き出させないオシムとの戦いでもある。
一方で、オシムが志した日本化というものの幻想に取り憑かれてはいけない、とも思います。工程半ばで病のために現場を離れてしまったオシム。その最終地点は残念ながら見ることができず、当時の状況と進み続ける現在との共通点を探して、あれこれを想像するしかない今、そこに囚われ続けることは日本の進化に繋がりはしないと思います。
なんというか、プロレス最強という猪木の作り上げた幻想から抜け出せなかった一時期の格闘技界に通じるような気がします。
提示された夢に憧れ、希望を見出し、その実現に邁進するというのはいいのです。ただ、その夢に固執するあまり、過去に留まることがあってはならないと思うのです。
それは、常に最新の情報を得ようとし続けたオシムの流儀とは外れてしまう、と一ファンとして感じます。
幻想としてしまわないためにも、夢を実現させるためにも。
とまあ叙情的に語ってしまう自分が最も夢や幻想に囚われやすい人物ではあるのですが。観客としては、どうしてもストーリーを紡いでしまうものなので、それが個人的な楽しみとしてたまらない嗜好なので、どうしようもないです。
そこのバランスがね、大事です。偏りがちですが。