あらすじ
強く死を願う患者の前に現れて、その願いを叶えてくれる――栃木県・下野東方病院関係者の間でささやかれる「死の天使」の噂。担当患者が亡くなった責任を取らされ、退職を強要された看護師からの投書を調べるうちに、新九郎たちSROは奇妙なことに気付く。新時代警察小説、待望のシリーズ第二弾。文庫書き下ろし
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
さすがに「やりすぎだろ」とは思いますが、
死が近づいていてどうにも逃れられないと
自分が感じ、苦しくて辛いだけなら私も
「死の天使」に縋るだろうなと。
どう考えても人生は短いなぁ、、なんてことを
感じました。
Posted by ブクログ
評価は4.
内容(BOOKデーターベース)
強く死を願う患者の前に現れて、その願いを叶えてくれる―栃木県・下野東方病院関係者の間でささやかれる「死の天使」の噂。担当患者が亡くなった責任を取らされ、退職を強要された看護師からの投書を調べるうちに、新九郎たちSROは奇妙なことに気付く。新時代警察小説、待望のシリーズ第二弾。文庫書き下ろし。
Posted by ブクログ
富樫倫太郎による広域捜査専任特別調査室SROの活躍を描く第2弾。
前作からそれほど時間が経っていないのに新たな連続殺人の疑惑に迫っていくSRO。今度は医師が相手となる。
本作では殺人を神の御心に従ったまでという認識のもとに、なんの罪悪感も持たずに実行していく相手が出てくる。しかも、普段は非常に優秀かつ冷静に的確に物事を判断できる聖人のような人物というところが空恐ろしい。つまるところ、外見や普段の行動からは相手が連続殺人犯とは見分けにくいということだ。
海外作品ではよくそういった事例を扱うものを見かけるが、日本にはそぐわないのかなあと漠然と思っていた。前作の近藤房子もそうだが、普段とはまるで別の顔を見せる殺人犯に、現実にあり得るのではと思う瞬間が盛り込まれ、しかも、房子は薬剤師、本作では医師という本来人の命を救う役目を果たしている人たちというのがリアルに恐ろしい。
SROの活躍もさることながら、こうしたリアルな設定で現実に起こりうると思わせる展開を用意しているところが、本作の大きな魅力である。
Posted by ブクログ
表現はつたないところあるんだけど、疾走感は、めちゃくちゃあるから読み出すと止まらない。今回は犯人がオープンだから犯人を突き止めるまでの過程が薄くてそこはどうかと思ったけど、シリキラの描写は面白い。
Posted by ブクログ
「ドクター事件」でSROは一人の重傷者を出し、二人の謹慎者を出し、他のメンバーも外出を禁止された。
調査室で市民から寄せられた投書を読む毎日だ。
退職した看護師からの投書がすべての始まりだった。
患者が急変し死亡した責任を取らされ退職に追い込まれたという。
医療ミスの疑いもあり看護協会調査課を訪れるが、下野東方病院には何の問題もみあたらない。
直接病院にもあたってみるが、副院長である琥珀の説明で医療ミスは全面否定され、退職した看護師には問題があったことを説明される。
信念を持って殺人を繰り返す犯人。
狂気というよりも、人間ではないもの・・・のような感じがした。
歪んでしまった心は、人として進んではならない方向へと傾き、間違った信念は彼の中では正義として正当化されていく。
読んでいてずっとすっきりしなかった。
正しいことを言っているようにみせかけているけれど、絶対に間違っている。
まるでお菓子の家を囮に子供をさらう魔女のような・・・。
耳障りのいい言葉を弱った心に向けてささやき、死への願望を植えつける。
終盤、山根が「殺人衝動を抑えられないから理由をつけているだけだ」と言っていて、やっとすっきりとした。
結局、自分の中にある「人を殺したい」という欲望に勝てなかった卑怯な犯罪者にすぎない。
SRO1では最後しか活躍の場がなかった富田だが、今回は大活躍をする。
几帳面な彼らしくメモを取りながら、山根の病院側の中継点として見事な動きをみせる。
後半、富田がどうなるのか。嫌な予感がしてハラハラしながら読み進んだ。
それにしてもSRO。
逮捕にあたって毎回人は死ぬし無茶はやるしで、これから大丈夫なのか?と心配になってきた。